5_第五話【荒れ狂うのならば!!】
5_第五話【荒れ狂うのならば!!】
「ウェルキッシュ!! ハンマースレッジ!! 叩き潰しなさい!!」
「くっ! こいつは、ずいぶん見事な!」
うおっ! は、はええええ!! なんだあれ、シンの奴のサイドステップ! ゴーレムに視線向けたまま、真横に瞬速移動!! ゴーレムの放った叩き潰し攻撃を回避!!
「……いいゴーレムじゃないか!! マドールとやら!」
はっ! なんだあいつ! シンの奴、余裕綽々で! 死ぬほどかっこいじゃねーじゃねえか!!
「! 侮辱!! ヴァンデキリス! 行け! ハイキックブロー!!」
シンの後ろに!! 深紅の燃え立つ彩色のゴーレムがもう一体! 回り込んで、ハイキックを放ち! そのままその踵を叩き落してシンを潰しにかかる!!
「魔導弾丸開放!! ハイプレスサンダーブリット!!」
うがあああ!! シンの魔導銃の銃口から雷光が放たれて!! 空に向かって極太の稲妻が瞬時に昇り!! 自分の頭上に振ってきたゴーレムの足を溶かして消し飛ばしたぁ?! こええええええ!! なんだあのタイミングのカウンターショット!! 頭おかしいぞあいつ、シン!!
「はん!! 負けるわけないでしょ! 私は伯爵令嬢マドールちゃん!! 再生術式!! アッド・ザ・ランドランディ!!」
レイピアを振るって、唱えるマドール!! トパーズ色の光がレイピアから放たれて!! ゴーレムに2体を包む!! 再生?! なんだあのスピード?!
「魔導弾丸開放!! トルネードウィンドフィンブリット!!」
ぎゃああああ!! やっべ! あれは確かに風の四段魔導術!! なんだあいつはー!! 矢次ぎ速に、ヤバめの高位魔導術を『銃とかいうらしい筒の口から』放ちまくるシン!!
「うふふ!! あったまわるぅーい!! 土属性のゴーレムに風のトルネードは効果大だって思ったのね? ウィンドガードコートをしているにきまっているじゃない!! 終りね!!」
「そうでもない」
「え?」
っ?! シンの奴? 白コートの懐に魔導銃を戻した?
「貴様のゴーレムな? 処分式をもう放った。おわりだ!!」
シンのその声とともに!! 竜巻が吹き荒れる前庭に!!
さっきシンがぶっ放した稲妻が、さらに太くなって降り!! 戻ってきて炸裂した!!
雷撃を含んだ竜巻がゴーレム2体をもてあそび!! 粉砕してしまったぞおい!!
「は?」
意味わからんと顎が外れたような顔をするマドール!! うん、俺にもわかんないから安心しろ!!
「う、う、う!! うふふふふー!! マドールちゃん! お怒りだ!! 行け!! 一段魔導術!! アースヴォルトぉ!!」
おお? 額に汗かきながらも、魔導術を放つマドール!! あれ、さっき俺が食らった術だな!! ……しょっぼ!! しょぼいぞあれ!! 俺はあんなので死にかかったのかー!! シンが放つ魔導銃の術に比べて、しょぼすぎて泣けるぅ!!
しかし、それでも!! 地面から噴き出す高圧地電流を厭うように!!
「魔導弾丸開放! アンチマジックフィールドブリット!!」
うわあ!! 五段魔導術の『絶対魔法防御』を張りやがった!! シンの奴!! 魔導文字文様が浮かび上がる闇のヴェールがシンを包む!! 容赦手心知らんのかぁ!!
「やぁぁああああああん!! もうやだああああああああ!! いけえ! マドールちゃんリーサルすぺーる!! 二段魔導術!! アースランサー!!」
「いかん!! 後ろに跳んで避けろ! 盗賊! 巻き込まれたらお前だけ死ぬぞ!!」
え?!
「なんで俺だけえええええええ?!」
「よわいから」
うぎゃあああああ!! シンの野郎!! 俺のプライドまで粉砕しやがるぅ!!
バキバキっつーかドゴンドゴンというか!! 太くて鋭い岩石槍が地面から効果範囲内にランダムに突きあがる魔導術、『地槍乱撃』! 急いで範囲外に出たから助かったけど。
はい、こんなもの食らったらロッツさん即死だわな!
んで、土煙もうもうの前庭!! シンはどうなった!?
「勉強不足だ貴族娘!! アンチマジックフィールドはすべての魔導術を完全シャットアウトする!! 魔導力を無駄にしたな!!」
うはあ!! 堂々と静清と誇り高く!! 静かに突っ立っているシン!! そして完全無傷!! かっけえええええ!!
「まだやるか?」
銃すら持たず、指でマドールを指すシン!!
「!!!!き! て! や! ぶっころしてやぁるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぅ!!」
わああああ?! マドールって貴族ガキのツラやべええ!! 歪んで怒ってまっかっか!! しかも!!
「マジックエンチャント!! エンハンスレイピア!! 二段付加魔導術!! ポイズンアシッドソード!! ぶった切ってやぁるーーーーーーーー!!」
なあ?! ああああ?! 貴族装束で! レイピアに腐食魔法をエンチャントして!! 突っ込んできてシンに切りかかるマドール!! 貴族マッド!!
「……ばかなのか?」
シンがため息をついて。ふたたび魔導銃を抜いて。
ぽん。
と引き金を引くと?
「うだはっ!!」
緑色の風の塊を受けて、マドールが後ろに吹っ飛んで派手にごろごろ転がってぶっ倒れた。
「魔導弾丸、カインドウィンドブリット。手抜きお情け弾丸も役に立つな」
あー、こいつシン。なんかいろいろ計算して。弾を配分しているらしい。計画性が見えるのがなんかなぁ、って感じだぜ。
「……えへ♡ マドールちゃんLOSE!! 負けちゃったぁ!!」
おあ? なんだこいつ? ニコニコして負け認めた?
「お父様Come On!! 敵の手の内は見えましたわよ!!」
え?
なにぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!
5話 END




