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自分本位に生きる
「何かあった?」
もえが、夢結に尋ねる。
「ちょっとね。」
「愚痴こぼさないの?」
いつも、もえに言われていた通り、都合のいい人間として、罪をなすりつけられたとは、もえには言えない。
「陥れられた?」
「どうして、そう思うの?」
「夢結が落ち込むのは、自分が虚しくなった時だからね。」
「まぁ、そんなところかな。」
「みんな、自分が大事なだけ、周りと気まずくなったとしたら、もういい人しないで、自分本位に変わるチャンスじゃん。」
「もえは、強いね。」
「美桜も、私のことそういうけど、弱いから、自分が傷付かないよう生きてるだけ。」
「自分本位に生きることが、傷付かない方法ってこと?周りにどう思われようと関係ないっていう強さしか感じないけど。」
夢結は、気持ちを共有してもらうことで、人は救われるものと考えていたから、誰かが悩んでいたら耳を傾けてきた。
しかし、職場に今の状況を心配して声をかけてくるものはいない。
周りに距離を置かれて、みじめになっているが、それをみじめに考えることは、周りに
どう思われているかを考えるからだ。
前のように、みんなと良好な関係が築けたらと思っていたが、もえの言葉に、その努力を今しなくても良いと夢結は思えた。




