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VRゲームで歩む最強への道  作者: 仮面色
2章 校内ギルド
27/40

27戦目 部内会議

土日に悩みながら、なんとか書き上げました……。

 特別授業があった日の放課後、俺達『平和の園』はいつも通り部室に集まっていた。全員が定位置に座ったところで、俺が手を上げた。



「どうしたの、真偽君?」

「ちょっと話があるんだ」



 そこから、今日先生との面談内容について話し始めた。



「なるほど、真偽君が私達に教える……」

「……願ってもないこと」

「だ、大丈夫かなぁ……?」



 三者三様のリアクションを返してきた。投網は何か考え込んでいるし、一縷はやる気満々だ。網目先輩はいつものように自信無さげだった。



「それでさ、みんなが良ければなんだけど、特訓するって言うのはどうかと思ってな」

「私はいいと思うよ!」

「……大賛成」

「ちょ、ちょっと不安だけど、頑張ってみようかな……」



 どうやらみんな賛成してくれたようで何よりだ。そこで俺は立ち上がり、計画について説明していく。



「とりあえず放課後まで色々考えてたんだけど、いくつか目標を設定してみたんだ」

「ふむふむ」

「まず最終目標は、学校ランキング一位になることだな」

「ふえええぇぇぇ!?」



 俺はホワイトボードに書き込みながら、一個ずつ話していく。すると、網目先輩がおかしな声を上げた。



「どうしました、網目先輩」

「む、む、無理だよそんなの……!」



 首を横にブンブン振りながら、否定の言葉を飛ばしてくる。投網と一縷は黙って俺達のやり取りを眺めていた。



「えーと、無理と断言するのはどうかと思うけど……」

「だだだ、だって、トップのギルドを倒すってことだよ!?」

「そりゃまぁ、そうでしょう」



 そこまで言ってふと気づく。そういえば、ランキング一位のギルドってどこだ?



「投網は知ってるか?」

「えーと、『百獣団』が四位でしょ、で、板宿君の入ってる『黒騎士』が三位で……」

「……あの不愉快なお嬢様のいる、『ローズガーデン』が二位」



 投網と一縷が口々に答える。……若干私情が入っていた気がするが。



「じゃあ、一位は……?」



 そこで全員の視線が網目先輩に注目する。先輩は一瞬ビクッとした後、話し始めた。



「い、一位は……『安楽高校生徒会』だよ……」

「「「生徒会?」」」



 俺達三人の声が重なる。生徒会なんてあったのか?



「お姉ちゃん、生徒会が最強なの?」

「う、うん……。というか、生徒会はスカウトされたメンバーしか入れない少数精鋭のギルドなの……」

「それが一位ってことか……じゃあこの学校で最強なのは……」

「せ、生徒会のギルドマスター……つまり生徒会長が一番強いの……」



 そこまで言われると興味あるな。一体どれくらいの強さなのか。



「先輩、その生徒会長の戦いって見たことあります?」

「う、うん、去年何回か……」

「じゃあ俺とどっちが強いと思いました?」



 その言葉に、先輩はキョロキョロと挙動不審になりながら考え込んでいる。しばらくして口を開いた。



「ど、どっちも強すぎてわかんない……」

「……真偽様の方が強いに決まってます」



 先輩の中ではどちらが強いか、甲乙つけがたいらしい。まぁ比べるのは難しいか。一方、一縷は自信満々に俺の方が強いと断言していた。



「ふうん……」

「うーん……生徒会ってそんなに強いんだ……でも真偽君がいれば、なんとかなるよね?」



 投網は前向きに考えているようだ。俺に向かって笑いかけてくる。だが、俺の考えは違う。



「いや、それだけじゃダメだ」

「どういうこと?」

「俺一人では限界がある。だからみんなに強くなってもらって、協力して戦うべきと思うんだ」



 半分建前だった。本当は俺が楽したいというのもある。だが、みんなは俺のそんな本音に気づかず、ハッとしたような顔をしていた。



「そっか……真偽君に頼りっぱなしじゃダメだよね……」

「……足を引っ張りたくない」

「う、うん、私もギルドマスターだし……」



 各々考えるところがあるようだ。よしよし、いい流れで話を持っていけてる。



「話を戻すぞ。最終目標は生徒会を倒すこと。俺だけじゃなく、みんなで力を合わせて。それでどうかな?」

「うん!」

「……頑張る」

「や、やってみる……」



 全員同意してくれた。ここまではいいか。



「じゃあそれはそれとして、近い目標を作ろう」

「近い目標?」

「いきなり生徒会に挑む訳にもいかないだろ? ここは順番に倒して強くなっていこう」

「……となると、標的は」

「ああ、二位と三位。黒騎士とローズガーデンを倒そう」



 そこまで言ってみて、ふと思った。そういえば俺達のギルドランクはどうなっているのだろう?



「この前百獣団を倒したけど……それでランキングは上がってるのか?」



 俺の疑問に対し、網目先輩が答えてくれる。



「そ、それは上がってないかな……」

「どうして?」

「ぜ、前回のギルド戦は……あくまで領土を賭けたものだったから……。ランキングを入れ換えるには、ランクを賭けて勝負しないといけないの……」



 わかりやすい説明だった。となると、百獣団も前回本気を出していたとは言い難いな。入ったばかりのグリズリーも参加してたし。もしランクを賭けるとなったら、最強メンバーを出してきたかもしれない。



「うーん……なら地道にランキングを上げていった方がいいかもな」

「そうだね。いきなり上位ランクに挑むのはきついかもね」

「……でも、現在私達のギルドは最下位」



 一縷の言うとおりだった。平和の園は人が抜けたことで落ちぶれており、今のところ最下位だった。



「まあ、律儀に一つずつ挑んでいく必要はないだろ。例えば二十位のギルドを倒して、その次は十位に挑むとか。いくつか飛ばしていけばいいさ」

「だよね!」



 とりあえず大まかな道筋は決まった。次は細かなところを詰めていく必要がある。



「よし、勝つためにまずやるべきなのは……戦力強化だな」

「というと?」

「もちろん、地道なレベル上げと、強い装備だ」



 人間が動かしている以上、最終的には人間の判断がものをいう。とはいえ、強くなっておいて損はない。



「レベル上げかー……」

「ああ、当たり前のことだが、レベルが20上がる度にスキルは一つ覚える。だから、みんなも新しいスキルを覚えてもらおう」

「でも、そんな簡単にレベルは上がらないよ……」



 投網は若干落ち込んだような調子で言う。確かに彼女の言うとおり、レベルは簡単に上がらない。一番効率がいいのは自分より強い相手を倒すこと。つまり自分よりレベルの高い相手を倒すのが一番だ。



「でも、簡単に倒せないから強いんでしょ?」

「その通りだな。だが、方法はなくもない」

「……それは一体?」

「ボスモンスターだ」



 みんな、あっとした顔をしていた。ボスモンスターは強いが経験値は高い。だから、経験値稼ぎにはちょうどいい。



「ちょうど狙ってた相手がいるだろう?」

「もしかして……」

「この前は百獣団に先を越されたけど、今度こそフェニックスを倒しに行こう」



 この学内サーバー最強と言われるボスモンスター。炎鳥王クリムゾンこと、通称フェニックス。



「で、でも……」

「心配しなくていい。俺がいればなんとでもなるさ」



 フェニックスの強さは、ボスモンスターの中でも下から二番目のランクである魔王級だ。それくらいなら、俺一人でも倒せないこともない。



「そ、そうだよね。真偽君がいれば……」

「まぁいずれは俺がいなくても、三人だけで倒せるようになって欲しいところだが」

「ひええぇぇぇ……!?」



 網目先輩は顔を青くしてガタガタ震えていた。挑んでいるところを想像してしまったのだろう。



「大丈夫だって、そんないきなり無理はさせないからさ」

「う、うん……」



 これで当面の方針は決まった。まずは特訓の為に、フェニックスを倒す。



「じゃあ早速行こうか」

「え、もう行くの!?」

「早い方がいいだろ?」



 それに前回のように、どこかのギルドがフェニックスに挑んでる可能性もある。だから行ける時に行っておく必要があるのだ。



「ほらほら、行くぞ」



 俺に急かされて、みんな接続の準備を始める。



「「「「リンクスタート」」」」







 この前と同じように、フェニックスの住む安楽山エリアへと向かっていた。相変わらず木や草のほとんどない、寂れた山だった。



「ほ、本当に勝てるのかな……」



 ティアーが呟く。いつも弱気ではあるが、かなり不安そうだった。



「大丈夫だよ、お姉ちゃん。ゴーストも無理はさせないって言ってるし」

「で、でも……」



 リンクスがフォローするものの、不安は拭えないようだった。言い出したのは俺だし、俺からもフォローしておかないと。



「そうそう、今日は初回だから心配いらないって。もしダメそうなら俺が一人で始末をつけるからさ」

「……さすがです」



 意図しないところで、ブレイズに尊敬されていた。やっぱり少々照れる。



「一応作戦は立てておこうか」

「うん、どうする?」

「まず……ティアーはフェニックスの攻撃パターンは知ってる?」

「く、詳しくは知らないけど……突撃してくるって、聞いたことあるかな」



 なるほど、突撃か。加えてもう一つ情報がある。前回、百獣団がフェニックスと戦ってた時のことだ。



「確か前見た時は、口から炎を吐いていたよな?」

「あー、あれは厄介だね……」

「避けるのは大変そうだな」



 広範囲の攻撃は、実は俺の苦手とするところだったりする。自分が避けるのも苦手だし、仲間が何人も食らってしまうと回復させる対象が多くて忙しくなるからだ。



「他のパターンは……なんだろう?」

「鳥系のモンスターだから、そこから推測するしかないな」



 後はフェニックスだけあって、炎属性なのは間違いない。となると、水系の攻撃ができるティアーが鍵となる。



「だから頼むよ」

「プ、プレッシャーだよぅ……」

「なんとかなるよ、お姉ちゃん!」



 リンクスの言うとおり、なんとかなるだろう……多分。その後ワイワイと雑談していると、不意にリンクスが話しかけてきた。



「ねえねえ、ゴースト」

「ん?」

「ゴーストはボスモンスターを一人で倒せるんだよね?」

「ボスのランクにもよるけどな」

「じゃあさ、災害衆の他の人達も一人で倒せたりするの?」



 問いかけられて、元仲間達のことを思い出す。



「そうだな。たまにタイムアタックとかで遊んでたな」

「タイムアタック?」

「同じボスに一人で挑戦して、誰が最初に倒せるかっていう遊び」

「……スケールが違いすぎる」

「そ、想像するだけで怖いよ……」



 なんだか呆れられているような気がするが、そこは置いとこう。



「でも、ボスを倒す……ことに関しては、あいつが一番厄介だったな」

「あいつ?」

「災害衆……二番の奴だ」

「へぇ……強いの?」

「まぁな」



 あいつはものすごく厄介な奴だった。お互いの能力的に相性が悪いからな。



「それって、どんな……」

「……そろそろ着く」



 リンクスが更に問いかけようとしたが、ブレイズの言葉に全員前を向く。どうやら話しているうちに、いつの間にか安楽山まで到着していたようだ。



「話は後にして、戦闘準備といこうか。準備はいいか?」

「うん!」

「……いつでも」

「ふ、ふえええぇぇ……」



 一部おかしな返事があったようだが、深くは突っ込まない。

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