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嫌われて自分を生きる  作者: こたつむ


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もえの使命

もえは、両親が亡くなって以来、夢結は、親代わり、祖父母の世話、人のためにだけ生き、自分の無い人間と思っている。

小さな時からお姉ちゃんとして、親の期待に応え、いつも人のために行動している。

もえの使命は、夢結をまわりの思いから解き放ち、自分の道を歩ませること。

祖父の家の名義がもえになれば、家から解放されると考えたのに、祖父の家の名義は夢結になった。

夢結は、妹たちを守るため、祖母が生きていた頃は、祖母に負担をかけないよう、祖母の家事を手伝い、それは手伝いから夢結がするものと代わり、祖母の介護、その負担はどんどん増えていった。

もえは、祖父母のために何かしようとはしなかった。

夢結をいいように使っている祖父母のために動きたくはないからだ。

祖父母は、両親を失った三姉妹を引き取ったと思っているらしいが、住む場所を与えただけで、家事の負担は減っている。

生活費は三姉妹が増えたことで、増えただろうが、学費や小遣いは、両親の保険金で賄っていた。

生活費が増えた分は、夢結が家事で補なっていた。

もえは、夢結にこれ以上負担がかからないよう、美桜の面倒をみた。

祖父母が亡くなってからは、働き始めた夢結に代わって平日は夕飯の準備など、家事は行った。


もえと夢結は2歳しか変わらないが、美桜はもえの6歳下である。

もえは、生まれた時から美桜の成長を見続け、も美桜のことが可愛くて仕方ないのだが、まだ美桜が小さかった頃は、どうあやしていいかわからず、美桜の世話をする夢結をずっと見ていた。

今は、美桜が家に戻ると同時に嘆く愚痴が楽しみで、いつもリビングで過ごしている。

愛されることしか知らない美桜が苦労しないよう、世間の冷たさを教えることがもえの使命だと思い、美桜の愚痴を聞きながら、人の無情を語る。

夢結に任せておいては、損をする人間になってしまうからだ。

今のところ、美桜は愛を求めて変な男に引っ掛かることはない。

これは、もえの教育の賜物だ。

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