第8話 火の魔法を使ってみた
俺と千火は休みを使って遠出をしキャンプへと来ていた。
「なかなかに悪くない景色だ。」
「うむ。キャンプというものも良いものだ。」
「だろ。知るのと見るとでは違うからな。」
俺はキャンプの準備をしつつ、千火は薪集めにいってもらった。
「これぐらいでよいか?」
「ああ。あとは火種となる魔法をつかうんだが、まだ明るいし、しばらく魔力の修行をするよ。」
「いい心がけじゃ。」
俺はテントの中に入り、目を閉じて瞑想を始めた。
魔力の動きをしっかりと捉えることで魔力操作をスムーズに行うことができる。
千火との契約で膨大な魔力が俺に供給されているのが分かる。
身体が熱くなっていくのが分かった。
千火の話では魔力の質が火の性質に近いから魔力に熱を感じるようになるのだと聞いた。
俺の修行はほんとに地味だ。
魔力を感じる。(魔力感知)
魔力を動かす。(魔力操作)
魔力を一部に集める。(魔力集中)
ただ、それをひたすら練習している。
なんのためにかって?それは精度を高めるためだ。
「...うたよ。琉太よ。」
「ん?どうしたチビ。」
「もう夕方じゃぞ。」
「え?もう?」
気づくと外は暗くなっていた。スマホを見てみるとあれから6時間は経っていた。
「集中するのは結構じゃが、我のことを忘れていないか?腹が減ったぞ。」
「分かったって。すぐに準備するよ。まずは火をつけないと。」
千火は本来であれば食事は必要ないのだが、ここ最近はただの娯楽で食事を楽しみたいと駄々をこねられた。
そして俺は食事の準備をするために薪を並べてから火の魔法をつかうことにした。しかし、勢いが強すぎて薪が一瞬で燃え尽きてしまった。
「うわ!びっくりした!」
「当たり前じゃ。我の力の一端を扱えるのじゃ。力を抑えぬか。」
「そ、そうだな。」
普段魔力をつかっているが、魔法をつかうのは何気に初めてだ。
「また薪を集めないと。」
「そういうと思って準備しておいたぞ。一発で成功できるとは思っていなかったゆえ。」
「それはそれでムカつくな。」
俺は千火の持ってきていた薪に集中して小さな火を薪に放った。
「おお!これが魔法か。」
「なんだ成功したではないか!まだ薪はあったのじゃがな。」
「やっぱバカにしてるだろ、チビ。」
とにかく火の魔法を使えることが分かった。
俺はこの2日間で魔法のコーチを千火に教わりながらキャンプを楽しむのだった。




