夜の通販
「ここら辺が、一般的な冒険者の人達が使う武器・防具のコーナーね」
カネーの案内で広い店舗の中を進んで行くと、
さまざまな種類の武器や防具が、所狭しと陳列されている棚へと着いた。
「サンキュ、カネーちゃん
じゃあカレン、この中から皆の武器と防具を選んで貰うんだけど、
カレン達の戦闘スタイルって、どんな感じなんだ?」
「自分は水魔法一本っす!」
「はい、私はミドルソードの片手剣で、左手で小盾を使いまして、
使える魔法は火魔法です。
鎧は動き易い様に革鎧を使って訓練してました。」
「なる程、カレンは機動力に特化した前衛タイプか、
そんじゃ、ファニーはどうなんだ?」
「はい、あの子は弓を使いまして、
風魔法で飛んで行く矢の強化や、自分の防御が出来ます。」
「そうか、防御魔法が使えるなら、
鎧はカレンと同じく革鎧で良いかな?」
「はい、大丈夫だと思います。」
「あとは、アンジェラさんの分だな」
「はい、アンジェラさんは武器がハルバートで、
腕に着けられる中盾を使っていました。
鎧は体の部分部分を覆う軽鎧です。」
「アンジェラさんは獣人だから、
戦闘の際は身体強化魔法を使うのかな?」
「はい、そうですね」
「じゃあ、軽鎧の素材は多少重い物でも大丈夫なのかな?」
「はい、アンジェラさんは驚く程の力持ちなので大丈夫だと思います。」
「そうか、分かった。
皆の戦闘スタイルは大体のところ把握したから、
其々、選んで行くとするか」
「了解っす!」
「はい」
ロックは、カレンやカネーが呼んでくれた武器・防具販売担当者の人の意見を聞きながら、
カレン達の装備を選んで行って、
最終的には、カレンが黒魔鋼製のシャムシールと小盾、
ファニーには風魔法が付与された小弓にして、其々に鋼殻トカゲの革鎧を購入した。
アンジェラには、同じく黒魔鋼製のハルバードと中盾で、
軽鎧は黒魔鋼の間に薄いアダマンタイトを挿んだ高級な物を選んだ
どれもが『ガッポリ商会』では上質に当たる品物なので、
金額もカレンが絶句する程の物ばかりなので、
「もう少し安い物で構わない」とカレンが遠慮をしたのであるが、
ロックとカネーに、最初から良い物を選べば長く使えるから、
結局、その方が節約になると説得されて購入の運びとなった。
カレン達の装備が選び終わったので、服などと一緒に支払いカウンターで預かって貰い、
ロック達は、旅に必要な物を揃える事とした。
「馬車は最後にするとして、何から選べば良いのかな?」
「バナナは、おやつに入るっすか?」
「ロック君達は、夜営の時は馬車で寝るの?」
「ああ、カレン達には馬車で寝て貰って、
俺とウィルは、土魔法で造ったドームかな」
「耐震性能万全っす!」
「じゃあ、テントは必要無さそうね」
「ああ、要らないな」
「調理は?」
「土魔法で釜戸を造って、
アイテムボックスの中に入れてある鍋や釜で調理して、
同じく、アイテムボックスから出した食器で食べる様だな」
「ロック先輩が造る『鍋焼きウドン』は最高っす!
「じゃあ、トイレは?」
「土魔法で深~い穴を掘って、
周りをアイテムボックスから出した衝立で囲うんだよ、
用を足した後は、横に山にしてある砂を放り込むのさ」
「夜に入ると、穴の底から呻き声が聞こえたり、
白い手が出るそうっす」
「何か、ロック君の土魔法とアイテムボックスがあれば、
何にでも対応出来そうよね」
「そう言われてみると、そうかもな・・・」
「万能選手っす!」
「あの~、季節が良いので日中は大丈夫なんですが、
夜になると結構冷えるのでは無いでしょうか・・・?」
それまで、ロック達の会話を黙って聞いていたカレンが発言する
「そうか!俺とウィルの分はあるけど、
カレン達の寝具が必要だな、
サンキュ、カレン、気が付いた事があったら、
今みたいに、どんどん言ってくれよな」
「はい、分かりました。」
ロックは、カレンやカネーに意見を聞きながら、
旅に必要そうな物を購入していたのであるが、
店舗の一角に設けられていた便利グッズのコーナーで嵌まってしまい、
一見、必要が無さそうに思える物でも、どんどんと選んで行った。
他の冒険者達が、旅の荷物を如何に減らすか頭を悩ましている姿を尻目に、
大容量のアイテムボックス持ちに物を言わせて商品の山を築いていったのである
「ふぅ・・・こんなもんあれば大丈夫かな」
「準備は万全っすね!」
「とても、ヒデブの街までの荷物には見えないわね、
まるで、世界一周の旅に出掛ける準備みたい」
「ホントに・・・」
ロックが積み上げた荷物の山を見て、
カネーとカレンが呆れた様に声を上げた。
「いや~便利グッズって、使う予定が無くてもツイツイ買っちゃうよね」
「同感っす!」
「ヒデブの街までは、街道を真っ直ぐなんだから、
この『行先を告げてから倒すと、目的地の向きに倒れる棒』は要らないでしょ?」
「いや、不慮の事態で街道を外れる危険があるから必要なんだ!」
「備えあれば患えなしっす!」
「サスケ様、この『シャックリ止めビックリ箱』は必要なのでしょうか?」
「カレン、シャックリを甘く見てはダメだぞ!
思わぬ重病に結びつく危険が隠れているんだ!」
「腹筋痛に、なるっす!」




