第97話 結末
次回から投稿時間を12時20分から夜の7時に変更します。そっちの方が見やすいかな?という思いで。
ララに勝利したレノア。
最後の最後に、ララの抵抗を姿勢を低くする事で、かわし一撃を叩き込んだ。
(攻撃を…かわしただと……ッ!致命傷…)
脇腹から左肩にかけて深く斬られた。
そして腕は今も千切れる寸前。
互いに息を切らし、レノアは大量に吐血。
限界を超え命を削ったその戦いは二人に大ダメージを残したのだ。
「…最後に…ボクは賭けたのになぁ…」
レノアが最初に行った、雷を腕全体に纏い放出。
腕のダメージは避けられないが、奇襲性能は高い。
千切れそうな腕、限界ギリギリの魔力、相手も最後の一撃。
この絶好のタイミングでかわされたのだ、文句はない。
「やっぱり……お前の[燃焼]は本物で…ボクの[燃焼]は紛い物で…間違っていたらしい……」
殺す技術だと宣言したララだったが、負けた事実を淡々と受け止めレノアを見据える。
動いたところで意味はない。
剣は地面に落とした時、レノアがどこか遠くへ吹き飛ばしていた。
「いや…あなたの考えも正しいと思う」
ケイ君はそれで人を殺したし、きっとその時は彼もそんな風に考えたいだろう。
「あなたはケイ君と並びたかったんだね」
「……まぁな」
呼吸が荒い二人。これ以上話す事はないとララは目を瞑る時───
「だけど…」
「あ?」
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[リサとハウ、場所は一階]
「見つけた!!レノアちゃん!!」
傷を完治させ、目を覚ましたリサは軽傷だったハウと共にレノアを探すとボロボロになった建物の中にポツンと立っていた。
「……!」
倒れる寸前に、ハウとリサがレノアの腕を支える。
この二人の腕の温かみが“勝った”、“生き残った”のだと強く感じる。
「勝ったんだな」
「うん」
「そんな血だらけ……レノアちゃん凄いよ!!」
まだ剣を握って半年の素人が、裏社会の人間を殺すまでに成長したのだ、悔しさよりも感動の方が強い。
スーツの所々から彼女の白い肌が見える。
ちょっとセクシーだなぁ、なんて事を考えたリサだが黙った。
「う゛あ゛ぁぁぁう゛ぁぁ」
呻き声を上げながら、建物の中へと進んでいくララの姿が三人に映る。
「トドメ…俺がさすか?」
「大丈夫だよ、“アレ”は私が斬ったから」
朦朧としたレノアが最後に語ったのは“人殺しになる覚悟”これで全員…ケイと同じ土俵だ。
「ほんと…良かった…これでケイのところに…ん?」
「まずいな気絶したぞ!」
「急いでフレアさんの所に!!」
レノアの足を引きずりながら、二人は出来るだけ速くフレアの下へと向かった。
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[ララ視点、場所は一階]
「ぐあ゛ぁぁあ……おぇ゛…」
まだだ…まだボクは負けてない。いや、勝負には負けた。
負けていないのは、ボクにもその領域に向かう事。
レノア……ケイ!!あいつらを見返してやる為には…!!
(ご丁寧に遠く飛ばしていきやがって…!!)
腑を晒し、血の道を作っているララの命はもって数分。
数分で決まるのだ。
「うお゛ぉあぁぉあ!!」
あった!ボクの剣!!
[燃焼]は…ボクの燃焼…ボクの夢…!!
どうせ終わるなら…
「もう一……もう一度だけで…いい!!」
あの覚醒状態で!レノア…いやケイに並ぶ!!
あいつこそ!本物の偽物だ。
レノアは武器の性能に頼り[燃焼]を扱っているだけでボクより下!!
「う゛あ゛あ゛!!」
この剣で…“格”を見せてやる!!
「ねん……しょう!!」
最後の魔力を振り絞れ!ボク!!
少しの沈黙の後、ララの剣に雷の輝きが奴の視野を覆った。
この雷で死ぬのは確定。
でも…ボクにも使えるんだ…[雷]を!!
するとみるみる雷が黒く──染まっていく。
(何ッ!!??)
───剣に溜まったお前との戦いで互いぶつけ合った魔力の残りカスみたいなものさ。そこにボクの魔力をひとつまみしてあげれば……
(あの時の発言を覚えていたのか!!)
レノアの[燃焼]を真正面からぶつけた事により彼女の雷がララの剣へと溜まっていたのだ。
それは残りカスみたいなもの。
そこにレノアが魔力を貯めていなければの話だが。
違う場所、一瞬だけ目を覚ましたレノアが呟く。
「[放]」
雷が更に強くなる時、ララは悟る。
(ボクが…間違いないと言うのなら!!お前なんかと…!!何が違うんだ!!)
剣を握りしめたまま、ララは雷の輝きをただ見つめる事しかできなかった。
(いつそんなに…お前と差がついたんだ!!)
守る技術だと言うのなら、愛とか正義とか…!!反吐が出るものか?
── だけど、
──あ?
──所詮あなたは…紛い物ね。
軽蔑した様子の目を向けたレノア。
ただ斬り伏せただけとでもいいだけだった。
そんなもの……!!
「レノアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
後日
誰もいない廊下で、シスターの一人が剣を握りしめた、女………?と思われるものが焦げた状態で発見された。
その表情には悔しさと怒りが黒焦げの状態でも読み取れるほど、何か強い執着が考えられる。
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[場所は服屋]
「はっ!!」
ふかふかのソファで目が覚めた彼女は、辺りを見渡すと食事をしていたリサ達。
「あ!起きた!」
口に食べ物を入れながら喋る彼女の言葉は、いまいち聞き取れなかったが、少なくともそう喋ったと思う。
フレアの治療により怪我を完治させたレノアだったが、暫くは昏睡状態。
もし治療が遅れていれば危なかったかもしれない。
「しかし…ララに勝つか、流石だな」
ハウが嬉しそうに口を開くと、ザルツ、ガイルもそれに答えて頷く。
ララを殺した。
彼女を侮辱し、見下したあの時の彼女の言葉は…本当に自分の口から出たのかと疑ってしまう。
「座って下さい、レノアさん、これからはお姉ちゃん…オリアーナとの一発勝負の為の作戦会議です」
覚悟を決めた様に、真っ直ぐを見据えた彼女は空いた席に座り、覚悟を決めて……パンを食べる!
「皆さんのお陰で、お姉ちゃんの[楽園]システムが分かりました」
各々が好きなものを食べていた中、突如重要な情報が流れ食べる手が止まり、ルティアに目を向けた。
「能力と結界術の応用で生まれた[楽園]は私達の夢そのもの。結界によって分断された空間は私達の世界にゆっくりと干渉しているんです」
「こちらの世界を乗っ取ろうとしている、って事?」
フレアが冷静に返すとルティアは頷く。[楽園]の誘惑に耐えられず既に向かった者もいるが、
十人十色な人間全てを一瞬で支配する神技は…まぁオリアーナの様な神でも不可能だろう。
「まいったな!」
どこか他人事の様に呟いたガイルだったが、その重大さはちゃんと伝わっている。
「でも、私だってお姉ちゃんに負けません、経験では勝てませんが、知識では同程度なはずです」
ふんす!と自慢気な彼女だが、やはり不安は絶えない。
「お姉ちゃんが魔法を使えば、恐らく全滅します」
重々しく告げたルティアにリサが口を挟む。
「ねぇ、じゃあなんでケイと戦った時にあいつは魔法を使わなかったわけ?」
「それは私の能力、[封]に関係しますが……それはあまり言えません」
「言えない?そう言えば参謀が言っていたぞ、結界作成の為には“代償”を先払いする事で…と」
ハウが疑問を口に出すと、
「お姉ちゃんは多分できないと思いますが、私は結界術の生みの親です。代償を払わず結界を発動できるのです」
その事はケイにも話したが、あまり詳しく話せない事を伝えたら彼もそれ以上は追求しなかった。
今ここにいるメンバーも使い方などは追求せず黙る事にする。
「[封]でお姉ちゃんの魔法を封じ込めた後、皆さんはお姉ちゃんと戦い楽園を消滅させる。これが全体的なプラン。細かい所を詰めていきましょう」
ケイを救い、[楽園]を破壊する。
全員生き残る必要はない、誰かがオリアーナを倒せば良いのだから。
「勝ちましょう」
ルティアの言葉に全員は強く頷いたのだった──
実はララみたいな死に方をドライブにさせるつもりだったのですが辞めました。あっちはあっちでスッキリしない感が味がな〜と。
※ドライブって誰?って人は44話を見返してくれよな!




