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追放ヒーラーですが【発明者が医師】なのでガトリング砲を使います!  作者: とらいぽっど
ワイワイ♡みんなで生き残り大作戦!

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ゴール

橋の手前で足が止まった。荷物が山積みになっていた。


「あった……!」


トマが駆け寄る。


「俺たちの荷物だ……!」


「急ぐな。まず周囲を——」


ダリオの声は誰にも届いていなかった。ミラはもう荷物を漁っている。フリントも。ダリオが溜息をついて、自分も荷物の山に向かった。


「……あった」


ミラの声だった。小さなペンダントを握りしめている。震えている。泣いている。でも——笑っている。この子が笑うのを、初めて見た。


「お父さんの……」


「……守ってくれた」


ペンダントを胸に当てた。目を閉じて、何か祈っている。お父さんに、話しかけているのかもしれない。邪魔をしてはいけない気がして、そっと離れた。



救急鞄を見つけた。中身を確認する。全部ある。ローブも見つけた。囚人服を脱いで着替える。やっと人間に戻った気がした。


手の中の発射台を見た。矢は全部使った。もう空だ。なのに——消えない。いつもなら、使い終わった治療器具は光になって消える。でも、これは残っている。


……なぜ?


分からない。でも、もう必要ない。脱いだ囚人服の上に、発射台を置いた。


「残ってたな、こいつら」


フリントが荷物から取り出したものを並べている。スリングや油壺、閃光粉の袋に火打ち石。


ダリオがフリントの方へ歩いていった。


「……それ全部、お前のか」


「元々の装備だ。追っ手を撒くのに必要でな」


「追っ手?」


フリントが肩をすくめた。


「エンクレイヴじゃ、脱走兵は見つかったら処刑だ。逃げるしかない」


「……それで、逃げるのが得意か」


「ああ。でもな——」


フリントが手を止めた。油壺を見つめている。


「逃げてばかりだと、どこにも辿り着けない。今日、初めて逃げずに戦った」


「……後悔してるか」


「いや」


フリントが笑った。


「悪くなかった」



荷物を詰め直しながら、ダリオがぽつりと言った。


「ただ強いだけの傭兵なら、足手まといは見捨てる」


フリントが顔を上げた。


「でもお前、誰も諦めなかった。戦場で一番厄介なんだよ、そういう奴」


「……成り行きだ」


「嘘つけ」


ダリオの手が止まった。しばらくして、小さく言った。


「……昔、見捨てたことがある」


フリントが黙って聞いている。


「護衛の仕事だった。依頼人が足を怪我した。追っ手が来ていた」


ダリオが空を見上げた。


「置いていった。合理的な判断だった。——3日後に見つかった時には、もう死んでた」


「……」


「それからは、やらないと決めた。どんなに非合理でも」


「……そうか」


フリントが何も言わずに、荷物を詰め直し始めた。ダリオも背を向けた。言葉は少なかったが、何かが通じた気がした。



「帰れる……家族のところに帰れる……」


トマが言った。目に涙が浮かんでいる。その瞬間——体が震え始めた。


「さ……寒い……」


歯がガチガチと鳴っている。腕を抱えて、しゃがみ込んだ。


「寒い……なんで……こんなに……」


フリントが呆れたように言った。


「……今さらかよ。ずっと平気な顔してたから、農夫ってのは寒さに強いのかと思ってた」


「緊張してたんだ……緊張してたから……」


トマは上半身裸だった。鼻鳴らし戦で囮にするために服を脱いで、それからずっと。真冬の砦を、ズボン一丁で走り回っていた。


ダリオが自分の外套を脱いで、トマの肩にかけた。


「……よく持った」


「す、すみません……」


「謝るな」


ダリオはもう背を向けていた。


「よし、渡ろう」



橋を渡った。一歩。また一歩。長い橋だった。下を見ると、崖と川。落ちたら死ぬ。でも——もう追ってくる者はいない。


渡り切った。砦の外に出た。


「やった……」


トマが膝から崩れ落ちた。ダリオの外套を羽織ったまま、震えている。


「出られた……」


泣いていた。


ミラが小さく笑った。ペンダントを握りしめて。フリントが空を見上げる。


「……生きてる」


ダリオが剣を鞘に収めた。


「……終わったな」



空を見上げた。青い空。雲が流れている。風が冷たい。


でも——生きている。みんな、生きている。


誰も死ななかった。誰も見捨てなかった。


何もできなかった。治療も、戦闘も、ほとんど役に立てなかった。でも——矢を使った。3本とも。誰かを傷つけるための道具じゃなかった。みんなを守るために、使えた。


それが正しかったのかは、分からない。でも、みんなが生きている。


今は——それだけで十分だと思った。


次の町まで、あと半日。日が暮れる前には——着けるだろう。

オーク戦をデスゲームっぽい展開にした際、

「いかにも途中で死にそうな面々」が必要なので

仲間たちを考えたのですが、スライム回で彼氏候補っぽい4人皆殺しにした反動か

気づけば全員生存してしまいました。そろそろこの章も締めにはいります!

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