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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
冒険者ですが何か?
102/123

狂喜の双子・人造神計画



━━━翌日……。



早朝にも関わらず。叩き起こされたエル・フィアンは、不機嫌な顔を隠さずに。エドワルド公爵の屋敷を訪れていた。




オーラルの後を付いて、離れを訪れていた。



昨夜は戻らないオーラルの代わりに。せっかく魔王ピアンザと。魔法談義をしていたのだが。


本当なら、今日は新しい魔法の練習でもしようと。考えていたのだがと軽く文句をいいながらも。

何だかんだ優しいエルは、オーラルの話を聞いてしまう、ひと通り話を聞き終えたエルは、


「なるほどね……」


半分納得して、半分は仕方なさそうな顔をしながらも、少しだけワクワクが隠せず。興味深そうな眼差しを覗かせていた、やはりと言うか、義父ケイタに変なところ似たのか、魔法や魔道具に関して、好奇心があるようだ。



さらに言えば、バローナとメルディスの二人の様子を見て、別のことに対しても興味ありそうだった、


オーラルはそっとため息を吐くと。

エルはじっとりとした眼をして、二人の観察を始めていた。



何となくエルに見られてることには。気が付いて居て、メルディスの方は、心地悪そうだ。



しかしメルディスにとって、人と再び関わることは、実に千年振りであった。千年前と最近の記憶は多少あったが、三体の人造神は地下施設にて、眠っていたはずだからである。



今はまだ人に見られ慣れてないからか、メルディスにとって余計な緊張を感じていた、だからではないが、バローナに助けを求めた。



急に後ろから抱き付かれた格好のバローナは戸惑っていた。自分の胸中に今まで感じたことのない。妙に心がふわふわしていたのだ。


「……オーラルのクセに。こんな朝から呼ぶから、何事かと思いましたが……、一応昨日気にしていたあの魔導兵の術式を。軍師デーアから、写しを預かっています。これは後日私なりに分析してみますから」


「そうか、でもケイタにも写しは渡せよ」


「………はい」


仕方ないかと言った感じだなエルは、



その合間もバローナとメルディスの二人は、自然と見つめあっていた。


「あっ……」


エルの顔が、妙に赤いのが気になるが……。


何を読んだのやら

……。


それはさておき、昨日の会話も読まれたかな?。


チラリこっちを見て来たから。肩を竦めていた。


「ひとまず……。メルディスのことは、エルに任せるよ……」


問題は、7神官の1人。マローダと呼ばれる。元赤の民の事だ……。





━━昨夜。



メルディスからとても信じられない話を聞いていた……。


「元古代の民が……」


変異したのが、そのマローダと名乗る元赤の民。異形の存在のことである。



「ひとまずメルディスの問題はエルに任せるとして……」


オーラル達はこれから、人造神の討伐だけをやることだけではなくなった。それだけは確かであった。



(方向性は、ある程度までならば決まった)


自分で予測していたことだが、神話の話までになると。オーラルにとっても。非常に重い内容であった。


(まさか魔導師の塔が、赤の民によって作られた施設の一つだったとは)


現在知られている『魔導師の塔』とは、


50階層からなる。塔のダンジョンである。



最上階は、限定的な空間魔法によって。広域空間になっているそうだ、


最上階は、魔法使い最高峰の称号『賢者』と呼ばれていて。ギルドから毎年莫大な資金が与えられる権利と。


自分達の好きな季節、地域を産み出して。個人の研究室が与えらる。


オーラルが問題にしてる。塔のギルドとは、『賢者』の下にいるもの達のことであった。



上級議員16名からなる上級魔法師、


下級議員の最上魔法使い32名によって、運営されていた。



塔の外町は、交易の為に作られた町である。まさか数万もの人が暮らしていたとは知らなかったが………、



━━その他。


塔内にも町があって、


五階の下級町、


十階中級町、


十五階上級町とある。


二十階にはギルド本部があって。上級魔法使いになるための試験はこの階層で行われていた。



二十五階の中層に住むには、貴族の身分か又は下級議員である必要があった。所謂貴族町だな、



その為もあるが、魔法使いの多くは、プライドが非常に高く。高慢な性格になるようだ

。

オーラルも初めて耳にすることが多かった、



塔を有するギルドの実情には、頭を痛めた。所領こそ少ないが、しかし塔を有することで、ギルドは、大国と何ら変わらぬ戦力を有していることが分かった。



「問題はまだあるのだかな………」


ただ皆で、人造神と戦い情報を集めればよいと言うものではないようだ。



件の魔人マローダは、現在も塔にいる可能性が高い、それに気が付いたデーアとバローナは、魔法使いギルドに探索出来ないかと申し出た訳だが。




魔法使いギルドからは、強い拒絶を示して来たことだ、


「今の状況が分かってないのか………」


あの塔のダンジョンは、見た目以上にやっかいな場所にある。





バローナから改めて、デーアのことを紹介されて、デーアが元塔の上議員の魔法師であったこと聞かされた。



その関係もあって、塔とギルドについて、詳しい話を聞けた訳なのだが………、



魔人探索のためには、上級ダンジョンに潜る必要があるかもしれない。



しかし魔法使いギルドにしたら、無関係の他国の人間に。ダンジョンと権力と魔法使いの秩序を荒らされたくない。そのための拒絶らしい。



難しくも自分勝手な話ばかりだ。



問題のマローダが、塔の地下に研究施設を作ったそうだ、



地下施設は、十階まであって、メルディスが知る限り、実験施設があったことは知らないが、開かずの地下室があるのは知っていたそうだ。


「メルディスが覚えていました。25階層付近の森に。人造神の失敗作が、解き放なたれているそうです」


「オーラルそれは………」


これは今すぐにでも、塔にも知らせるべき話であった。果たして信じてくれるかは分からないが、



最悪なことは、それだけではない。



オーラル達が、マローダを、いかにして倒すか、これが問題だ。


「私達人造神は、マスターの命令には、逆らえませんわ。彼が手にしていた不気味な武器に触れられただけで、自我の大部分と意識すら失いました、ただ彼の命じるままに動く、それこそが喜びと感じていましたの」



と言うことは━━。




今のメルディスは、マローダの命令に背けていると言うことか?。


「ある意味、オーラル様の言われる通りですわね」


そっと吐息を吐きながら力なく。頭を振るう。


「今の私は何故か、女神の力を一時的にせよ、失った状態ですもの、いつまた自我を封じられてしまうか………」


青白いメルディスの横顔をみている限り、嘘は言っていない気がした。


噂に聞いたバローナとエドワルド公率いた魔導兵(ゴーレム)があったこと。どうにか黒竜を倒すことが出来たからなのか。理由は定かではない。



本来のマローダの命令では、もしも黒竜が危なかった場合は、ファレイナ公国を目指すよう言われていた。


━━しかし誤算が生じた、


メルディスは、未だに人間の心を喪わなかったこと。女神となった後も。命令に抗い続けてたことで、黒竜からの着地を失敗した。


本来は女神の力である。絶対防御を使う間もなく。頭から落ちて、打ち付けた強いショックで、命令がリセットされてしまい。



今は人間の姿を仮初めに取り戻したと。オーラルはそう見ている。




━━━事の次第は、ミザイナ女王、エドワルド公のみ知らせ。エルとメルディスのことの了承を得た。




━━昼過ぎ。



オーダイ将軍、ギラムが、道化の死体を持って、帰還した。



その為。王宮は騒然となった。


「三日後には。準備を整え、軍国の首都を目指します」


会議は、道化の検分が終わるまで待たされ。



昼食後。大まかな情報が集まり。報告会が別邸で行われた。


「では頼んだよオーラル」


ミザイナは神妙な顔を作るが、唇に笑みがあった、三体の怪物脅威が、取り払われたからもあるだろう。



翌日、世界会議に知らせた。



━━結果。三体の怪物と言う脅威が去ったとはいえ。黒幕の魔人が存在することが分かった以上……。本質的な脅威は取り除かれていないとの決定である。



その調査をオーラル達は命じられた。同行を頼んだのは南大陸を旅し慣れてる。土竜騎士数名と。ファレイナ公国から剣将ルルフ、エフィ両名が護衛名目で付いてくることになった。





━━━━━━━━




━━エル・フィアンは、女神メルディスの事があるので、デーアと共にファレイナ公国に残ってもらうことになった。



そのせいかミザイナ女王が、オーラルと面識ある。二人の剣将の同行を申し出たのだ。


「オーラルさん。おひさ~」


ピョコピョコ手を振る。お気楽剣将のエフィ、


「ちょ、お前な~」


慌てる生真面目な剣将ルルフの二人とは、手合わせをした経験がある。



あの時より当時よりも数段腕を上げたようだ、オーラルも感心していた。


「お嬢さん達~。可愛いね~。今度の仕事が終わったら、一緒にお茶しない~」


ニヘラだらしなく相互を崩し、軽薄な顔をして、馴れ馴れしく。二人の肩に手を置くいた。


嫌そうな顔を浮かべる二人が、手を上げるより早く、



ピキリ青筋浮かべたエルは、神速の杖さばきによる突きの速さは凄まじく、


ドス……、


「うっ……、お前…、スタッフの先は………」


冷たい眼差しで睨むエル、剣将二人もが、青ざめた顔をして、プルプル震えて抱き合っていた。



ちょっと……、エルも貫禄出たかも。などと考えてると、


「うむ、なかなかの腕前だな」


妙な事に感心するピアンザ。そう言えばそんな奴だったと、苦笑を洩らしていた。




━━━━━━━━




━━翌朝……。


用意されたニ台の馬車で、オーラル一行は、国境の街ローン経由で、軍国の首都を目指すことになった。




━━軍国ローレン首都。





━━廃墟の城。


破壊された王座に座して。中央大陸の異形の魔人マローダは、三体の怪物からのリンクが切れた事に。多少の驚き苛立ちを覚えた。


『所詮は、人間を使って、人造神にしたに過ぎぬか……、使えぬな……』


金目を細め。禍々しい欲望を、表に宿す。


『まあ~いい。神の遺物を持つ。人間がいたのは、予想外だったが、我の実験には丁度よい話だ………』


肉食獣のように、牙を剥き出して、ほくそ笑む。




━━カツン……、




杖を。石畳に打ち付けると。



━━魔人の足元に、禍々しい魔方陣が現れた。


赤錆た鎖に。全身を封じられた双子の青年が、古ぼけた棺桶の中にいた……。


『なかなかの素質だったが……、所詮は人間よな………』


ニタリ嫌らしく笑い。虚ろな目の双子を。覗き込むと。完全に意思の光が消えてるのを確認した、



マローダが手にした禍々しい杖の柄には、不気味な蛇のミイラ=バシリスクが巻き付いていた。



━━100年間ほど、魔獣の毒液に漬け込んだ一品である。この杖を生物に触れさせれば、意識を破壊して蝕む強力な呪いが込められていた。



特殊な真っ白い試験管を手にしていた。これはバシリスクの骨を強化に錬金術を使って。バシリスクの毒と神の血とマローダの血を混ぜ合わせることで。強い呪いを作り出すことが出来た。


これは闇の女神カーレルより学んだ。魂の強制束縛(ギアス)を併用することで。自我すら失わせることを可能にした。杖を使うことで簡単にマローダの操り人形が出来上がるのだ。



……呪いと言う毒をたらふく食らい、既に双子の精神は汚染されていた、もはや自我すら失っていた。


『新たなる。破壊の神の誕生だ!!』


狂った盲信の咆哮。



虚ろな目の双子を見つめ。恍惚と笑み。



来たるべく戦いに思いを馳せていた……。



━━オーラル達が馬車を走らせ数日後。国境の街ローンで補給を済ませた。



翌日には出発した、



暗雲が、突如現れて、天気が崩れたたのは、


それから2日目のこと……、




━━振りだした雨を避けるため、オーラル達は、近くの廃墟の集落で、一夜を過ごすことにしたのだが、



雨足は激しくなり、屋根を打つ雨音が妙に気に障っていた。




━━夜中。オーラルは目を覚ましていた。


身体を起こすと既に目を覚ましていたピアンザが、何故か壊れた壁から鋭い眼差しで、雨を睨んでいた。


「何か、気になることがあったのか?」


オーラルの問いに一つ頷き。少し迷いながら、


「六将のグラベル、グラムが、この地にいるはずなのだが……、連絡が取れない。あの双子は、天候を操る能力を持っていた。だから補助魔法を覚えさせ得意としている……」


意味ありげなしゃべり方。如何にも。口下手なピアンザらしい物言いだが……、


聞き逃せない内容があった。


「……あの双子が……、バローナも気になること言ってたな……、自分の国を壊され。復讐を考えたのではないかと……、そう考えると魔人マローダを付け狙った可能性があるか……」


厳しい顔を崩さないピアンザの様子。なるほどと唇を噛んでいた。


「もしや……最悪の事態を招いたか?」


ピアンザの呟きに。ハッと目を厳しく細めたオーラルは、防御魔法の構築を開始する。


驚くピアンザに、


「既に双子が、敵の手に落ちてれば……」


僅かな情報から、ピアンザも理解の光を宿す。二人の魔力は高まりに、勘の鋭いオーダイも目を覚ましてた、


直ぐに異常を感知したカールも集まってきた、


「オーラル~防御系か……、雨に紛れて~、魔力が周囲を囲んでるな?」


普段はお茶らけていて。実に軽薄そうな顔を作っているが、その目は鋭く研ぎ澄まし。皆に補助魔法を掛けて回る。ピアンザが意外そうな顔をして、カールに視線を向けていた。



それに気付いたカールは、


「俺っち回復系の訓練積んでたからさぁ~、僅かな魔力の違いが解るんだよね~」


照れ臭そうに、肩を竦めて見せた。


「確か……、オーラルの同僚だったな……、そうか大地の女神のエレーナ大司教の駄目子息がいたな」


カールはピアンザの呟きを、敏感に聞き取り。思わず苦笑していた。


「魔王~てのは、そんな細かい事情まで知ってるのかよ~」


「そんな所だ」


恐らくそうではあるまい。パルストア帝国はあれほどの大国である。

アレイク王国の黒衣に似た組織はあるはずだ……。



オーラルの表情の変化を。敏感に気付いたピアンザは、その通りだと小さく頷いた。


「これって~、補助魔法の天候系かな~」


補助魔法の最高峰が、天候魔法である。


「風が、強くなってきたね~。オーラルあの雲ってば~、かなりヤバイかな~」


オーラルとピアンザは魔力を合わせて、魔方陣を描き、広範囲の結界を構築していた。



雨音が更に強まり。話し声に気が付いた二人は何事かと、ルルフ、エフィ二人の剣将が、眠そうに目をこすりながらやってきた、同じく訝しげな顔のギラムも装備を整え合流した。


「何事かな?、みんなで集まってさ、どうしたの」


「何か、騒がしいよ~」


寝ぼけ眼のルルフが、エフィの服の裾を子供のように掴んでいた。


「カール、いざとなったら二人と土竜騎士達を頼む。ギラムはオーダイ将軍と、ピアンザは俺と行動を」


他に同行していた土竜騎士達も装備を整えていた。


「あっ、あの~」


困惑してるルルフには悪いが、彼女に説明する暇はない。


「来る……」


オーダイ将軍の緊迫した声に。答えたかのよう、落雷が何度も。何度も。



小屋に落ちて来た。


「結界」


風の属性に分類される雷は、まるで意思を持った竜の咆哮のように、耳打をつんざく。


雷鳴に怯え、耳を押さえ座り込むルルフ、エフィの二人を立たせ。カールが隣室に避難した。



ピアンザは魔王の杖を手にして、オーラルに目配せる。


オーラルは、結界を解いて、


「因子を放つ。地下掘削(アースホール)」


小屋をまるごと、魔法で地下に落とした、


「キャアアアアア~」


「イヤァアアア」


なんて叫びが聞こえたが、気にする余裕はない、ピアンザの掲げた魔王の杖の鎖に繋がれた、三体の獣の内。猿の顔をした雷獣ヌエが解き放たれた、



ピアンザとオーラルは自分たちに落ちる落雷が、結界魔法によって避けながら。小屋から無事に飛び出した四人は、それぞれ近隣の家々を壁にして、駆け抜ける。



落雷は執拗に四人を追い掛け、集落の家々を破壊して行く。


「幻影よ……」


ギラムは左目の力を解放した。自分たちのシャドウが現れ。走り出した。



落雷は、シャドウを追うように、移動を開始した。


「………1人見付けたわい。ちと遠いが、行くかの?」


ギラムの返事を待たず。飄々と走り出したオーダイ将軍。その後をギラムも追い掛けた。



ヌエの背に乗るピアンザは、鋭く遠くを見ていた。


「あれか……、見付けた……」


ピアンザはヌエを駆って、上空を走り出した。


「おいおい……置いてくなよ」


呆れた呟きのオーラルだが、仕方なく補助魔法を唱え。四肢を強化した。更に風の結界を自身の周りに張って、


背後に凄まじい爆発を起こしての大ジャンプ、ついで足元の下方に結界を集束して、一気に空気を爆発させていた。


「グッ……」



━━凄まじい加速がオーラルを襲う、二度目の大ジャンプでどうにかピアンザに追い付いた。


「………オーラル」


流石に乱暴すぎる魔法の使い方に。さしものピアンザとて、呆れた顔をした、


「しっ、仕方ないだろ、色々あってこれしか思い付かなかったんだから」


言い訳を考えてるような口調であった。


「ちょっとアレイクから、ラトワニアに半日で行く用があってね……」


とは言えなかった……。


タイミングを失敗すれば。足がぶっ飛び兼ねない、際どい魔力制御が必要になる魔法だから。オーラル程の使い手でもかなりギリギリのタイミングで魔法を使っていた。しかし挙動が不規則で、それが幸いして、落雷を回避出来てるのだから。


何が効果あるのか分からないものだ。



それから暫くは、オーラルは危険を承知で、重複魔法を使い落雷を避けてピアンザの後を追った。


「……オーラルらしいな……クス」


ピアンザは小さく笑い。懐かしそうに、目を細めていた。







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