第5話 私だって働きに出たことぐらいあります!(5)
「うぅ、ううう……」
「痛い……」
「痛ぇ……」
「くそ、このアマが……」
「覚えていろよ、このクソアマが……。必ず復讐してやるからな……」
だから私に天下の往来へと投げ出された、ならず者達は呻り声を漏らしつつ不満や威嚇……。
まあ、情けない負け惜しみと言う奴を男達は、この地の守護者の一族だった私……。
そう今迄何度も私が触れましたが。本当ならば私は、この地を収め、守る者だった竜王の娘……皇女殿下になるのに、ならず者達は自分の立場や力も弁えず不満を漏らしてくるから。
「ふっ、はっ、はははっ。貴方達ー! 私の事をやれるものならばやってみなさい! 皆私が返り討ちにしてあげるから! わっ、ははは」
私は高笑いをしながら威風堂々……。自分の腰に両手を当て仁王立ちをしながら亜人のならず者達を嘲笑ってやった。
でも中には私が手加減をして相手をしてあげている事に気がつかず、自分達の魔力、気力を上げ立ち上がる、ならず者達も居るのだった。
「うぅ、ううう……」
「このクソがぁあああっ!」
「このアマがぁあああっ!」
「絶対に侵してやるー!」
「俺が凌辱してやるからなぁあああっ!」
女性である私に店内で一方的に殴られたり、天下の往来へと放り投げられたりしたのが頭にきたのでしょう。
ならず者達は呻り声を漏らしつつも立ち上がり。
その後はまた凝りもしないで、自分達の拳を振り上げながら、か弱い私へと勢い良く、荒々しく、怒声を吐きながら襲い掛ってくる。
でも私に亜人のならず者達の行動が手に取るように分かるから。彼の繰り出す握り拳の攻撃をあっさりと避けてしまうか?
まあ、私が面倒だなと思えば。私は彼等の攻撃を一切避ける事もしないで彼等が、
「アタ!」
「タタタ!」
「アッ、チョ~!」
「わりゃぁあああっ!」
「うりゃぁあああっ!」
と憤慨しながら怒声を吐きつつ繰り出してくる連続のパンチを私は女性の身であろうとも彼らの目の前で受けてあげるの。
それもならず者達へと私は「ほっ、ほほほ~」と相変わらず高笑いをしながら受けてやった。




