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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
第二章
14/123

退学ですか?

プロローグ




━━━西大陸、元魔導王国=レバンナ



━━6年前……。



5つある国々は、魔導王国レバンナの魔王ヒエン・アオザによる。強大な力の前に屈していた……。



魔王とは……、数百年もの長き時を生きた存在であった。その力は海を割り、天候を変えると言われて、一国を1人で滅ぼしたとも言われていた。魔王の力は絶大である。この世のあらゆる強力な魔法が使え。無限とも言われる魔力を使い、最強とまで言われた暴君は、ピアンザ・カリアと言う若者に、敗北した……、



━━動乱の西大陸、それを平定し……、新たな魔王となったのは……。


「ピア……」


浅黒い肌。ややきつめの印象を与える切れ長の目。長身の青年は見るからに無愛想に思えたが、目に優しい光を宿し美しく成長した、妻の心配そうな顔に、優しく微笑していた。


「大丈夫……、俺が、世界を救うから…」


不安そうな妻を。安心させようとする不器用な優しさ、自分だって辛いのに……、


「はい……」


そっと涙ぐんでいた……、


「陛下。六将揃いました」


「わかった……」



ふっと……、



外を見て目を細めていた。



ピアンザはあの日の事を何故か思い出していた……。




━━━10年前。アレイ学園、



学園長室。




オーラルは『特待生』教諭リリアに行くよう命じられ。学園長がどうして学校にいないかを理解した。そして……、



エドナ宮廷魔導師筆頭から直々に。話を聞かされて、退学命令を受諾していた……。



━━━前日。夕方。



オーラル達、魔法討論会に出た代表生徒は、

ギル・ジータ王国より戻った翌日の夕方、



学園主催の祝賀会がもようされた。

数年振りの優勝校となった名誉に、学園側の配慮である。



━━壇上に上げられたケイタ・イナバを始め。



カレン・ダレス=シルビア、ダレス家の才媛が、ケイタの横顔をちらり。愛しい気に見つめているのが印象的である。その場でリリア教諭から、ケイタは優秀者として紹介された。

思わず真っ赤になって、照れた顔をしていた。ケイタを他所に。パーティーが華やかに行われた。


━━華やかな祝賀会の場。でもピアンザの面立ちは、胸中と同じく暗い。やはり考えるのは、海中都市で思い掛けず出会った古代の民シレーヌの事を。いつの間にか考えずにはいられない。まるで日に日に想いを募らせ、彼女に恋した少年である。



ピアンザにとって、ギル・ジータ王国で経験したとある事件は。自分の出生を知ることになった……、自分がまさか古代の民エルフであると知ったのである。ピアンザは物心着いた時から孤児院で育った。棄てられたと考えていた自分が、古代の民である。エルフだったとはな……、

皮肉な話である。



「オー君♪、ピアもお疲れさまだね~」


のほほんほんわかと可愛らしく笑うレイナ・フォルトは、北大陸出身ファルバス族と言う身体能力が、優れた一族の出である。


「草むしり君も♪頑張ったね~」


相変わらず。ケイタの名前を覚える気が無いようだ……、


「良くやったな!」


満面の笑み、上機嫌なミザイナ・アルタイルは、南大陸、剣の国ファレイナ公国。騎士団長パライラ・アルタイルのご息女である。


オーラル達、ミザイナ部隊の面々は、彼女の壮大な夢を叶えるため誓いを立て、部隊を組んでいた。ミザイナの機嫌がいいのにもその辺りに理由があった。今回アレイ学園が優勝した上に、優秀者に選ばれたケイタのお陰で、部隊には多大なポイント加算されることが決まったのだ。ミザイナの機嫌も良くなるか……、


「オーラル良くやったな!」


涼しげな目元だけ、和らげ、リリア・カーベン女史が、皮肉気に笑う。


「先生……、全然似合わない」


「煩い!、わかっておる」


朱に頬を染め、凶悪な、スタッフで、オーラルの頭を狙う、

ひょいとかわしながら、


「危ないですよ~」


ドレスアップした、リリアのソリッドの際どいチェニックスカートから、美脚が、露になった。

目が、釘付けになる生徒が、増え。どよめく。


「ちっ、貴様に話がある。後で、学園長室に来るがいい」


どう見られようが一切気にしないのだが、当たらないことが悔しく。本気で残念がるリリアに、気圧されながら。


「わかりました先生……」


首を傾げた。いつも不機嫌そうな顔だが、今日はいつも以上に不機嫌そうだった。



パーティーも一段落したところを見計らいオーラルは、1人学園長室に向かった。


「入りなさい」


ノックすると……、すぐに返事があった。聞き覚えのある声がして、眉をひそめていた。



そもそもアレイ学園長が、いるのは知ってたが、見た者はいない、成る程とオーラルは、理由に気が付いた。


「お久しぶりね……。オーラル君」


艶然と柔らかく微笑する。エドナ宮廷魔導師筆頭が出迎えた。


「ご無沙汰してます。エドナさん」


エドナ筆頭の手ずから、紅茶を馳走になり、彼女の面差しが辛そうで、何となく……嫌な予感がした。


「オーラル君……、ごめんなさい………」


唐突にエドナ筆頭が、学生でしかないオーラルに謝罪していた。戸惑い、怒り、不満、様々な思いが、オーラルの胸中を駆け抜けた━━。



━━静寂……、



楽しそうな、喧騒が、僅かに聞こえていた。そっとため息付いて、


「分かりました、短い間でしたが、お世話になりました」



承諾した……。



翌日……、



オーラル・ハウチューデンの退学が、学園長の名で正式に発表された…、



━━エドワード家の長男。エドワード・ブローザ殺害した容疑で……、



殺害されたのは、昨日早朝。近隣の住人から聞き取りが済み。無実なのは明らかであった。さらにバレンタイン次席が証言していた。

商会の商人までもが、オーラルがその日に居なかったことも証言したのだが……、



エドワード・ブリュクヒルは、オーラルを名指しした。子息を殺した犯人と決めつけ、打ち首にするよう訴えた。



だが……、



どう考えても不可能に近い、ただの言い掛かりである。


と、司法も認めた。



一方で━━。



王族に連なる者の命を、無視するには、あまりに難しく。学園として譲歩として、オーラルを退学処分するしかなかったのである。



これに激怒した学生達が、大挙して職員室に集まった。オーラルに救われた貴族の子息、子女までも含む多くの生徒達であった。さらには近隣の住民。大司教まで凄い剣幕で来られた時は、エドナ筆頭も唖然として驚かせた。


……が、



誠心誠意を込めて、辛い現状をとくと話して聞かせた。不承不承みんなが帰ったのは、夕刻である。



━━仕方ないとは言え……、エドナとて後悔していた、本当にこのままで良いのか?、苛々しながらも。何か策はないかと思案した。



パーティー終わりの……、晴れやかな笑顔を複雑な思いで見送るオーラルに、バレンタイン次席は、


「済まない……」


沈鬱な顔しながら、多額の契約金が渡され。重い足取りのまま帰宅した。



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