↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『魔法チートな幼女ですが、冷酷皇帝に拾われて溺愛されてます』  作者: カトレア
第三章:皇帝との恋愛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/37

第7話『“婚約者”のお披露目任務!?でも敵国王子が「俺と駆け落ちしよう」って言い出して、皇帝陛下が魔王化しました』



 


「ええと……なんで、こうなってますか?」


私は困っていた。

理由はシンプル。


今、私の目の前で――


敵国・ゼルトラーナ王国の王子が跪いて告白しているからだ。


「リリー姫。あなたほどの魔力と才色兼備な方が、あの冷血皇帝の元にいては勿体ない。どうか、私と駆け落ちを――」


「却下だ」


後方から響いた、低く、凍てつくような声。


「その口を閉じろ、ゼルトラーナの馬鹿王子」


 


――カイゼルだった。


今朝、私は“婚約者”としての初任務で、隣国との親交の儀に臨んでいた。

それだけならよかった。儀式も無事だったし。


問題は、このナルシスト王子・オルぜ=ゼルトラーナが、突然暴走し始めたこと。


「あなたの瞳は宝石。肌は月光のよう。私の隣にふさわしいのは、あなただけだ」


「いやいやいやいや! ちょっと待って!? 陛下がいますから!!」


「まだ幼いあなたは洗脳されている。私が正気に戻して差し上げる!」


「うるさい黙れ」


ボォンッ!


地面が、爆ぜた。


焦げた石畳と共に、カイゼルの魔力が一帯を支配する。


その顔は――笑っていない。

冷酷な皇帝の仮面もはがれ、そこにあるのはただの独占欲と怒りだった。


「リリー。後ろに下がってろ。俺が片付ける」


「こ、殺さないで! 一応、隣国の王子だから!」


「なら、国ごと焼き払えばいいだけだ」


「だめぇぇぇぇぇぇ!!?」


 


◆ ◆ ◆


 


結局、ゼルトラーナの馬鹿王子は、自国の使者たちに半泣きで担がれて退場した。


そして私は――


「……あのね、カイゼル。あれは外交的な挨拶みたいなもので……」


「……キスされなくてよかった」


「へ?」


「もし奴がお前の唇に指一本でも触れていたら、俺は、

 今ごろお前をこのまま連れ帰って、二度と外に出さないようにしていた」


その赤い瞳は、冗談の色など一滴も含んでいなかった。


「お前は、俺の妃だ。俺のものだ。……それ以外の接触は、許さない」


「……うん、あの……はい……っ」


どこまでも真っ直ぐで、どこまでも狂おしいほど真剣で――


逃げられるわけがない。

きっと、私の未来は、この人と共にある。


だから私は、ただその胸に頷いた。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。