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(全5話) 3.夢のなかで



タキガワくんの四十九日が近付いた。


ある朝方 

ベッドで眠っている私の上に

誰かが乗っているようで

重くてだんだん眠りから覚めてきた。


・・・重い・・、


心の中で 

息が苦しいよ。と言うと 


少し軽くなって息が出来るようになった。


半分夢の中にいるようで

目は閉じていたけど 


タキガワくんが

ベッドの横に立っているのが見えた。


おいで 


というふうに両手を広げて

私に向かって差し伸べていて 

彼の胸に導かれた。


一緒に上のほうへ

ゆっくりと昇って行った。

下の方には私のベッドが小さく見える。


だいぶ高いところまで

来てしまっていたから

怖くなって、落ちないように

彼の首に両腕を回して、しがみついた。


そしたら、彼が、見たこともない

悲しそうな顔をして

私を見つめた。


そして、またゆっくり降りてきた。


落ちないように私をしっかり抱きとめて。


ベッドに私を降ろすと

ひとりでまた空の上のほうへ昇っていって


やがて見えなくなってしまった。


ベッドに横になりながら

その後姿をみていた。


半分の意識の中で、


これは夢なの? 


と考えていて目が覚めた。


本当に夢なの?


こんなことが、何日か続いていた。


夢かもしれないけど

彼がいつも

すぐそばにいるような気がしていた。


四十九日が過ぎた頃

また夢をみた。


みんなでタキガワくんの送別会をするために集まっていた。


二軒目にカラオケにいこう

ということになり 

お店を予約しに、先に行くメンバーと

あとから合流するメンバーに別れて歩いた。


私はお店が決まったので

あとから来るはずのメンバーを

迎えに行った。


ところがタキガワくんは

ひとりで駅に向かったという。


私は、携帯電話を手に

駅に向かって追いかけた。


きっとすぐに携帯が鳴ると思って

画面を見ていたけど 

いつまでたってもかかってこなかった。


帰っちゃったんだ・・・・。

めずらしいな・・・。


タキガワくんがいないとつまらないな・・。


と思ってたら、目が覚めた。


夢か・・・。


本当に、逝ってしまったんだ。と思った。


急に淋しくて悲しくなった。


(つづく)

【5話の完結まで、あと2話】

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