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ヒスティマ Ⅳ  作者: 長谷川 レン
第三章 聞き込み捜査
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 Intermission 行橋雁也(ミュア)

視点は雁也のままです。


 死ぬのは何度目(、、、)だろうか?


 一回目は確か魔眼が周囲にバレた時だ。処刑という形で殺された。その時は村の大人を乗っ取った。

 二回目は復讐だ。処刑をした村に復讐をし全滅させた。だがその時に同時に私も殺された。唯一村に残っていた女の子を乗っ取った。

 三回目は、人を殺して回っていた私を、組織から派遣された兵士に殺された。その兵士を乗っ取った。

 四回目、五回目……。


 十回目に到達しそうになった時だったか。カナにあったのは。


 その時私は一国の王に乗り移っていたな。悪魔の徘徊する世界で、一国の王となり、それは酷い政治をしていた。


 だが……。


「今回で、十一回目ですね」


 目をあける。そこはミュアとリンの私室。


「ミュア!? 目が覚めたの!? 大丈夫!?」


 隣にリンの姿が見える。慌てている姿が見えるが……あぁ、私が急に倒れたからか。


「あ、あれ? 私、どうしたの……?」

「厨房でいきなり倒れたんだよ!? 心配したんだからぁ!」


 ギュッと抱きしめられる私。体が密着し合って少し苦しい。

 まだ起きたばかりで、そして呼吸をすることも一瞬忘れていたのだ。

 やはり、死ぬのは少し辛い。十一回目だとしても、なれるものではない。

 そして、本体の体の死を確認したのはミュアの体に入っている自分に本体に残っていた半分の魂が引き寄せられたからだ。

 私が本当に死ぬ時は、魂が別れておらず、且つ本体の体が死んだ時。


「よかったぁ。医師もよくわからないって言ってたし! ホントに心配したんだよぉ!」

「だ、大丈夫だから。リン、放して。苦しいよ」

「あ、あぁ。ごめんね?」


 リンはそう言うとゆっくりと離れてくれた。

 何はともあれ、こちらが倒れても気づかれていないってことはミュアの体の中に入っている時はバレていないということか。

 まだ情報収集が続けられる。だけど、さすがにこれ以上いるのはマズイな。王が私の魔眼を見破るほどの魔法を持っている限り、これ以上の侵入はマズイ。

 ただ……本体が無くなったのが少し心狭いな。仕方ないか。どうやって一人になるかだが……。


「あ、ミュアが起きたの、医師に言ってくるね!」


 そう言ってリンがさっそうと部屋から外に出て行った。

 丁度いいな。


「我が魂よ。肉体より離れた魂よ。この身に我が魂を結びつけよ〈ユニゾンソウル〉」


 左目を大きく開ける。その瞬間に、ミュアの体全体を黄色い光が包む。

 そして、光が徐々におさまって行く。


「ふぅ」


 その一連が終わると、すぐに自分の中にある魔力を確認する。

 手を握ると、光が放出される。その光によってどれだけの力が今の自分にあるかよくわかる。

 今まで自分が持っていた最大の魔力と……。




 ――ミュアの元々持っていた魔力が加算されていた。




 魂を操る左目。それを使ってミュアの体に自分の魂を定着させる。それは、ミュア自身の魂も自分の魂と融合させる事と同じ事。

 つまり、ミュアはこの時点で死んでしまった。


(また、人を……殺してしまった)


 ロピアルズに帰ったら、自分に罰を与えなければ。

 私はベッドから起き上がる。少し喉が乾いたのでコップと水道水を使って水を喉に通す。

 魂が完全に体に定着したし、これからはこの体が本体だ。今まで男の感覚でいたが、さすがにこれからは死ぬまで女の感覚でいなければ。


(でも、慣れたものですね。女の感覚でも、男の感覚でも同じようなものですし)


 キィとまた扉が開く。そこにはリンと医師。そしてオズとレグルの姿があった。まさかもうレグルは意識を回復していたのか。


「先生連れて来たよミュア!」

「ミュア! 大丈夫か!? 倒れたって聞いて、今は休める時間だから来てやったぞ!?」

「お、おいレグル。いつものお前じゃないぞ!? キャラ崩壊してるって! 恋人が心配なのは分かるけどよぉ」


 あわただしく入ってくる三人と汗をかいて追ってきた先生。まったく、どれだけ急いでここに来たのか。


「私は……大丈夫だから。そんなにあわてなくてもいいよレグル」

「そ、そうだけど……。ほら、倒れたばっかりなんだろ? ベッドに座ってなって」


 レグルは自然に私を持ちあげると、ベッドへと横に寝かせた。


「だから大丈夫だって」

「ミュアは強がりだからな。あまり無理しないように俺が押さえないとな」

「もう……」


 自然と顔が赤くなる。仕方ないだろう。ミュアの魂と融合したのだ。

 ミュアの好きという感情が私にも自然とついてくる。

 そうして、先生が私を診断すると、問題ないが今日は休みなさいと言って部屋から出て行った。


「レグル。もう時間だぜ?」

「マジか……。それじゃあミュア。仕事が終わったらまた来るからな」

「頑張ってね? レグル」

「おう!」


 レグルがニカッと笑って部屋の外へと向かって行った。昨日と同じく門の外に立つのだろう。

 笑った顔を見せられて、やっぱり胸の鼓動が早まる。魂融合はやりすぎたか。 とりあえず、慌てておこうか。いつもリンにやっているみたいに。


「り、りりリン!! わ、私顔ににけてないかな!? 大丈夫だったかな!?」

「まぁ、大丈夫だったんじゃな~い」


 呆れながらリンが答えてくれる。


「あぁ~あ。私も早く彼氏欲しいな~。ってかよくこんな城で彼氏ができるよな~ミュアは」

「あははは……。でも、大変だよ? 仕事だって忙しいからあんまり会えないし……」

「あ~はいはい。彼氏のいる人の特権よね? そうやって考えれるのはさ~。それじゃあ、私も仕事に戻るからミュアはしっかりと休みなさいよね。メイド長には言っとくから」

「うん。頑張ってね」


 出て行くリンに手を振って、見送った。さて……一人になったと言う事で夜に逃げだせるようにいろいろと作戦を練っておく事にする。

 私の得意な武器はサバイバルナイフ。他の武器を使うときには魔法で形どらなければいけない。


「……ミュアの腕力では、あまり打ち合えないな……じゃなくて、打ち合えない……」


 とすると、ボウガンや弓、銃器を扱わなければあまり戦うことはできなさそうだ。

 ……暗器を作ろうかな。じゃなければあの黒騎士には勝てそうにない。サバイバルナイフが鎧を貫けるとは思えないし。


「魔力を押さえてっと……」


 魔力を外に漏れないように遮断壁を発動し、それから自分の魔力を外に放出する。

 ミュアの記憶ではこの時間帯から夜までは誰もこの部屋には入ってこない。入ってきそうなレグルもリンもオズも全員仕事で深夜まで帰ってこないのだ。

 存分に暗器を作るとして……。


「まずは簡単な短銃でも作りますか。〈ボックス〉」


 空間に穴が開く。カナやユウが使えるような魔法だ。いくらでも物が入るし、忘れなければいつまでも空間に入れておく事ができる。

 その空間からいろんな武器に関わる部品を取り出す。


「では、玩具作りと参りましょうか」


 今日の夜に、この城を出てそのまま町を出ましょうか。

 ただし、その時にはここにきている他の仲間も一緒に行動してもらわなければ。



 そして、夜までに作れた武器の数は十三個。


「まぁまぁと言った所でしょうか」


 短銃四丁、アサルトライフル二丁、ボウガン一丁、スナイパーライフル一丁、ショットガン一丁、ライトマシンガン一丁。ロケットランチャー一丁。他の二つは秘密だ。


「ふぅ。疲れたなぁ……」


 銃にそれぞれ魔力も込めたので少し休まなければいけないかもしれない。

 武器の十ほどを全て空間に入れて、空間に入っていたナイフ、オートマチックの短銃とサブレッサーをつけた短銃ニ丁を服の中に隠す。

 そういえば、いつの間にかメイド服からパジャマ姿になっている。


「おやすみ」


 全ての魔法および魔具を解除して、誰ともなく、私はベッドに横になって目を瞑った


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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