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10. アルマンディン編② カシュー

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

アルマンディン東部、ソルト伯爵邸。


ムーンストーン王都にいたカシューが、久しぶりに戻ってきていた。


その日の夜、仕事を終えたソルト伯爵が屋敷へ帰ると、カシューは居間でくつろいでいた。


「今日はあなたが着くから早く帰ろうと思っていたのだが、遅くなってすまない」


「大丈夫ですよ。ジュニパー様の総司令官就任があるから、父上もずいぶんお忙しいでしょう」


「まあまあだな」


ソルト伯爵は向かいの椅子に腰を下ろした。


「どうだ? 久しぶりのアルマンディンは」


「そうですね、不思議な感じです」


「そうか」


少し間を置いて、ソルト伯爵が尋ねた。


「ところで夜遊びはもういいのか?」


「もういいでしょう」


「そうだな」


カシューは笑った。


「一生分遊びました」


「家の金が全部なくなるかと思ったよ」


ソルト伯爵も笑った。


「これからは堅実に生きていきますから、ご安心ください」


「堅実でも堅実でなくてもいいが、安全に、そしてあなたのやりたいことができることを願っている」


カシューは頭を下げた。


「どうもありがとうございます」


「いや、私にできることがあれば、何でもしよう。

これから何をするか、もう決めたのか?」


「いいえ、まだ。考え中です」


「そうか」


ソルト伯爵は頷いた。


「まあ、今日は移動で疲れただろう。早く休みなさい」


「はい、おやすみなさい」


ソルト伯爵は立ち上がると居間から出て行った。

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