表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギガンテスのスター  作者: シュウ
82/252

我が左眼に宿りし・・・

「じゃあレック兄ィ、俺はカネーちゃんを送ってくるね」

「がっちりガードするっす!」

ロックは、護衛クエストの成功を祝う打ち上げが終わったので、

特別参加をしていたガッポリ商会の娘カネーを、

王都の街中にある自宅まで、送り届ける事とした。


「ああ、頼むぜ」


「ロック、送り狼になるんじゃねえぞ!」

「そうだそうだ!」

「ああゆう真面目まじめそうに見えるヤツが、一番危ないんだよな」


「俺は、3馬鹿トリオさん達とは違うから大丈夫ですよ」

「紳士っすね」


「「「誰が3馬鹿トリオだ!」」」


「私、ロック君になら襲われても良いな・・・」


「あら、言うわねカネーちゃん」

「まあ、ロック君は安全な番犬タイプだから安心よね」

「言えてるわ」


「分かりませんよ、俺も、

こう見えて、心の中に野獣がひそんでいるかも知れませんよ」

「ビーストっす!」


「ロック君の野獣がきばくのは、魔獣や盗賊に対してだけだけどね」

「そうだな、魔獣には容赦ようしゃ無いもんな」

「ああ、頭を一発で粉砕ふんさいだからな」

「あの狩り方も、ドラゴンとか狩るぐらいの腕前になったら、

考えなくちゃならんよな、

ドラゴンの頭部って結構、素材が集まってるからな」

「そうね、粉々にしちゃったら、結構な損害が出るわね」


「ドラゴンを狩れる様になるなんて、まだまだ先の話ですから良いですよ」

目指めざせドラゴン・スレーヤーっす!」


「ロック君、帰り支度じたくが出来たから、

そろそろ送ってもらっても良いかな」


「ああ、じゃあ行こうか」

「行って来るっす!」


ロックは、ウィルと一緒に、

カネーを自宅に送るため、冒険者ギルドの酒場を後にした。


「さすが王都だけあって、夜になってもあかりの魔導具で明るいんだね」

「遠くまで良く見えるっす!」


「うん、コウガ王国の魔導具屋さんが、

安い魔石でも、長く明るくともる魔導具を発売したから、

王都にも導入されたんだって」


「へ~、そりゃすごい技術力だね、

他の魔導具にも、色々と応用おうようが利きそうだもんね」

技術革新ぎじゅつかくしんっす!」


「うん、もうサリエ・ブランドの名前で、

色んな魔導具が売り出されてるんだよ」


「へ~、面白そうだから、

王都の魔道具屋をのぞいてみようかな」

「おともするっす!」


「ウチのお店にも結構置いてあるから買いに来てよ」


「そうなんだ、じゃあ明日にでも行ってみようかな」

「行くっす!」


「兄さんに値引きしてくれる様に頼んで・・・あら何かしら?」

会話の途中で、突然カネーが路地裏の暗がりに向かって走って行ってしまった。


「カネーちゃん、どうしたの?

王都とは言っても、暗がりは危ないから入らない方が良いよ」

「注意一秒っす!」

ロックとウィルは、カネーの後を追って路地裏へと入って行った。


路地裏の気配を辿たどって行くと、

袋小路になっている場所に、沢山の箱が積み上げてあり、

その前にたたずんでいるカネーが見えた。

「あんな所で、何してんだろ?」

「誰かに話掛けてるみたいっすね」


「でも、何の気配を感じないんだよな、

ウィルは、どうだ?」

「自分も感じないっす」


ロック達が近付くと、

確かに、カネーが箱の物陰ものかげに向かって話しかけていた。

「私は、あなた達に危害きがいくわえるつもりは無いから、

どうか顔を見せてくれないかしら」


ロックは、カネーが誰も居ない場所に向かって話し掛けているのを見てゾッとした。

「カネーちゃん、霊が見える人とかじゃ無いよね・・・」

地縛霊じばくれいっすか?」


「ホントに、奴隷商の人達じゃ無いんですか?」


「ええ、違うわよ」


「「えっ!?」」

ロック達は、誰も居ないかに見えた暗がりから返事が返って来たので、

ビックリして声を上げた。


「じゃあ、今、出て行きます。」

そう声が聞こえると、

突然、今まで感じなかった何者かの気配が現れて、

積み上げられた箱の物陰から人が出て来た。


「キツネタイプの獣人?」

「みたいっすね」

ロックもウィルも夜目が利くので、

薄暗い路地裏でも、ロックと同い年ぐらいのキツネ獣人の少女が、

少し年下ぐらいの同じキツネ獣人の女の子を背負って現われたのが見えた。


「全然、気配を感じなかったよ」

「ホントっすね」


「私達は、種族の特性として隠密おんみつスキルを所持しょじしているので、

通常の気配察知けはいさっちには感知かんちされないんですよ」


「へ~そうなのか、

でも、カネーちゃんは何で分かったの?」

「そうっすね」


「私、生れ付き、魔力の流れが目に見えるの」


「えっ!?カネーちゃんて『魔眼まがん持ち』だったんだ!?」

「『我が左眼に宿やどりし』っすね!」


「『魔眼』って程、立派なもんじゃ無いけどね」


「いやいや、俺達が全然分からなかった

彼女達に気付いたんだから大したもんだよ」

「凄いっす!」

「はい、私達も隠密スキルが見破みやぶられたのは初めてなので、

とてもおどろきました。」


「え~、そうかな~」

カネーも、皆にめられると満更まんざらでも無い様子であった。


「ところで、君達は何で、あんな所にかくれてたの?」

「追われる身なんっすか?」


「はい、実は・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ