9話
「さて、本題に入ろうか...
結果としてどうだった?
スキルの欠片はドロップしたか?」
「ああ、まあ、うん...
手に入りはしたが、これ、本当に大丈夫なやつか?」
ディマルクが取り出したのは、
黒く、暗く、触れるもの全て汚さんとするほどに
禍々しく、
万人等しく、生物であれば忌避感を覚える気配を出している
「おっ、よかったよかった...
ああ、見た目がこんななのは死霊属性のものだからだ。
昨日手に入れたやつは剣のスキルの欠片、
無属性のやつだから、色も透明だっただろ?
それと同じだよ」
俺はゲームで慣れてるし、魔族だしで問題ないが、
シャーフィカはまるで汚物を触るかのように
手に入れたスキルの欠片をつまんでいる
「なあ、アスタ...聞いてなかったが、
どうやって取り込むんだ?
欠片が10個もあれば、握り拳ほどの大きさになる。
まさか飲み込むなんて言わないよな?」
「そうだな、流石に飲み込むことはない。
そもそも魂由来の物質だ、出てきた時の反対、
胸に押し当てれば吸収される。
あと、欠片の融合はまとめて握ればそれで完成だから、
そうやってつまんでても、意味はない、諦めろ」
「っー!」
「まあ、食べないで済むのならよかった。
ワタシもディマルクも、それが心配だったから」
泣きそうなシャーフィカと、逆に安堵した様子のマークとディマルク
「えっと...27個か、誰が何個ゲットしたんだ?」
「うん?これはシャーフィカ一人で集めた分だ。
俺が集めたのは、こっちだ」ドスンッ
「ワタシのはこの3つだけ」コロン...
「オーマイガー...これがリアルラックの差か......」
いやいや、
排出率が変わったのかも...
でも、そんなことを考えるなら、現地魔物は欠片を落とさないってのは...
それは関係ないか、現地人(ディマルク達)がその存在を知らないはずがない
だとしても、これは...
わずか1日の間にディマルクはおよそ100個のスキルの欠片を手に入れた
「大体でいいから、何体ぐらい倒したんだ?」
「ワタシは21体倒した」
「私は400体ほどでしょうか。
思ったより硬くて、一撃で倒せなかったので...」
「俺は多分1000以上は倒したんじゃないか?
半分以上は俺のブレスで倒れたわけだしな」
ふむふむ、雑魚敵を7体倒して1個欠片が落ちる計算になるのか...
超効率いいな!
まあ、死ぬ危険性を考えて、
安全に狩るとなったら、別だろうが、
元のドロップ率の何倍だ?
「アンデットのスキルの欠片なら、疲労軽減効果が手に入るはずだ。
それを習得すれば、今日よりも多く手に入れられる!
とりあえず10個以上ある二人...さあ、早く使ってみろ!」
「お、おう...
えっと、握って...これを胸に押し当てる
...お、できた!!
すげえな、何だこれ?!不思議な感覚だぜ」
「んっ...
確かに不思議な感覚ですね。
なんというか、内側から再構築されるというか、なんというか...」
「胸がピカピカ、エロティックだが、さっきと比べて明らかに元気になってる
羨ましい...
早くワタシもスキルがほしいぜ」
まあ、視線が胸元にいってしまうのは共感できる
だが、それを言語化するかよ...
俺はディマルクの厚い胸板を見て、煩悩を沈める
「今日手に入ったので3つ、昨日の合わせても6つ、
明日戦ってドロップで3つ手に入るとして、
そしたら剣のスキルの欠片も1つ手に入るぐらいには剣を振るってるだろうし...
明後日あたりには作れるんじゃないか?スキル」
レベル1プレイヤーとして考えるなら、
このペースは十分に速いと言えるんじゃないのか?
だが、一応...
「まあ、現地人の二人にもスキルが覚えられたんだ
マーク...お前、死ぬ気で努力しないと、俺達プレイヤーどころか、
そこらにいる奴らに置いていかれるぞ。」
英雄願望があるみたいだし、
多少発破をかけてやったほうが、やる気でるだろ
「問題ない。
ワタシは未来のスーパーマンで、日本の侍だ
アスタよりも強くなって他の奴らから守ってやるよ」
「ああ、期待して待ってるよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と、言うようなやり取りがあったのだが、
これを見ていた2人は何を思ったのか
翌日、疲労軽減を得たはずなのに、
疲労困憊になるまでアンデットを狩ってきた
「単純計算で3倍って...馬鹿なのか?
“美酒の給仕”、これで肉体的には元気になったろ
飯作るの手伝え」
酒を口に突っ込み、スキルで回復する
酒は分類が薬なので、今回は痛みは発生しない
「アスタ、ワタシにも酒をください
2人だけずるい」
「はは、スキルのクールタイムが終わったらな」
「そうじゃなくて、シンプル酒飲みたい」
...
「うまい!もう一杯!」
「俺も、もう一杯!あと3樽は飲みたいな」
「酒カスどもがよぉ...」
「ふふっ、楽しそうでいいじゃないですか」
「二日酔いになっても絶対回復してやんねえ...」
でもまあ、平和で、くだらなくて、
そんな何気ないことでも、
やっぱ人との関わり合いは大事だな
俺は寂しがりやなんだ...
そして、現実が見えないわけでもない
こいつらに会ってなかったら、
結構精神的に参っていたかも知れない
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