第6話 近くの川について
ここからは各地のロケーションだとか、或いは起点から離れたような場所になるので、記憶が飛びやすい部分である。
そこで最も記憶の飛びづらい部分についてまず記述して、記憶の縁にしていこうと思う。
選んだのは「川」である。
「中軸になる道について」で記したが、東西に渡る道には途中から川が沿うように合流してくる。
今回話すのは、その川についてである。
まず話しておく事として、この川はある一定の地点まで川幅は広くないということがある。少なくとも街中を流れているうちは、そこまで劇的に広くなることはない。
まずもって東西の道に合流する所から下流域に向けて、流路を追っていきたい。
「遊歩道がある」という話も出ていたと思うが、この遊歩道は一般的なコンクリートやモルタルに固められた路面ではない。木を模した柵で川への転落防止が図られ、遊歩道自体は固められた土が露出している。
そこに添わせるように、中軸の道に準ずるインターロッキングの歩道があるのだ。
この遊歩道、そして川の特徴をもう一つ言うのなら、市街地の脇にある部分に関して言えば、非常に沢山の草木が生えていることである。
群生と言っても良いほどで、住宅街の近く、昼間であろうとも陽光が遮られる環境にある。
水は透き通り、流れも穏やかで、深さは膝下程度。しばらく下流(方角は西)へ行くと、北側には住宅が建ち並ぶようになるが、鬱蒼とした様相はあまり変わらない。
風景が一変するのは、それより少し下流に行った時である。だいたい左右がコンクリート護岸で固められ始めると次第と人が多くなり、遊歩道が狭くなると同時に川も蛇行していく。
狭くなった遊歩道は土が露出しなくなり、柵も一般的な網フェンスに変わり、やや無機質な情景を挟む。
しかし、ここから更に下流に行ったとき、もう一度変化を挟む。
唐突に川幅が広くなったと思えば流れも急になり、穏やかだったはずの川底は礫岩が多くなり、数十mの川幅に、流れの中央には何mかの大きな岩が、幾つか波を砕くような光景が現れる。
そしてその岸では、家族連れが水着で遊ぼうとしているのが見えるのだ。
ここまで来ると遊歩道は途切れる。動線としては少し手前に電車軌道用の橋梁があり、それに沿って通る道を進んでいくと、駅(「中軸となる道について②」の駅とは違う)に進んでいくことになる。
この駅の周辺は繁華街のようになっているが、それも今は話すことでは無いので割愛したい。
次回は川の上流部について話したい。どちらかといえば上流の方がスケールとしては大きくなると思うので、お付き合いいただければ幸いである。




