オレたちはGO!!だぜ。
5。はアホの子だった。
難しい漢字も、美しい言葉もしっていた。
夜の、包み込まれるような嘘を愛していた。
ギザギザの歯を見せながらケラケラと笑う。
賞味期限切れの抹茶みたいな、
かわいらしいロングツインテールを、
いつもゆらゆらさせていた。
血だらけで。
コードネーム、5 (GO!!)
ガソリン屋。
5は、まだJになる前の Jと出会う。
『こ、こんにちは……』
『こんにちは。名前は? オレは5。』
『まだ付けてもらってません……』
ビクビクおどおど。
『じゃあ、お前の名前は、J。』
『……僕、Jですか?』
『ありがとうっていえよ』
『!……あ……ありがとうございます』
『J。お前なんでそんなにビクビクしてんの?
そんなんじゃすぐに死ぬぜ?』
ビクビクおどおど。もじもじ。
『オレとダチンコになれ。』
『え?』
『悪い奴に、どうにかされちゃわないように、
オレが生き方をおしえてやるよ。』
———
『挨拶は大事だぜ。はい。こんにちは。』
『こ……こんにちは。』
『気持ちに理由なんか無い。感じてる事、
それが全てなんだぜ?』
『はい。』
『これが正解です。
なにそれぜんぜんわかんねえ。』
『ぜんぜんわかんねえ。』
『これは美しいものです。
やったー。ぜんぜん興味ねえよ。』
『ぜんぜん興味ねえよ。』
『あ?ガソリン撒くぞ?』
『ガソリン撒くぞ。』
———
夜に包まれながら、
ふたりはよくブランコで遊んだ。
『ねえ、5。』
『なんだ? J。』
『どうしていつも輪ゴムを
カミカミしているの?』
『あ。気づかなかったぜ。癖になっちまってるんだな。カミカミ。』
『おいしいの?』
『これはな、夜にひとりぽっちだったから。』
『5が?』
『Jに出会うまでのオレが。』
『今は?もう大丈夫なの?寂しくない?』
『Jを立派なデタラメ野郎にするのに忙しくて、泣いてる暇なんかねえよ。ケラケラ。』
夜のブランコ。
街灯に集まる蛾。
『なあ、J。よく聞けよ。この世は美しいんだぜ。でもクソだ。オレは世界を拒絶するぜ。』
『……うん。』
『ほんでよ、やりたいほーだいやって、
心のガソリンが空っぽになったら、死ぬ。』
『……え?』
『余韻だよ。説明しすぎるのは
美しいとは思わないからな。オレは。』
『……よくわかんない。』
『そうか。まあいいさ。とりあえず笑え。』
『……』
『ケラケラと。頭ゆらゆらと。』
『……けらけら。』
『そうすれば、オレたちは、GO! だ。』
『ゴー?』
『正解とされるものも、悲しみも、寂しみも、
全部おきざりにして、GO!』
『どこいくの?』
5は、ブランコから飛び降りて、
Jの目を見てケラケラ笑った。
『知らねえ。』




