35.1話
気分転換で書いてみました。
諸事情により、更新が滞っております。
申し訳ありません。
すこしばかり、更新を待っていただけると嬉しいです。
最近、わたしは、とある重大な任務を任されており、
日々、全力をもって、事に当たっている次第なのです。
この任務、中々にハードで、お腹周りが以前より、
太ましくなっている気がしますが、
この際、そんな些細な事はどうでも良いのです。
針が指し示す数値など、
魔法で、ちょちょいと操作してしまえば、
その程度の問題、あっという間に解決できてしまうのです。
そう、全てはまやかしでしか無いのです。
きっと、世界がわたしを誑かそうとしているのでしょう。
まったく油断も隙きもあったものではありません。
猫に鰹節とはよく言ったものです。
といっても、わたし、鰹節程度では、
食指は動きません。
イメージのみ、先行して語ってもらっては困ります。
そうそう、昨日の晩のメニューは、
クリームシチューなるものでした。
口の中に広がる、クリームと野菜、
ワイルドコックの出汁の、濃厚な旨味。
とろみのあるスープを飲み込んだ後の、
口の中から鼻腔に抜ける、やさしい味の余韻は、
とても、心地が良いものでした。
文句なしの、百点満点です。
どなたの口に入っても、問題無いでしょう。
そうやって、厳密な検査を通過したクリームシチューは、
無事、食卓に並ぶことが許されたのです。
ミッションコンプリートであります。
しかし、不思議なものですね、
小麦粉とバター、牛乳を混ぜるだけで、
あんな美味しいものが完成するなんて、
信じられませんでした。
それを作る、主様は天才なのでしょうか。
ふう。
しかし、こんな、とても責任が問われる任務、
わたしでなければ、務まらないでしょう。
食事とは明日への活力、生命の源となります。
皆さまの命運を左右してしまうほどの、
重大な任務であるのです。
大げさに表現している訳では無いのです。
わたしの、任された任務は、
それほどに、尊く、貴いもとなのです。
ったく、わたしを差し置いて、こんな、
美味しいもの食べるなんて信じられません。
主様に誠心誠意、思いの丈をぶつけた事は、
間違いでは無かったというものです。
さてさて、もう一つ、
わたしが、いつも行なっている、
大切な作業をするとしましょう。
主人様の健康のため
周囲より、質の良い魔力を集めるのです。
主様はただでさえ、ぼうっとしているだけでも、
魔力が集まっているというのに、
良くないものまで吸収されては困ってしまいます。
わたしが居ないと、本当、
どうしようもないんですから。
しっかりしてほしいものです。
しかし、この頃、主様が集める魔力を求めて、
いろんな生き物が近づいて来ます。
最近で言うと、変な女の子が寄って来ました。
主様の、魔力に惹かれているのか、
油断すると、すぐ、べたべたしようとするのです。
泥棒ねこめ、許すまじ。
しかし、彼女はとても不思議な人なんです。
主様並みに魔力に親和性が高く、
主様が集める、質の高い魔力に、
とても馴染んでいるように見えます。
しかも、主様の魔力は、主様に馴染み切ると、
特異な状態に変わると言うのに、
それすらも、純度の高い状態で、
取り込んでいるように見えます。
本当に不思議でなりません。
まるで、主様に近いではないですか。
そんな事、ありえないと思うのですが。
彼女の事は、注意深く観察する必要がありそうです。
さてさて、主様の魔力に惹かれたものが、
また、現れそうですね。
反応は、まだ遠いですが、今までとは、違うような気配です。
主様にお知らせするとしましょう。




