白銀の城・防衛拠点
━━オーラルが、魔力の使いすぎで、へばってる頃。
土竜騎士達は、白銀の城近くに集まり。自分の契約している土竜を召喚していた。
「よし。先ずは小屋が建てられるように、整地を行う」
「「おう」」
これからも人は増えて行く。なら休む場所を作るのは急務である。魔導兵の準備にも。広い平地がひつようであった
「我が血と契約せし。竜の子よ。魔力を糧にかの地から。この地に『召喚』(サモン)」
荒れ果てた大地に魔力を叩き付けると、相棒の魔力を感知した。
今の大陸ならば、太陽に弱い土竜でも。雲が太陽を遮ってるため、土竜を召喚しても大丈夫だと。十分な条件を満たしていた。
「キュイー♪」
大地に穴が開いて、ひょっこりと特徴的な鼻が飛び出した。ボルト・ホウリーは、
「久しぶりだなゲルザ」
「キュイーキュイーキュイー」
甘えた声を出して、ボルトの声に答えた。久しぶりに会う家族の鼻を抱き締めて、出迎えた。
「この地こそ、我れらが友の最後の聖戦となろう!、皆我らが悲願を、今こそ」
聖アレイク王国には、土竜騎士と深い関わりがあった。その歴史は古く。建国の父聖人アレイの時代まで遡る。
━━当時……、
地下迷宮の種族の多くは、非常に排他的であり、地上にある拠点も僅だったため土竜騎士とは、珍しい存在であった。
━━長年。土竜に携わる者の多くは、亜人と供に地下迷宮に隠れ住むような生活を続けていた。その為もあるが、土竜騎士のことは、あまり知られていなかった。
そんな土竜騎士が、表舞台に登場したのは、初代国王クラウベリアの時代。その母が土竜ギルドと交流があったと言われてるが。
真実は定かではない。
━━土竜騎士とは、迷宮に入る資格を持った冒険者の中でも。特別な存在であった。
今でこそ土竜ギルドに登録するのは簡単だが、当時は迷宮の冒険の経験と。土竜と契約によって、始めて付ける職業となっていた。
建国100年を迎える。アレイク王家には、今も残る。ある誓いが残されていた。
━━始まりは……。
ある土竜騎士と。クラウベリア王の友情からだと伝えられていた。
初代ギルド長になった、クラウベリア王の友であった。土竜騎士は、当時のことを書き残してる。
゛友クラウへ゛
届ける事が出来なかった最後の手紙は。
今も土竜ギルドにあった。
そして新に土竜ギルドに登録する。土竜騎士は、必ずその手紙の写しを読まさせられるのだ。
………そして、新たな誓いを立てる。
『我が身を、心を。友であり、仲間であるクラウベリアに捧げよう……』
現代ではアレイク王家に、忠誠を誓う儀式として一文変えられており、騎士の宣言の儀にて、読まれていた。
土竜ギルドと王家は、当時から新たな王妃に受け継がれ。今も深い絆で結ばれていた……。
━━西大陸……。
パレストア帝国城には。今か今かと中庭に1000近い兵士が集められていた。
六将が1人ランバスター・ラロバイン将軍は、
ロドラ・アグレドからの報告を受けて、顔を引き締めていた。
「全軍進軍せよ」
「「「「「ウオオオオ?!」」」」」
魔王軍は当初の予定とは別に、城内の隠された扉を使い。中央大陸に進軍することを決めていた。
当所兵士の雄叫びに驚いた民は。クウデターかと、ちょっとした騒ぎはあったが、
程なく中央大陸を繋ぐ通路が、新に地下施設で見つかったと知らされて、安堵よりも驚きが勝るようだった。
「これはどういう事だ!」
噛みつかんばかりのゼーダ学園長を、厳しい眼差しで睨み付けるゼノンは、自分の見る目の無さに、恥じ入りながら、目を細めた。
「貴様のしたことは、全て調べがついていた。陛下がもどる前に、愚かな謀略を謀った者の排除も兼ねていたのだが……、まさか貴様がな……」
「なっ……」
驚きとあり得ない現実に。ゼーダは顔を青ざめさせて、ヨロリ後ろに下がっていた。
「あら……、逃がさないわよ♪」
いつの間にか、ゼーダの背後に、小柄な女の子が立っていた。
何か声を発する前に、
「ゴメン~、殺しちゃった♪」
自らの血に沈むゼーダを、哀れに見下ろしていたが、首を振っていた。
軽くミューアを睨んでみたが、まるで悪びれた様子はなかった。
「あ~あピアンザ様。早く帰って来ないかな~♪」
クスクス笑うミューアを、薄気味悪そうに見ていたゼノンは、強い虚脱感を覚えた。
━━━中央大陸・闇の神殿。
『おお………』
突如結界が消え失せた。
地表を今まで感じたことのない。清浄な風が駆け巡り。
『なんだこれは…………』
嫌悪感に苛まれる。魔人の王レイアスは、怒りに震えていた。
『まあいい……、我が手で直に殺してやる。人間共めが……』
鼻息荒く、集まった魔人の民を見下ろしていた、
『人間どもに、誰が王か知らしめよ!』
『おおー!』
数百もの魔人が、武器を手に、翼を広げて、飛び立ったっていた。
空には、凶悪な無数の魔物を従えていた━━、
━━数万に及ぶ魔物は、魔人の軍勢が率いることで、叙々に数が膨れ上がり、空を真っ黒く染めていく、
━━大地には、
不気味な毛のない魔獣、やたらと前腕が長く異臭を放つ猿のような魔獣、集団で狩りをする牛程の狼。さらに巨体で胴体に無数の目がある不気味な牛、虎の体にイバラの触手を絡めさせながら移動する樹木。様々な魔獣、魔物が集まりながら、白銀の城を目指していた。大物も複数混じっているようで、低い咆哮が轟いていた。
おおよそ、大地を埋め尽くすような悪夢。恐らく百万近くにも及ぶほどの魔獣の暴走は、凄まじい怒号となって、大地を鳴動させたほど。
━━白銀の城。
周囲には、早くも数千もの魔物が積み重なり。辺り一面膨大な魔物の死骸が積み重なっていた。
ドガガガガ。岩盤を削るような轟音を響かせ。岩の巨人が、崩れ落ちる。
『今だ。皆のもの突き崩せ!?』
岩の巨人の群れを。魔導兵が、次々に倒して行く様は圧巻である。
人間は疲れるものだ、怪我を負えば、動けなくなる、
しかしこれが替えの利く魔導兵ならば、例え破壊されても替えが効く、
疲れたら交代すれば良いだけのことだから、
「物資も順調に集まってますな」
━━最前線の城に、次々と物質が到着していた。
検品作業を片手間に。煩雑な書類を上げているのは、アレイク王国宮廷魔導師筆頭ケイタ・イナバ、次席エドナ・カルメン・オードリーの二人が、
『瞬く扉』が開通するや、早々に白銀の城に押し掛けていた。
辺りはだいぶ暗くなってきた。雲に遮られているが、間もなく夜になろう時間であった。
「失礼ですが、ケイタ殿ですかな?」
躊躇いがちに声が掛かる。足を引き摺りながら、こちらに来ている。魔法使いが好む打撃・斬撃耐性の高い魔獣の糸から紡いだローブを纏う。高位の魔法使いの杖をつきながら。デーアは緊張していた。
「はいそうですが……貴方は?」
「おお~貴方が噂の賢者殿でしたか、私の名はデーア・オルトスと申すもの。どうか名のデーアとお呼び下さい」
「ああ~貴方が、あの、始めましてデーアさんですね。話の前に先に。引き継ぎを済ませましょうか」
見るからに、目はおちくぼみ疲労困憊な様子だが。なぜか目だけは好奇心に輝いているデーアも、
「そうでした………、魔力も枯渇気味で」
安堵の笑みを浮かべていた。それもそのはず魔人の予想以上の猛攻が続くなか。デーアは急ぎ魔導兵の準備に終われていた。
どうにか間に合わせたのだが………。激戦が続き、魔法使いの消耗が激しく。持ち込んだ魔力回復薬が底を着いた。途方に暮れ。不安を覚えてた頃であるケイタ達が到着したのは、
「そうでしたか……、
冷や汗浮かべながら、ケイタは知らず知らず気圧されていた。
━━明日の早朝、ギル・ジータ王国。
━━━昨夜。
レオール連合から、竜騎士団が到着していた。
早朝『瞬きの扉』によって各国に中央大陸進軍状況が知らされている。
集まる竜騎士団もこれから中央大陸に向けて飛行予定である。
その他召喚魔方陣を使って、後方支援部隊。癒しの魔法の使い手である。各神殿の侍祭以上の使い手は、負傷者の救護に当たるため集まっていた。
まとめ役に太陽神アセードラの大僧正ルメージが、その下に各神殿が誇る癒しの魔法が優秀な使い手で、負傷者の回復を行うことになっていた。
「魔方陣が起動する。皆の者覚悟せよ。この先にあるのは戦場である。我らは命を救いに向かう、一人でも多くの命を救いましょう」
「「「我らが神の為に」」」
「「「命を救いましょう」」」
今や昔の強欲だった面影は消えていた。ルメージ大僧正は、清浄なる人格者。そう思わせる穏やかな笑みを浮かべていた。
━━半月後、
人々は無論。各国の王、重鎮は中央大陸の広さと闇を理解していなかった。
まさに予想外の出来事に直面していた━━。
━━僅か半月、
━━されど半月。
白銀の城は、昼夜問わず攻めてくる。魔人と魔獣の群れに。迎え撃つ多くの将兵は無論、各国の支援部隊の面々さえも疲労は、隠せない所まで来ていた。
「オーラルに伝え下さい。明日ララ司祭が、フロスト騎士団を率いて参ると、僕はこのまま貴方と交代しますから、少しお休み下さい」
気弱に写る青年は、くたびれた魔獣のローブを着ていた。だが面立ちの中に。強い芯のある眼差しを、デーアに向け、強かに笑う。
「正直助かります。ケイタ殿」
「ケイタで構いません、デーア」
デーアは少しだけ驚いたように目を見開き、直ぐに嬉しそうな顔をしていた。
(この方は………)
だから素直に礼を述べる。




