第3話 僕は祖母の意志を次いで
僕のこの店……。広島お好み焼き屋【さつき】の購入時の説明は簡易的だったけれど。
皆さんは分かってくれたかな?
まあ、その後も僕は家の両親に頭を下げ……。
そう僕は親父様やお袋様に土下座をして保証人にもなって貰ったのだ。
僕の幼い頃からの夢を叶える為……。
う~ん、実はね?
この広島お好み焼き屋【さつき】なのだが、僕は二代目店主でね。初代の店主は僕の祖母が【看板娘?】で、広島の安佐南区ではなく、中区の方でお店を経営していた。
そのお店……。初代さつきの方は、祖父が病気で入院……。
それと同時に家の親父様がお店を閉めたのだが。
僕の祖母は最後迄反対をした。
でも祖母は悪性腫瘍の末期ガンだったから。
家の親父様が祖母の不満を素知らぬ振りをして、強引お店を閉めたのだけれど。
祖母は、その事に気がついているようだった。
だから僕が『婆ちゃん元気だしてよ……。俺、幼い頃から婆ちゃんがお好み焼きを楽しそうに……。お客様達とワイワイ、ガヤガヤと楽しそうに会話をしながら焼いている姿……。後ろ姿を婆ちゃんところに泊まりに行く度に見てさ。俺も将来自分で【広島お好み焼き】のお店を経営……。持つと言った夢があるから。俺が婆ちゃんの後を次いで、【さつき】の二代目店主になってやるから心配するな、婆ちゃん………。それよりも今は婆ちゃん、早く病気を治して元気になってやれよ……。家の親父や叔父さん達、叔母さん達も婆ちゃんが、元気がないから心配で仕方がない顔をしているぞ。婆ちゃん……」
僕は何となく、自分のお店が閉まった事に気がついているから元気がない祖母へと、自分の夢は綺麗な奥さんを嫁に貰い。夫婦仲良く祖母のようにお好み焼き屋を経営するのが夢だから心配するなと、労いの言葉や叱咤激励を続けた。
でも祖母は入院してから翌年に、自分が産まれ育ったこの広島市の街……。原爆投下で焼け野原になった街の中で産声を上げ産まれ……。大好きだったこの広島市で他界できたのだから、家の親父様達は『お袋は幸せ者だった……』と悲しそうに告げていたけれど。
でも祖母は……。俺の婆ちゃんは最後迄お店の事を気にして他界をしたから。
婆ちゃんの楽しそうな背を見て大人になった俺だから。祖母のお店の看板と味は俺が引き継ぎ後世に残すのだ~~~! と元気で鼻息荒く『フンフン』と言い切りたい衝動には駆られるけれど。
俺の経営している広島お好み焼き【さつき】はこの通りで……。
俺が焼いた広島お好み焼きは、祖父が焼いた物とは全く別も物だから。
俺は本当に困ったな……。
今後どうしよう?
何処かに俺の運命の人……。赤い糸で結ばれた人はいないかな? と想い悩み途方にくれる俺なのだが。
俺が幼少期から見続けた夢……。
悲しい顔をいつもしている女神様や魔王様、天使様の夢を只ぼんやりと夢見訳でもなく。
俺はつい最近はっきりと夢を見て記憶にあるのだ。
それはこんな感じで、なのだ。
◇◇◇