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62/106

62. アルマ宮編⑧ 解散

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

フェンネルがヴィレンスのもとへ向かったあと、残った者たちは食後のお茶を飲んでいた。


会計官が沈黙を破った。


「この後は、どうするんでしょうね? ミリス様は総司令官のジュニパー殿下への報告があるとして、我々は」


「もう使節団としてやることは終わりですよねえ」


農務技官が言った。


「そうっすね。あとは宿に戻るくらいじゃないですか?」


リナールも同意した。


「なかなか長い旅でしたね」


会計官の言葉に、皆しみじみしていた時だった。


突然、扉が勢いよく開いた。


「ペルラ!」


明るい声とともに、ジュニパーが部屋へ入ってきた。


淡いベージュ色の髪は光を受けて輝き、整った顔には満面の笑みが浮かんでいた。


「久しぶりだね! 会いたかったよ!」


ジュニパーはペルラに歩み寄ると手を取った。


「ジュニパー様……」


慌てて立ち上がるペルラを、ジュニパーは止めた。


「ペルラ、どうか座ってて」


ペルラは落ち着かない様子で腰を下ろした。


「ゆっくり座ってて。アルマ宮まで来るのも大変だったよね? バサルクから遠かったでしょう?」


「はい、遠かったです」


ペルラは少し笑った。


「そうだよね。僕、そんな遠い所にペルラが行かされてたなんて知らなかったよ」


ジュニパーはペルラの目を見つめた。


「しかも、帰り道で賊の襲撃があったんだって? 僕、聞いてびっくりしたよ。無事でよかった」


ジュニパーはペルラの手を大事そうに握って、安心したように微笑んだ。


「ありがとうございます」


ペルラも微笑んだ。


ジュニパーの後ろから、アニスと侍女が入ってきた。


「僕はこの後ミリスと話があるから、ペルラはちょっと待っててくれる?」


「はい」


ペルラは頷いた。


「ありがとう。じゃあ、途中まで一緒に行こう」


ジュニパーに手を繋がれたまま、ペルラは部屋の出口に向かった。


「皆様、どうもありがとうございました。お元気で。

ミリス様、後ほど……」


ペルラは振り返り言った。


侍女は一礼すると、ジュニパーとペルラの後について、出て行った。


扉が閉まった。


状況がよく飲み込めず静まり返っている面々の前に立ち、アニスが口を開いた。


「それでは、今回の使節団の任務はこれで終了です。皆さん、ご苦労様でした」


「あ、終わりなんですね」


農務技官が言った。


「終わったんですねえ」


会計官も頷いた。


「じゃあ俺、街をブラブラしてから先に宿へ行ってますね〜」


リナールが立ち上がった。


「あ、ああ……」


ジュニパーに唖然としていたミリスは、リナールの声でようやく我に返った。


――アルマに、ブラブラするような場所があるのか?


ミリスは目を閉じた。


――いや、今はそんなことより……。


三人は挨拶をすると部屋を出ていった。


残ったのは、ミリスとアニスだけになった。


アニスは扉の方を見てから、ミリスへ向き直った。


「では、総司令官執務室へ参りましょう」


「……はい」


ミリスは立ち上がった。


アニスに案内され、ジュニパーの待つ部屋へ向かった。

タイトル変更を検討中です。

変更した場合もしばらく旧タイトルを併記します。

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