第9話 寺院について
最近になって、よく見るようになった夢がある。
自分の寝室の中。まず外に繋がる窓から声が聞こえ、窓を抑えて侵入を塞ぐ。その次に廊下に繋がるドアが叩かれ、侵入者を恐れてドアを塞ぐ。どちらも、私は腕で抑える。
抑えが利かなくなれば、何かの侵入を許す。相手は、とても危ない存在である。
抑えなえれば、と思う内、頭の中に映像が流れる。誰かが誰かを、軽口として貶している場面である。
そんなことをしているから、侵入を許すのだ。そう思った時に腕が緩み、次には携帯電話へとLINEの連続着信音が止まらなくなる。
もう無理だ、と思って目が醒める。そんな夢である。
こういう夢を見るようになった、ということは「どこか他の世界」に現を抜かさなくても良くなった、という事かもしれないし、逆に言えば色々やることが増えて、相応に圧力を感じているのかもしれない。
まあ、そんな所である。
閑話休題。改めて今回は「寺院について」である。
位置でいうと、「中軸となっている道」から前回話した「南北の道」に入って南下し、大通りに当たり、左折(方角では東)に少し進んだ所にある。
存在の仕方はまちまちで、少し坂を下る必要があったり(これも混同の気があるので、思い出したら記す)、大通りにそのまま面していることもある。最も直近だと、後者の建ち方をしていた。
ただ内実は、あるていど一定している。
境内に入ると、まずは上り坂がある。滑り止め用の横への切れ込みが刻まれて、左側に墓地らしきものと本殿、右側には葬儀などを催すような会館がある。
坂の上までは行ったことが無いと記憶している。何も無いというよりも、色々ありすぎるから行かない、という感覚である。林があり、山道らしくなり、視界が閉ざされ聖域の様になるのだ。
会館については一度入ったことがあるくらいで印象も薄いが、いちど寺院の会館で催された葬儀に行ったことがある人ならば、それを思い出してもらえれば、凡そ間違いは無い。
床はフローリング敷きで、奥には壇状の設えと装飾がある。天井は格子状に区切られている。
そして坂の左側が、たぶん本題となる。まず山門があって、石の階段で登る。石の十三重塔であるとか、寺院らしい殿が数棟建ち並び、それぞれが外観からするに、江戸期以降に建てられたものである。寺院の建築様式に関しては、まま知っているから間違いない。たぶん。
その建屋の中に入ったことは無い。外から眺めるだけである。歴史建築や寺院、神社、或いは仏像が好きな私にとっては、これだけで満足する。
そしていつも、あるていど観光してから寺院を出る。
山門から出れば、すぐに大通り。振り向くと、丘ひとつを境内にした敷地の広い寺院。
私の夢の中では時たま出てくる、バイプレイヤーのような存在だが
──通りすがったら
と思うような存在でもある。




