集いし英雄達
━━オーラルの語ったことは、ひょっとしたら……。
いや間違いなく世界の秘密に違いなかった、
神々の隠した深淵を覗くような畏怖を感じる内容に……、
話を聞いた一同は、ただ愕然としていた。
特に友であるピアンザは、自身が知る神話の物語に限りなく迫った。オーラルと言う人間の存在と、深い叡知に。肌を粟立たせていた。
そう……、
オーラルはピアンザ達が、魔王となり大陸を統一して、世界に対して、戦を用いたことの本当の理由を知っていたのだ。
━━しかし……、
それを知った所で、魔王ピアンザの行った所業は、赦されることではない、世界に恐怖を与え、多くの人々に怨みと遺恨を残した。それはあたかも散らばる塵のように積もるようなしこりとなっていた。
周りに集まるもの達は、自然と静寂になる中で、ただ一人魔王ピアンザは、素直にオーラルのことを凄いと感嘆せしめていた。
━━しかし……。
どうやればこの数年と短い間に。オーラルが調べられたのだろうか?、それが不思議で仕方なかった、例えば普通の人が一人で、物事を調べるには人に聞いたり、書物を調べたりするが、簡単なことさえ大変だ。
それが神話を調べるとなると………、
かなりいや普通の人間には、難しいことだっただろう……。だがオーラルはそれを成した………。
(これを努力の一言で、片付けるべきことではないな)
ピアンザは迷っていた。だから真摯な眼差しで問うようにオーラルを見ていた。
「オーラル……」
「うん」
どうやらオーラルも。古代の民についての神話に、多くの矛盾点があると。気が付いたようだ……。
魔王ピアンザが、先ほど口にした事柄からもわかる通り。地下迷宮には未だに多くの謎が含まれていた。リブラ将軍が見つけた。赤の民の街があったこと、それだけは間違いないことだ。
ピアンザが何故そのことを知っていたのか、それは父前魔王ヒザンが残した。『魔王の書』の原本に記されていたからだ。
それ以外となるとオーラルが神話を調べるには、神話の時代から残る国に行き調べるしかない。例えばラトワニア神国、
(だからオーラルはラトワニアに……)
それでもそこまで辿るには何かしらのヒントがあった筈である。アレイク王国は新しい国である。それを考えると王家に何かしらの証拠が残っていたのか、
(……『魔王の書』確か前魔王ヒザンが生前アレイク王国に写しをの残していた)
オーラルはアレイク王家にあったはずの『魔王の書』を閲覧できる機会があったと考えるべきだな、例えばその多くは秘匿されていたとしても。
━━ただ一人。この世界の秘密を知る者がいた。そしてその者は禁書とされた『赤の書』さえ所持していた。だとすればナタクが何処かにヒントを残していた可能性はあるか………。
(ナタク………、あれは僕でさえ手にあまるものだった。そう言えばあれはどうなったんだ?)
ピアンザが知る限り中央大陸にある神話は、神々の神殿と呼ばれていた。
ピアンザは知らなかったが、次元を越えるための手引き書として、『赤の書』は赤の王に与えられた物だった。
神々の船の建造方法さえ記されていると、言われていた秘宝の一つである。
そめそも古代の民とは……。神々の子であると同時に。神々の代行者にして、この世界の管理者であったのだ。
中央大陸の役割とは、造られた世界に足りない魔力を、次元の穴からエネルギーを集め、魔力としてこの世界に流していたのだ。
魔力とは、常に世界に流れて行くものとされていた。だが世界に魔力を固定させるために。穴を塞ぐためにあったのが。中央大陸と呼ばれる。神々のシステムであった。
(そこまで考えることが出来たら。魔人が探していた物が分かるか……)
魔人の目的は、中央大陸にある神々のシステムを機動させること。鍵である『赤の秘宝』を手にすることであった……、
(そこで問題なのが、赤の王プロキシスが、赤の秘宝を持ち出していたことだ)
そのせいで中央大陸が冥界に落ちたとすれば……、
自ずと答えは出た。
「恐らく『赤の秘宝』とは、プロキシス王自身か、または自身に宿した力だと仮定すれば、魔人が父を襲った理由が、何となく分かる気がしたよ」
「それはまさか俺が土竜騎士だったからとか?」
「ん~、父さんそれはないよ。父さんが会ったって言った老人が一番怪しいと思うけどね、もしもピアンザが言った通りその老人が、プロキシス王だったとしたら、魔人は魔法か何かで、その老人と最後に会ったことが分かっていた可能性が高いと考えた方が、普通だと思うよ」
「おお~確かにな、オーラルは頭がいいな」
「ありがとう父さん、だからそこから考えると。父さんは老人とあった時に、気が付かない内に何か渡されたと。魔人に思われたとしたら」
「なるほどな~、つじつまは会うなオーラル」
感心したリブラは、何気くオーラルの頭をくしゃくしゃに撫でた。
「ちょっ父さん……」
がしがし頭を撫でられ。気恥ずかしそうな顔をしていた。
「だがよオーラル。一つ気になるんだが。お前の言った通り中央大陸ってのは、元々この世界に必要な神々の施設だったてんだよな?」
老人には小難しい話は厳しいな、愚痴りながらオーダイ将軍は、お茶を啜る。
「ええ多分ですが」
「ならばよ。魔人達にとって、予想外な事が起きたってことだろ」
「その通りだと思います」
「ん、オーラルそれはどういうことだ?」
バローナが意外と理知的な顔で問うていた、
「簡単なことですよ。魔人達は、赤の民がまだ生きていると思っていた。赤の民がいなかったことこそが答だったんです。神々に関する施設または、赤の民の所有していた施設があった地を狙っていた、だから魔人が現れたとしたら。現れた場所にも何となくしっくりきますよね?」
「うむ……、言われてみれば確かに……」
「そうじゃの~。オーラル殿が言われることが正しく思えたのう。鷲等の子供の頃に。オーラル殿が言うたような。似た物語を聞いた覚えがありました」
長老の1人が口を開けば、
「確かに。バード族の賢者が口伝と言っていたな」
何人か頷く者がいた。
「その昔。中央大陸には神々の神殿があったとか、しかも都市ではなく、赤の王はその神殿に、王座があったそうだ」
ピアンザが静かに語れば、
「フムフム、いかにも怪しいの~、ピアンザよ案外その神殿こそが、神々の王座であり、オーラルが調べたシステムを機動させる場所ではないかの?」
「確かに……、俺が調べた物語にも。プロキシス王が座する事が多かったとか、書いてあったな」
「そうか……、僕はそこまで神話に詳しくはないから、そこまでは分からないが。ゼノンならば何か知ってるかもしれないね、僕の知識は彼から学んだものなんだ」
(ん……。そうか……、だとすればもしかして、)
オーラルはハッとしたように顔を上げていた。
「だから魔人は、急いでいるのか……」
「それはどういうことでしょうか」
オーラルの呟きが気になり、サミュ・リジル宰相が気むずかしい顔をして、眼鏡を直していた。
「ええ~とサミュさん、今までの話から。俺が気が付いたのは、中央大陸が現れたわりに。世界で起きてる事件が、思ったほどではないんじゃないかってことなんだ」
「ん?、オーラルそれはどういうことだ」
「いや簡単な話で、父さんの話が全てだったんだよ。魔人達にとって、この世界にいることは、かなり無理やりだったんだよ、今はどうにか世界に、止どまれていたと言えば、ピアンザには分かりやすい筈だよ」
オーラルは意味ありげに笑み。分かりやすい呟きをしていた。すると直ぐにピアンザがハッとしていた。
「ほほ~う、それは実に興味深い話だな」
髭をしごきようやくましな話になったわい、楽しげに笑うオーダイに対して、なるほどなとギラム、リブラが一つ頷き、オーラルに先を促していた。
オーラルが調べた。神々の物語には、ある四人の英雄について語った物語と赤の王が二人いたことを示す一文があった。
━━新しいき赤の王レイアスは、怒りを露にした。
━━新たな王は、国力を失うこと栄華を失うことが許せずにいた。
日も登らぬ地下から、今まで当たり前に享受出来てた空を望み。深い憎悪を抱いた。
7日7晩王は悩んだ。
━━レイアス王は思い付いた。白の女王の力について……、
赤の王は言葉巧みに。人間の王を使って、多くの民を集めた。
……錬金術、人間等価交換の原則。
沢山いる人間の命を使って、どうにか地上に戻ることを画策した、
赤の王は世界に混乱をもたらした。
元赤の王プロキシスは……、王弟の非道を聞き、膝をついて嘆き悲しんだ。
━━愚かなり。
人間のため、また赤の民のこと考えたプロキシスは。神に最後の願いをした、
━━世界に。人間と古代の民の平和をと……願う。
神は、プロキシスの優しさに感銘を受けた。
━━神々は天罰を与えた。中央大陸を、世界の狭間である。冥界に沈めることで……、
それが世界の隠された真実である。
「……父さん。もしも今回のことが、神々の赦しを得るためにしたのなら、神々は決して赦さないだろう」
「最後の鍵が必要になるか……。それが恐らく『赤の秘宝』だ、そして僕達人間が、魔人が起こした事件の全てを終わらせる方法は、ただ一つだけだ」
魔王ピアンザは、その名の通り毅然と語る。あまりに壮大な物語であった、想像を絶していた。
「やたらと壮大だったな~オーラルよ。要するにだ、どうにかして俺達は、中央大陸に殴り込みする必要があるってことだな」
「ああ、世界を守るにも中央大陸を浮かせてる何かが、神殿にあるはずだよな?」
不敵に笑むバローナ、不安そうな元女神メルディスを安心させるように、手を握る。
「簡単に言えば、そうだ」
オーラルは肩をすくめ認めた。この先世界の王に、自国の王に納得させ、認めさせる作業があろうが、そんな苦労も厭う気はなかった。
少しでも民を思うなら。民の不安を残さない方法を選ばなければならない。それがオーラルの勤めだと伝えたところ、誰も迷いのない、力強く頷いていた。
━━翌月。
━━世界連合に加盟してる王の話し合いは難航した。
民に本当のこと知らせるべきかの是非を問うたからだ。あくまでもオーラル達が掴んだ情報は、真実であろうが、全てを知らせるにはあまりにも重かった。
……3日後。
各国の王、軍部の重鎮が一同に会す大会議にて、オーラルの姿があった、
━━あの後。各国の事件は沈静化していた。
だから急がされた各国の王達は、早急に意見が纏められ。ある作戦が決められた。
中央大陸沈静化作戦。そのあらましをリブラ将軍から聞いて、みなあまりの無謀さに……。度肝を抜かれていた。
「ではレイナ、貴国の竜騎士団の力を借りて、中央大陸に攻め込む事で決まりだ」
ようやく王達の話は纏まった。オーラルのところまで話が伝わったのは、各国の準備が始まり数日後。準備が思いの外大変で、今日まで掛かったのだ。やはりと言うか魔方陣の設置に時間が取られたのだ。オーラルもケイタに呼ばれて宮廷魔導師の手伝いをさせられ。疲れたような吐息を嘆息していた。
「オー君お疲れさま。本当なら私も行きたかったな~」
恨めしげな眼差しを受けたオーラルは何処か遠い眼をしていた、
(色んな事があった。母さんと姉さんにはまだ父さんのこと伝えられてない)
未だに言えずにいたのだ。正直父さんのこともあるからいい加減あれをどうにかしなきゃな。勘弁してほしくて、思わず呆れた顔を崩さずレイナを一瞥していた。
「レイナ、みんなに言葉を」
「はあ~もう、相変わらず真面目ねオー君てば、でも兵士達には有用ね。今は待機も納得するしか無いわ」
プンスカ拗ねた顔をしていた。
━━数日前。ようやく召喚の魔方陣が完成した。
密かに準備していた世界連合加盟国を繋ぐ『瞬く扉』が完成した。否応なしに情報伝達が早く伝わることになった。
瞬く間に中央大陸進軍について、気運が上がる。
密かに『瞬きの扉』が使われ各国の王達は、連日会議が行われていた。
そして今日、中央大陸に召喚魔方陣を設置する。決死隊のメンバーが発表された。
聖アレイク王国オーラル准将、オーダイ将軍、
パルストア帝国魔王ピアンザ、元六将・緑眼の騎士ギラムの四人が、今回の作戦の中核を成す。
軍国ローレン国主バローナ将軍。元女神メルディス。
ファレイナ公国八剣将ルルフ、エフィ、
レオール連合国リブラ将軍の9名。
「『聖王の剣』の力を使うから、拠点は直ぐに作り出せるので、最初の問題はどうにかクリア出来た。しかし問題もあったな……」
「そうね中央大陸は、あまりにも大きくて広いわ、拠点の防衛も考えたらオーラル達だけでは足りなかったわ」
だから召喚魔方陣を設置することになった。
「一番の問題は、連続で召喚魔法を行うには、膨大の魔力が必要になることだ」
「そうね回復させるには、高額な魔法回復薬が必要だったわ、はあ~」
ラトワニア神国が手を上げてくれなければ、大量の魔力回復薬が用意されることが出来なかった。そうなると中央大陸進行も暗礁に乗り上げていた筈だ。
「ナターシャには感謝だ」
「ふう~ん、仲がいいのねオー君」
「ああ友達だからな」
「相変わらずなんだから……」
「ん?」
「なんでも無いわ」
今回の会議に参加して、一人残される事が決まったレイナは、とても不機嫌そうな顔をしていた、要するに不貞腐れたのだ、
鈍感なオーラルは気付く筈もなく。レイナは再び溜め息を吐いていた。
(父リブラがレオール連合を離れることを考えると、レオール連合としても。防衛を考えれば、魔人クラスの襲撃を予想した筈だ、こればかりは仕方ない)
とてつもなく鈍感な男。それがオーラルであった。
━━各国は、準備を急ぎ整えた。
そして━━━。
決戦の日が……、訪れた。
竜王ブライムに相棒のリブラ将軍、オーラル准将、魔王ピアンザ、
イノワの荒くれ(レブラント)に、オーダイ将軍、ギラムが乗り込み、
バローナ、メルディス、
ルルフ、エフィがそれぞれ分かれて竜騎士の後ろに乗り込む。
中央大陸に乗り込む決死隊を守るために。三個小隊9体の竜騎士がオーラル達を守る。
━━こうして。世界を救う為の戦いが始まろうとしていた……、
首都アージンから足の早い竜でも、中央大陸のある空域までは、どんなに急いでも数日も掛かるが、戦いが控えてる以上は、無理をさせられない。
比較的安全を考えれば、アレイク王国で一夜過ごし。中央大陸に向かうことがベストだ。
この先厳しい戦いになるのは、目に見えてる。やはり無理は出来なかった。
━━その日の昼。城塞都市ベセルに到着。
━━翌朝、疲れを癒したオーラル達は出発した。
空は暗雲に阻まれながら━━。
雲を抜けると、微かな朝日に照らされ、雲海に影を作る竜は、さらに高度を上げすぎないように。注意して低空で飛行していく。
オーラルは手荷物を拡げる。ベセルで待っていたケイタから、魔人を解剖して調べた結果を知らせてくれた。やはりと言うべきか長き時。暗黒世界と呼ばれる。冥界世界長年暮らしていた魔人は、視力こそ人間と変わらないが、暗闇に強く。日の光に弱い事がわかった。また遠くを見ることも苦手としており、強靭な身体を別にすれば、人間と同じ弱点を備えた。生き物であることが分かった。
ただ魔人はあらゆる毒、麻痺を受け付けない特殊な血清を有してるため、魔素満ちる中央大陸では、苦戦が予想された。
「行くか」
海上から見上げたオーラルの視線のかなり先。中央大陸の全貌が見えてきた。
大陸の遥か上空には、魔物が村雲のごとく。群れを作っていた、斥候も確認されている。恐らくは竜を用いた奇襲は、一度しか通用しないと、オーラルは考えていた。
「オーラル……、魔物に気付かれた」
目の良いピアンザが皆に注意した。一つ頷きオーラルが、他の竜騎士、突入部隊のメンバーに風の魔法を使い知らせた。
「さて、早速鷲の出番かの~」
並んで飛行する。るレブラントの上で、首をコキコキ鳴らしたオーダイは、好好爺と笑うと、『聖弓』の力を解放。瞬く間に数百もの魔物を、一瞬でロックしていた、
「さて仕事をせねばは」
数度矢を放つや。ドサドサ魔物が雨粒のように海に落ちていく。こうして初めてオーダイの実力をその目に見てしまうと。呆れるほど凄まじい能力である。
「むう……100ばかりうち漏らしといたぞ。お前達の準備運動がてらにな、まあ~頑張れよ」
実にオーダイらしいハッパの掛け方だ。誰しもが苦笑していた。
「ちぃ~やるか」
楽しそうに笑うバローナの背に、抱き付きながら、メルディスが頷いた。
「来ました!」
迎え撃つべく。護衛の三個小隊が三方に旋回を開始した。
━━その時、オーラル達の遥か上から、急下降してきた魔獣がいた。
顔はコンドル、ライオンの体、背に翼を持ったグリフォンであった。
「ほ~う」
それを見るやギラムは、左目の力を解放する。周りから見るとグリフォンは勝手にギラム達の竜の横を通りすぎて、何故かそのまま海に墜ちていく。そのように見えたのだが、
魔眼の能力。幻夢の一刀により、グリフォンは斬られた。そして死んだと思わせるほどの強い。幻を見せた。ただそれだけの話である。
「ほう~腕を上げたな。あれは任せるぜ」
オーダイが顎をしゃくると。さらに二匹のグリフォンが、此方に急降下始めた姿であった。
「承知した」
オーダイと出会ってから、ギラムは変わった。自信満々に不敵に微笑していた。
「壱の型奥義、月夜」
ルルフは刺突の構えをとる。弓を引き絞るような構えから繰り出す技、エドワルド流槍術にもある『神を貫く』(グングニル)を剣の技として、再現した技である。
━━グリフォンと交差した瞬間、眉間を貫かれ。大きな穴から血を吹き出し。絶命させていた。
隣では、エフィが同じ技で、一体を倒した。
無数に集まる魔物に向けて、バローナは次々に風の刃の魔法を放ち。グリフォンの翼を切り裂き、落としてくと、留めとばかりにオーラルの炎玉が、回避したグリフォンを焼き払う、
父リブラの操る腕に併せた。オーラルの見事な魔法。二人の息の合ったコンビネーションで、瞬く間に魔物の群れを減らす手際には。リブラさえも舌を巻いていた。
「面白いな新しい魔法か……、覚えた」
ニヤリ不敵に笑ったリブラにはある特技があった、ラーニングと呼ばれるスキルで、魔法や技など。一目でも見れば記憶して、自分の物と出きる凶悪な物だった。
シニカルに悪人が浮かべるような笑みを浮かべた。
「オーラル。バローナお前達の今の魔法気に入ったから貰うわ」
そんなこと突然言われても、意味が分からない。二人は首を傾げていた。
「邪魔だ!、魔物ども食らいやがれ、創作魔法風炎のドリル」
左右に作り出した魔法を。二人の見てる前で合体させてみせたリブラに驚愕の眼を見張る二人、
リブラは軽く笑い飛ばして。凶悪な三日月の笑みを張り付ける。竜王ブライムの眼前に集まった数体のグリフォンに向けて放つ━━、
無数の風炎のドリルが現れるや。魔法の矢のように、グリフォンに向かう。
グリフォンが慌てて回避した。
「甘い」
魔法は何故かグリフォンを追尾して行き、逃げ切れず貫いていた。
「おいおいあれの何処が、俺の魔法なんだよ……」
顔にぼうだの汗を流していたバローナは愚痴る。
グリフォンは被弾した瞬間に。内側からも燃やされ。なすすべもなく、落ちて行くのだ。
「あれはいったい」
二人は唖然とした。
「なっ、なあオーラルもしかしてお前の親父、今魔法を創作ってなかったか……」
ニィ、凶悪な笑みを浮かべるリブラは、バローナに向かって、
「昔からよ~。魔法なんて一度でも見れば、簡単にコピー出来たのさ、でも最近はよ~。コピーした魔法を合成して使うのが俺の流行りな」
「……いっ、いやいやいや流行りとかで、魔法の創作なんて出来ないですから」
力一杯バローナが否定したが、リブラに対して敬語になっていた。
一方リブラは、軽く肩をすくめると何時ものシニカルな笑みに戻っていた。
「普通はな、お前達は知らないだろうが、魔法に使う魔力を等しく見れれば、ま~わりと簡単に合成出来ちゃうんだぜ~」
我が子には負けられぬと、意気揚々と言われてしまい、二人の顔がひきつっていた。




