↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
冒険者ですが何か?
101/123

人造神とその結末




━━ファレイナ公国。




━━時は、神々の神器に選ばれし冒険者が、ファレイナ公国の港に到着した頃に戻る。




港に近付く海中船を発見した人々は、思わず二度見したほど、大層驚いたと言う。



そもそもいきなり暗色に染まる海。視界の悪い曇り空。しかも海中より船が現れたのだ。度肝を抜かされたはずである。



━━その日。




前日に到着していた。護衛役の兵士達は、豪奢な大型馬車を港に運んでいた、そして英雄達の到着をいまかいまかと待っていた。見張りの兵の報告を………。





ファレイナ公国のミザイナ女王は。此度のことに精鋭の剣士達を護衛に送っていた、民

は何事かと。海と港にある兵士の詰所ち注目していた。対して護衛役の剣士達と違い。見張りの兵はそこまで注意はしていなかったので、船は見当たらないとの報告が重なり。くつろいでいた。


「おい大変だ?!」


護衛役の剣士の一人が、慌ただしく事務所に駆け込んできた。


「おいおいどうした。そんなに息を切らしてよ、大丈夫か?」


「そっそれどころじゃない。急げ。使者の皆様が到着した」


「はぁあっ?、冗談はやめろや見張りからはそんな報告なんて……」


「しっ失礼します、見張りから海中から突然船が出現したと」


「…………………………………………」


「…………………………………………」


二人は顔を見合わせていた。



━━多くの人々が、港に集まっていた。



多くは、港の仕事に着いていたもの達である。他国とは違いまだ海側は穏やかなファレイナ公国の港に、



慌ただしく護衛役の剣士達がやって来た。全員が乗り込んでも余裕のある大きな馬車であった、


「おっ、お待たせ致しました」


「護衛役の方々ですね?」


「はっ、はい」


それぞれ簡単な挨拶を済ませ。海中船に乗せてある保存食、武器、医療品を下ろすようにサミュ宰相が命じて、

早速皆で乗り込み、首都に向け。一同港を出発した。




━━数時間後。




窓際で、呑気に風景を見ながら、揺られていたオーダイ将軍の隣にギラム、

前の席に魔王ピアンザとオーラル准将、後方に配下のエル・フィアン少佐とカール中佐、その後ろにサミュ・リジル宰相と補佐官が座っていたのだが……、




━━━いつの間にやら隣に座っていた筈のオーダイ将軍か消えていた……、


「なっ……」


唐突の出来事に。隣に座っていたギラムが驚いていた。


「将軍はいったい…………」


確かに……。


今の今までに隣にいたはずである。思わず辺りを伺い見ていると、オーラルと目が合った、気まずいながらも。思わず睨み付けるような眼差しで問うていた。


「お前では……、まだ見切れなかったか、将軍ならば、宿場町にいた『道化』(クラウン)を見つけたようだ」


ため息一つついて、仕方なく。肩を竦めながら答えてやった。


「………まさか、町に入り込んでいたのか?」


「ああ……、その為の策は用意してあったのだが、この分では必要無さそうだな」


あきれ果てたピアンザの物言いに。ピアンザも気が付いていたことに。気が付いていて、ギラムは戸惑いを隠せない。


「あの御老体は、其ほどの?」


オーダイの実力を、いまいち把握出来ていないようだ、


それもある意味仕方ないことだが……、


「あの御老体はなギラム……、ナタク以上の実力者だ」


ピアンザの珍しくも素直な賛辞に、ギラムは顔を強ばらせていた。


「そんな、まさか……」


信じられないと首を振る。


「気になるなら、付いてくといい。この通りの先にまだいるから」


何でも無いことのように。ピアンザは呟き、その目は今も、遥か先をゆったり歩む、オーダイの姿を捕らえていた。



一瞬。何を言われているのか分からず戸惑っていた。が、直ぐにピアンザの言いたい事が分かった。ギラムには……、

まだ迷いがあった。自分が何故ここにいるのかを。


……何故、神器の一つである。『聖騎士の剣』は自分なんかを選んだのか………、


また恋人のこともあって、胸中は複雑であった。


「俺は構わないと思う。城に行っても正直な所。このメンバーなら俺とピアンザが顔を出せば、済む話だからな」


何でもないことだとオーラルが言ってくれた。結果ギラムの背を押していた、


「……今は、その言葉に甘える」


一瞬躊躇したが、やはり複雑な顔をして、迷いを抱えながらも。馬車から音もなく外に飛び出していた。



……わだかまりはまだ消えた訳ではない。



ピアンザと目が合った……、


自分たちとて、付き合い方を、未だに模索してるのだから……。



二人のギラムとピアンザの目は、苦笑を交わし合っていた。




━━━城下に近い。一つ手前の宿場町。



馬車が森に入った瞬間。オーダイは視線を感じていた、


「ふむ」


嫌な視線が気になりチラリオーラルに視線を送ると。魔王ピアンザまでが、此方に視線を寄越してきた。


(ほほ~う二人も気付いていたか、これはこれで面白いものよの~う、流石は魔王といった所かのう)


では遠慮なく行かせてもらおうか、楽しげ微笑しなが。自身の存在感を徐々に消して、気配を無くした。



驚く。視線の相手とギラム、僅かに動揺を誘ったようだ。


(相手は何者か分からぬが、よっほどの相手と見たわい、)


扉を開けることなる。馬車の外に出ると、オーダイは気配を探った……、


(ふむ)


ある考えに至る。恐らく道化であろうか、どうやら広域に気配を広げる察知能力と。人の中にいて、人に似せ気配を薄めさせる能力を持っていたようだが………、


オーダイの察知能力範囲内ならば意味はない、直ぐ様相手を察知する事が出来た。




━━オーダイは元々。一流の猟師だった。この手の狩りは得意中の得意であった、


相手の意表を突いて、僅かな動揺させてから、何処獲物が居るのか見つけていた━━━、




━━成る程と、小さく笑み。


(なかなか面白そうな獲物を見付けたのだ、存分に狩りを楽しまなければの~う)


オーダイは高揚していた。




オーダイは軽く馬車の屋根から飛んで音もなく着地する、


それから馬車から出たと同じ能力『瞬動』(しゅんどう)と呼ばれる。能力を使って、視線の死角に飛んでいた。この弓の能力は、己が見える範囲ならば。空間を越えて、移動出来た。なかなか使い勝手のよい能力であった。


(さてさてどうするかの~う)


オーダイのもつ神器である。『神の弓』の力は、主に4つ。


『浮遊』(ふゆう)


『瞬動』(しゅんどう)


『固定』(ロック)


『無限』(むげん)であった。



オーダイはそもそも、生まれつき。見える範囲意外の動きが感じられるといた、気配察知の能力があった。



━━それは……、今まで、幼き日より猟師として、森で生活するうちに身に付いたスキルだと思っていた、



のだが………、オーダイの察知能力とその範囲は、人知を軽く越えてると、最近になってオーラルに指摘されて、


ああ~そうかも。と納得したものである。



だから少年次代の事を思い出したのだが……、



その頃には、気配察知の能力を使いこなしていたのだなと思う、



だから当事、幼いオーダイは、森に入った瞬間から。森で生活する。あらゆる動物の気配を感じていて、何処に何が居るのか、手に取るように分かっていた。オーダイは最近まで、それが当たり前のことだと思っていた。しかしオーラルに言われるまで、それが特別なことだと理解していなかった。



━━当初オーダイは、王の命令とは言え。三体の怪物討伐など。また面倒な……、しかし仕方なく参加したのだ………、



これが中々面白そうなメンバーに、思わず膝を叩いていた、珍しく国王に感謝すらしていた。


「魔王か……。まさかヒザン殿の子息であったか、あの者はオーラル並みかのう、それにオーラルの部下二人。あれは尖った面白そうな逸材だ。育て方に依るが、オーラルに比肩しうる可能性もあるか……、ん?」


僅かな気配の揺らぎを、背後に感じていた、


(ほほ~うそうするか)


思わず笑みを深めていた。


「緑眼の騎士か。素質は群を抜いているが。いかんせん甘すぎる……、魔王辺りの入れ知恵かの?」


足を止めて、しばし待っていると、長身の目立つ若者が現れた。


「遅かったの~?」


指で、左の耳をホジホジ。フーっとゴミを払う、嫌そうな顔で、流れたゴミから身を交わす。色々聞きたそうな顔をしとるが、あえて自分から何か教えるつもりはない。あやつら二人も、もがき苦しみ。未だにあがき続けいた。



そして厳しくも辛い英雄等と呼ばれる。切り立った崖をまさに命懸けで切り開いていく道だ。


まだまだ目の前の青年を青いなと鼻で笑う。



オーダイのそんな態度に。見るからにムッとしたとギラムに。オーダイは鼻を鳴らしてから、背を向けてゆったり歩き出した。


「ちょ……」


仕方なく。またはとりあえず付いていくか。ギラムはそんな心構えかの?。



やれやれ骨が折れるわい。内心嘆息していた。




……そして、



時は竜が、落とさせた時に戻る……。




━━道化(どうけ)は、竜から転がり落ちて、慌てて逃げる振りをしていた。


自身を大狼(ベオルフ)を演じて、姿まで変化させるや。人間の集落を目指した。




━━途中で。女神の気配が、消えてしまい、眉をひそめたが、


歩みは順調で、小さな集落を間もなく見つけた。



━━早朝……。



たまたま家から出てきた若者を、背後から襲い。殺してから姿を奪い演じた。



若者は毎日、集落で決められた。荷運びの仕事に付いてた。その事が、項をそうした、


ついでに荷運びように飼われていた。馬を殺してから、道化は自分の両足を切り離して。自分の体を殺した青年に合わせた。また両足を使ってそれぞれ馬と大狼を演じさせ。馬には納屋にあった古い馬車を繋ぎ、青年は御者になって身分を誤魔化すことにした。駆って、大狼には森を行かせて、偵察させることにして、道化は演じる若者の姿を使って、安全にファレイナ公国を目指すことにした。



国境にあった検問を抜けて、苦もなくファレイナ公国に入り込んでいた。



道化は大きな町に入り込むと。町に溶け込んでいた……、


見た目は何処にでもいるぼくとつとした。田舎の青年である。朗らかに大麦を商店で売り払い、多少の金を手に入れて、



千年振りの食糧を確保してから、あらためて道化は考えていた。


『主の願いは、近隣の国々を瓦解させることだ』


主は言っていた。


『この世界は我がしる世界と異なりつまらない』


と、自分が知っていた世界とは、騒乱の世界であって。神々の代行者として、好き勝手にしていたのだ。それが下等な人間が、大きな顔をしていたこと、魔王が代替わりしていたこと、あまりにも平和すぎていたことだ。



人間の情報を得ることは、道化の能力を使えば容易いことだ、今も道化が見ている町の人間から話を聞く内容は、主に自動的に知らせることになっていた。


(主は言っていた、もしも黒竜が倒された場合)


道化はなるべく地位ある者として。入れ替わる必要があった。


ぼくとつとした若者を疑う人間はいない。田舎から出てきたいかにもな若者の様子に、好感を持って、色々と教えてくれたのだ。



それから間もなくのこと。道化が数日町に潜伏していると。



━━黒竜が討伐されたと聞いた、



流石に驚きを隠せなかった。


「明日。なんでも各国の有力者がファレイナ公国に、集まるってよ」


道化は、酒場で安酒をちびり飲みながら情報を集めていると。そんな噂が広がっていた、


思わず道化はほくそ笑む。おあつらいむきの有力者の情報である。チャンスを伺い、その中の1人と成り変わることに決めると。



酒場を後にして、再び町に溶け込み。機会を伺うことにした……。



……若者に化けてた道化は、馬に化けさせた足を。別の人間に化けさせて移動させた。



その間に偵察に出ている大狼には、分体のこと見張らせ。自分を追跡している。二人を襲いどうなるか、見張らせることにした………、



上手く行けば、追跡者と成り代われるなとほくそえむ。



━━最悪。両足を失ったとしても。いずれ両足分の体積は元に戻るのだ。


自分は生き残る事が目的の道化である。内には強い生存本能を持っていた。



分体が移動したことで、追跡者二人は、直ぐに騙され分体に向かって移動していく。



隠れていた道化は、急いで離れようとした瞬間。再び動揺していた。



「なんだと?!」



━━僅か数瞬で、両足が消えていた。


「馬鹿な……、そんなことあり得ない……」


忘れてた恐怖心が、ムクムク沸き上がる。あの気配が再び消えた。悲鳴を慌てて飲み込んていた。



手汗をかいて、道化は、主からの命を忘れていた、ただここにいるのが無性に恐ろしかった。


もう主の命令を忘れ。ファレイナ公国から逃げるべく。空に飛び上がった。



━━刹那、



さくさくさく


「えっ………?」


自分の核を貫いた、銀の細い金属を、不思議な顔で見ていた、


「ばかな……」


道化は絶命していた。


「ふむ他愛ないのう、まあよいか、ぬしはあれを、持ってきてくれんかの~?」


血の気を失い、力量の違いを目の当たりにして、ギラムはただ。首を縦に動かしていた。


「ラグラド程ではないが……」


幻の魔法を得意としていたギラムは、一度オーラルに受けた怪我で、右眼の力を失っていた……、


「こんな魔眼の使い方もあったのか……」


そのお陰で……、相手をただ魔眼の力を使って、ただ相手を殺す力を用いずともよいと知った。ギラムは相手に幻術を見せることが出来るだけで。このような手段が、可能になるとはと………、


(まるで弟の神の眼に似ているか)



神の目とは、物事の本質だけを見る能力であるが、持ち主の魔力次第では、自分に放たれた魔法であっても。魔法や現象。使い方によっては、怪我すら無かった事に出来てしまう。強い能力であった。使い勝手は悪く、燃費も酷いからギラムの魔眼に比べると。

使い勝手の悪い力であった。



僅か数日のことだがギラムは、自分の剣の腕が上だったことに気が付いた。



まさかオーダイ将軍に助言されて、受け入れただけでこれであった。



だがオーダイ将軍から指摘され自分の弱点も知った。絶対的な必殺の魔眼とて、弱いと思っていた幻影の魔眼とて。使い方と状況によるのだと。



今までは剣の腕に、自信があった。魔眼を切り札としていた、性格から真っ向勝負事を好んでいた。



緑眼の騎士等と呼ばれてはいたが、所詮は敗北者だったのだ……、


「まさかこんな簡単に、上手く行くとは……」


ギラムは、オーダイに言われた通りにしただけ。頻りにりに首を振りながら、狐につままれたような顔をしていた。


「人間にはのう。向き不向きがあるのじゃよ。お前さんの本質は真っ向から戦うには不向きじゃった。不運なのはそれを可能にしてしまった。中途半端な力量あったことで、邪魔をしていたのじゃよ」


こうまで結果が出されればその通りなのであろう、

返す言葉もない。


項垂れたギラムの肩を叩きながら、


「あの二人は別格じゃて、自分で、自分の本質を知ることが出来るものはのう、人は天才と呼ぶ。お前さんはそうではあるまい?」


「はい……」


その通りなので、悔しいが唇を噛みしめていた。


どうにか自分の中の葛藤と折り合いを付けてつつ、ギラムは指を鳴らしていた。すると森が消え失せ。ただの荒れ地に戻っていた。そうギラムの幻術眼の力を消していたのだ。




━━すると辺りに見えていた森所か。遠くに見えていた宿場町。遥か遠くに見えていた城や。はたまた街道も何もかもが、消えていた。



それどころか急に。辺りは明るくなっていて。太陽が登っていたことを知った。


「実に見事なものじゃな、お前さんは十分。あの二人とためを張れる才能があるわい。精進するがよい」


「はい………、ありがとうございました………」


生まれて初めて。ギラムはピアンザ以外に。頭を下げていた。自分の本質をあっさり見抜き。ラグラドの十八番である。幻術こそが自分の才能を生かせる力であると。ようやく認めた。



こうなってしまえば分かる。ただ自分はラグラドを守る為だけに剣を選び。騎士等と呼ばれていたことに……、


(確かにそうだ……、ラグラドに対しても遠慮していたのだな俺は……)


今なら分かる。自分を省みないようにしていたことを。



━━魔眼にまさか……、



一人に見せるのではなく。相手意外の範囲を固定することで、空間を幻惑させて、幻の空間を作り出すことが可能だと。考えもしなかった、


(あれはまるで……………)


本物のように見せることが出来た……、



それもあれもこれも。『聖騎士の剣』があったからこそだ、この剣の能力は、使い手の能力を補助することだ。


『聖騎士の剣』とは。


剣であるが、媒体であり、


あらゆる磨耗に耐えうる杖である。


さらに剣に宿る。狂喜の女神ルグワイトの力は……、



幻影能力だ……。ギラムの魔眼の能力と相性が良かった。


強力な力を手にした感覚があった。


「時間的感覚までが、ずれるのが問題ですね」


率直な意見に。オーダイも苦笑を滲ませていた。


「まあ~たしかにの」


幻影空間を制御している間は。空間と同じ景色を見てた、その為に時間の感覚がずれてしまうのは確かだ、



━━二人は宿場町に入り込むと。気配を追っていたが、直ぐ宿場町から郊外に出たと分かる。



その瞬間から、オーダイに言われてギラムは様々な助言を受け入れて、道化に気付かれることなく。どうにか罠にはめて、惑わせることに成功した。


当初オーダイに言われるまま、自分の能力について話していた。


「ふむ幻影の魔眼か、使い方によっては面白いのう」


を使って、時間だけ最初狂わせることになった、



━━初日は、道化を見付けると徐々に時間の感覚をずらしていった。



━━だが、ギラムが思うよりも容易く。道化は幻影にはまりこみ。時間の牢獄に入っていた。



そうなると次に視角。聴覚。感覚。作り出していた分体すらも騙せていた、



━━三日目には、道化を荒れ地にまで移動させた、



次第にギラムは自身の能力を理解していった。



今までこれほど幻影の魔眼を使ったことはなかったが、魔力の消費も少ないため、直ぐに回復して、常時幻影の魔眼が使えることを知った。



初日こそ気を張っていて、自身の変化にも気付かなかったが、この三日でごっそり。魔力を失っていたようだ……、


「ラグラド……、俺は…」


高揚が胸中に広がった。死体を担いで、二人は、オーラル達のいる。ファレイナ公国の都に急いだ。




━━ほんの半日。



王座の間から、オーラル達が退席した時に戻る。


「ちょっと良いか……、オーラル」


バローナが、困った顔をしていた、何とも言えぬ。笑みすら浮かべて。何かある……。


エル、カールの二人に先に戻るよう伝えた。


「構わない……」


と答えると、見るからに安堵した様子のバローナ、



何となく予期せぬ事が起こった……、そう認識した。



バローナが案内したのは、エドワルド公爵が公務で使う屋敷で、バローナとデーアは、離れを借りてると聞いた。


エドワルド公の屋敷に、人の気配はなく。


使用人まで居ないのは……、


「地下は物置と。牢屋がある」


何となく。話が見えてきた。




━━バローナの話によると、



黒竜討伐後。間もなくのこと……、


『バローナ様。人が倒れております!』


戦場に人?、違和感があったが、女の子が、頭から血を流して、倒れていると聞いて、その女の子を見たら……、ほっておく訳にはいかなくなったのだと言う。


オーラルとてその場合は、同じことした可能性は高い。



バローナは一度国境の街ローンに戻る予定だったので、一応バローナの屋敷に運ばせた。


「目覚めた女の子は、自分を女神(めがみ)と名乗った……」


「…………そうか……」


厄介な事になったな、胸中で複雑な思いを抱えながら、バローナと供に地下に降りてく。



━━清廉な、強い魔力を感じた、




━━まるで神殿に詣でたような。清らかな気持ちにされた。



三人は、一番奥の牢屋の前に足った。



鉄格子の代わりに、牢屋には強力な結界が張られていた。



改めてオーラルは牢屋の中を見れば、髪はブロンド、物憂げな顔立ちがなんとも、保護欲を抱かせる美しい少女が座り込んでいた。



彼女は落ち込んだように膝を抱えて、備え付けの固いベッドに座っていた。


「あっ………、バローナ様♪」


バローナの顔を認めると。安堵を浮かべる女神と呼ばれる少女を見ていると、バローナは気遣わしそうな眼差しを女神に向けていた、



昔の姿からは想像できない。優しい眼差し、見たことないような優しい笑顔すら浮かべていた。


「惚れたか……」


「なっ……」


真っ赤になって、動揺しまくるバローナ、困ったようだけど、ちょっと嬉しそうな女神の姿に。


「これはまた厄介な……」


天を仰いだ。



女神=メルディスは、人間だった記憶を残していた。



彼女は、女神の力を発動してる間は。あらゆる魔法。あらゆる武器の攻撃をカウンターする。絶対防御(リフレクター)と言う能力を有するそうだ。



彼女は光の女神の遺物。その一部を体内に埋め込まれた被験者だと言った……、


「話は解った……、可能かは分からないが、エルに彼女を任せようと思う」


「エルとは?、お前が連れて来たあの女の子のことか」


訝しげに目を見張るバローナの顔に。言い知れぬ陰が落ちる。


「驚き、不審に思う気持ちは判る。だがエルは、お前とも縁がある。宮廷魔導師筆頭ケイタの義娘で、次の筆頭になる予定の子だ。安心しろとは言わない。が、信用は出来る」


ハッと息を飲んで、顔を上げたバローナは、驚きが広がる。


「彼女を侮るなよ?、あの子は心が読める能力があるからな」


オーラルの一言に。今度こそ青ざめる。よろり机に手を着いて、


「そっ、その……」


「……とても彼女は苦労した。お前の動揺は解る。しかし、一国君主になったのだろ、ならば民を背負った以上。割り切るんだ」


彼は、エルの義父ケイタと因縁を抱えていた。オーラルが苦労をしなければならなかった原因も。バローナが作ったのだから━━━。



ぐっと歯を食い縛り、そうだなと力強く頷いた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。