77. アルマ宮編(23) 今後
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
アニスは、ペルラの向かいに腰を下ろした。
「早速ですが……ペルラ様は、今後のことをどのようにお考えですか?」
「今後……ですか?」
ペルラは少し考えた。
「通行許可をいただいて、婚約者のミリス・ヘーゼルのおります第三港湾に帰りたいのですが……」
「なるほど。通行許可について、何かお聞きですか?」
「ジュニパー様からは、聞く人がわからないと伺いました」
アニスは、ペルラの言葉を繰り返した。
「……聞く人がわからない?」
「はい。何だか……色々と大変みたいで……。ジュニパー様もお忙しいのに、私がお願いしちゃったので、申し訳ないです」
ペルラは下を向いた。
「まあ……そうですねえ……」
ペルラは顔を上げると、少し緊張した面持ちで口を開いた。
「あの……ミリス・ヘーゼルは……」
「ああ、先日お会いしましたよ」
ペルラの表情が明るくなった。
「そうですか。元気でしたか?」
「はい。ペルラ様に早く会いたがっておられましたよ」
「そうですか! 私もです……」
嬉しそうに笑ったあと、ペルラは少し目を伏せた。
「でも、手紙を出しても返事がなくて……」
「返事がない?」
「はい……」
「私の方でも、色々確認してみますね」
アニスは優しく微笑んだ。
「はい! ありがとうございます」
ペルラはほっとしたように笑った。
アニスは部屋を出ると、静かに扉を閉めた。
――ペルラ様は実にアルマ宮向きの方だ。
廊下を数歩進んだところで壁の方を向き、両前腕を壁につけると、うつむいて声を殺して笑った。
このままミリスのところへ帰すのが勿体ないくらいだ。
――さて、どうしたものか。
アニスは笑みを消し、すっと顔つきを改めると、廊下を戻っていった。




