第10話 団地について
団地という言葉は最近、見なくなった。
今は「○○パーク」とかの言い方が強いのだろうか。私は専ら「──妻」という言葉で見る。
ごめんなさい。
話を戻して、今回は夢の中に出てくる団地について話そうと思う。本当にごめんなさい。
この団地は「南北に通る道」を南に進んだとき、途中で当たる大通りの先にある。方角は東。つまり前回に話した寺院の、更に先である。
大通りを暫く進むと、左側に緑色の網フェンスで囲まれた区域が見えるようになる。
内側には学校施設と、団地。
手前に学校、奥に団地である。
学校に関しては、中に入ったことが無い。
だが周りに道があり、白く塗られた校舎があり、校庭が中々の広さだったのは覚えている。これ以外に語れることは無い。
対して団地は、道に起伏などが無い中で、極端な平地の上に碁盤の目状に、6~8棟ばかりが並んでいる。
こちらも壁面は真っ白だが、年季が入っていることはわかる。それぞれの構造はほぼ一緒で、小さな階段と、端に設えられたエレベーターというのは変わらない。
現実の団地と比べると建屋ごとの大きさは、かなり大きいかもしれない。寸法はあまり覚えていないが、一棟ごとに現実の団地住宅の、倍くらいの大きさがあったと憶えている。
団地の周りには木々が植わり、木の葉に緑を呈している。
そしてその脇、団地の裏手から出ると、「中軸の道」への裏道が現れる。ただこの道については、あまり憶えていない。
もう一つ、思い出した。
この団地、というよりも先に記した学校から、大通りを介さずに「中軸の道」に戻ろうとすると、バッティングセンターが現れる。バッティングセンターというより、総合遊戯施設と言ったほうが良いかもしれない。
この施設ではコインを使って遊ぶことができる。
ピンボールの筐体、バッティングマシーンなど。たしか二階建て。とても繁盛していた。
簡素な表現になったが、この団地は思い出深い。夢の中で出てくる回数が、最も多い地点だからだ。
学生時代の旧友と遊ぶときは、大抵ここに来た。自転車を乗り回し、数人で追いかけっこをする。数少ない友人に、再会できる場所なのだ。
そしてもう一つ。ここは悪夢の舞台になることも多い。
誰かに追われている。その時は、この団地で身を隠しながら、只管に逃げる。
ある時は「バイオハザード4(原作)」に出てきた、”巨大チェーンソー男”に追い回されたこともあった。マーセナリーズの港ステージに出てくる、二枚刃チェーンソーを振り回しながら襲ってくるアイツである。
とまあ、こんな感じか。
追加で言えば、この辺りはいつも曇っている。白い雲が、空一面を覆っている。
だが心象として一番晴れやかな気持ちになるのは、間違いなくここであった。




