第11章 暗闇の演舞と、壊れかけの朝
その日の朝は、いつものような小鳥のさえずりや、爽やかな陽光と共に訪れなかった。
訪れたのは、濃密な「殺気」だった。
午前四時。
夜明け前。世界がまだ深い闇に包まれている刻限。
俺――クロノス・ナイトレイは、肌を刺すような寒気を感じて目を覚ました。
窓は閉まっているはずだ。暖炉の火も消えている。
だが、部屋の温度が異常に低い。吐く息が白くなるほどだ。
「……なんだ?」
俺は重いまぶたを擦りながら、ベッドの上で身を起こした。
連日の修行による筋肉痛が、全身に鉛のようにのしかかっている。
ティランとの肉体訓練、ヴネナンとの劇薬実験、リゼとの空中戦。
体の芯まで疲労が蓄積し、指一本動かすのも億劫だ。あと五時間、いや、二度寝して昼まで寝ていたい。
だが、本能が警鐘を鳴らしている。
寝ている場合ではない、と。
何かがいる。この部屋の闇の中に。
「……おはようございます、クロノス様」
声がした。
ベッドの足元から。
いつものように「起床の時間」を告げる事務的な声ではない。
低く、冷たく、そしてどこか楽しんでいるような、底冷えする声。
俺が恐る恐る視線を向けると、闇の中に二つの黄色い光が灯っていた。
ノクトの瞳だ。
彼女は音もなくベッドの上に立ち、見下ろしていた。
手には、いつもの銀のトレイも、体温計も、剪定バサミもない。
代わりに握られているのは、鈍く光る二振りの短剣だった。
「……ノクト? どうした、そんな物騒なもん持って」
「起きてください。朝です。修行の時間ですよ」
彼女は短く告げた。
その言葉と共に、全身からどす黒いオーラが噴き出した。
それは比喩ではなく、視認できるレベルの魔力の奔流だ。殺気が物理的な圧力となって、俺の肌を粟立たせる。
「しゅ、修行? 今からか? まだ太陽も昇ってないぞ」 「敵は時間を選びません。夜襲、朝駆け、不意打ち。これらは暗殺者の常套手段」 「それはそうだが……俺は連日の特訓で疲れてるんだ。少しは休息を……」 「甘えは死に直結します」
ヒュンッ!!
ノクトが右手の短剣を振るった。
刃が俺の頬を掠め、枕に深々と突き刺さる。
数センチずれていれば、俺の脳天を貫いていた。
「ッ!?」
「次は外しません。……さあ、立って。庭へ」
ノクトは無表情のまま、左手の短剣を俺の喉元に向けた。
本気だ。
彼女の瞳に、いつもの「ご主人様へのデレ」はない。あるのは、獲物を狩り立てるハンターの冷徹さだけだ。
「……分かった。起きる。起きるから刃物をしまえ」
俺は両手を上げ、降伏のポーズを取りながらベッドから這い出た。
眠気など一瞬で吹き飛んだ。
どうやら今日の修行は、これまでとは一味違うらしい。
俺は震える手で着替えを済ませ、ノクトの無言の圧力に背中を押されながら、真っ暗な廊下を歩き出した。
連行された先は、城の中庭だった。
普段は美しい花々が咲き乱れ、ティータイムを楽しむ憩いの場所だ。
だが今、その美しい庭園は、異様な空気に包まれていた。
闇夜に浮かぶ中庭。
その中央に、一人の女性が佇んでいた。
銀色の髪を夜風になびかせ、腕を組んで待つ姿。
『四律師』レグルだ。
彼女はいつものメイド服ではなく、動きやすい黒の戦闘服(ボディスーツのようなタイトな衣装)に身を包んでいた。眼鏡が月光を反射して白く光っている。
「お待ちしておりました、クロノス様」
レグルが静かに一礼する。
その所作は優雅だが、彼女の足元からは、ノクトと同じ種類の、張り詰めた緊張感が漂っている。
「レグル……お前まで。今日は何の真似だ?」
「最終調整です。ティランとの『基礎体力』、ヴネナンとの『耐性』、リゼとの『機動力』。それらを統合し、実戦形式で運用するための『戦闘技術』を叩き込みます」
レグルは眼鏡の位置を直し、周囲を示した。
俺は目を凝らして中庭を見渡した。
そこには、無数の「壺」が置かれていた。
高級そうな陶器の壺、ガラスの花瓶、素焼きの瓶。大小様々な割れ物が、足の踏み場もないほど密集して配置されている。
「……なんだ、この壺の山は」
「本日の課題です」
レグルが淡々と告げる。
「本日は、この壺を『一つも壊さずに』、私たち二人を相手に立ち回っていただきます」
「は?」
「クロノス様の攻撃には、まだ無駄があります。力任せの大技や、周囲を巻き込む広範囲攻撃は、暗殺の現場ではリスクになります。
狭い室内、障害物の多い路地、人質がいる状況。いかなる環境下でも、対象のみを正確に排除し、周囲への被害をゼロに抑える。それが一流の暗殺者です」
彼女は一歩前に出た。
「無駄な攻撃モーション、余分な足運び、過剰な魔力放出。それら全てを削ぎ落としてください。
そのために……本日は『スキル(因果逆転・影魔法など)』の使用を一切禁止とします」
「なッ……!? スキル禁止!?」
俺は絶句した。
俺の最大の武器である『因果逆転』を封じられる。それどころか、移動の要である『影渡』や、身体強化の『オーバー・ブースト』さえも使えない。
頼れるのは、この数日で培った基礎体力と、純粋な体術のみ。
「相手は、私とノクトの二人。私たちは全力でクロノス様を殺しに行きます。
もちろん、私たちは壺を気にせず暴れますので、あしからず」
「理不尽すぎるだろ!」
「戦場は常に理不尽です。スカーレット様が、正々堂々と戦ってくれる保証などありません」
レグルの言葉は正論だった。
確かに、俺はまだスキルに依存している。スキルが使えない状況、あるいはスキルが通用しない相手に対して、素の戦闘技術でどれだけ戦えるか。それが勝負の分かれ目になる。
「……分かった。やってやるよ」
俺は覚悟を決めて構えた。
武器は木剣一本。
対するは、近接戦闘のスペシャリストであるノクトと、魔法と体術を組み合わせた万能型のレグル。
しかも、足元には大量の壺。一歩間違えればガシャンと割れる地雷原だ。
「今までの修行の成果、私たちにぶつけてください。……死ぬ気で」
レグルの瞳が、殺意に染まる。
ノクトが俺の背後へ音もなく移動する。
「――始めッ!」
号令が出た瞬間、二人の姿が消えた。
フッ、と風が動いた。
視界から二人の姿が消失する。
闇夜に溶け込んだのだ。
照明はない。月明かりだけが頼りの薄暗い庭園で、黒い戦闘服を纏った彼女たちを視認するのは困難だ。
(……気配を探れ。音を聞け)
俺は目を閉じ、聴覚と皮膚感覚を研ぎ澄ませた。
『絶音』スキルを使えない俺にとって、自身の呼吸音と心臓の音がうるさく感じる。
サッ。
右後方。
草が擦れる微かな音。
(そこだ!)
俺は振り返りざまに木剣を振るった。
だが、そこには誰もいない。
ただの風? いや、誘いだ。
ゾクリと背筋が凍る。
本命は左。
ガィンッ!!
俺は咄嗟に木剣を背中に回し、ガードした。
重い衝撃。
ノクトの短剣(峰打ち)が、俺の木剣に食い込んでいる。
彼女は俺の懐に入り込んでいた。
「反応が遅い」
ノクトが冷たく囁く。
次の瞬間、彼女の膝蹴りが俺の腹に突き刺さった。
「ぐっ……!?」
衝撃で体が浮く。
吹き飛ばされそうになるが、足元には壺がある。
踏ん張らなければならない。
俺は痛みをこらえ、つま先立ちで壺の隙間に着地しようとした。
その隙を、もう一人の捕食者が見逃すはずがない。
「上がお留守ですよ」
頭上からの声。
レグルだ。
彼女は中庭の木に張り付き、そこから弾丸のように落下してきた。
鋭い踵落とし。
「くそッ!」
俺は転がるように回避した。
ズドンッ!!
レグルの踵が地面を穿つ。
その衝撃で周囲の壺が震え、今にも倒れそうになる。
「おっと、危ない危ない」
俺は倒れかけた壺を足の甲で受け止め、体勢を立て直す。
だが、その一瞬の硬直が命取りだ。
シュパパパパッ!
闇の中から、無数の手裏剣(のような魔力弾)が飛来する。
ノクトの牽制攻撃だ。
避ければ背後の壺に当たる。
俺は木剣を高速で振るい、全ての弾を弾き落とさなければならない。
「くっ、これじゃジリ貧だ……!」
防戦一方。
壺を守りながら、見えない敵と戦うストレス。
二人の連携は完璧だ。
ノクトが死角から削り、レグルが正面から圧力をかける。
息をつく暇もない。
だが、絶望している暇はない。
俺は思考を回転させた。
目で見ようとするな。感じるんだ。
ティランとの修行で培った「気配察知」。
ヴネナンとの実験で鍛えられた「危険予知」。
リゼとの空中戦で得た「空間把握」。
それらを総動員しろ。
(……壺の位置は頭に入れた。俺の可動域は半径50センチ。敵の攻撃パターンは……)
ノクトが再び闇から現れる。
今度は正面。
俺の喉元を狙う鋭い突き。
その瞳と目が合った。
暗殺者の目。
そこには、俺を「ご主人様」として慕う情はない。ただ純粋に、効率的に獲物を仕留めようとする「虚無」があるだけだ。
(……いい目だ。ゾクゾクする)
俺は恐怖ではなく、高揚を感じていた。
彼女たちが本気で殺しに来てくれている。
それが嬉しい。
なら、俺も応えなければ失礼だ。
俺はノクトの突きを、最小限の動きで――首を数センチ傾けるだけで回避した。
風圧が肌を焼く。
そのカウンター。
大振りはしない。壺に当たるからだ。
肘を畳み、手首のスナップだけで木剣を走らせる。
最短距離の一撃。
パシッ。
ノクトが手首で俺の剣を払う。
だが、俺の狙いはそこじゃない。
払われた勢いを利用して回転し、背後に回り込んでいたレグルに蹴りを放つ。
「おや」
レグルが驚いたように身を引く。
俺の足先が、彼女の鼻先を掠める。
「……少し、動きが良くなりましたね」
「まだだ。これからだ」
俺はニヤリと笑った。
目が慣れてきた。闇に、壺に、そして二人の殺気に。
空間が立体的に見えてくる。
壺の配置が、邪魔な障害物ではなく、俺を守る「遮蔽物」に見えてくる。
「利用させてもらうぞ」
俺は壺の隙間を縫うようにステップを踏んだ。
ノクトが追いかけてくるが、壺があるため直線的には動けない。
俺は壺を盾にし、二人の連携を分断する。
「小賢しい!」
レグルが苛立ち、上空へ跳躍した。
壁走り(ウォール・ラン)。
城壁を蹴り、三角飛びの要領で加速し、俺の頭上から襲いかかる。
蜂のように鋭く、変幻自在な軌道。
「そこッ!」
俺は上を見ずに、気配だけで剣を突き出した。
ガッ!
レグルの蹴りと、俺の剣先が衝突する。
衝撃を膝で吸収し、地面の壺に振動を伝えないように逃がす。
「……やるな」
「まだまだ!」
攻守交代。
俺は反撃に転じた。
攻撃モーションを極限まで小さく。
フェイントを多用し、浅く、広く、手数を増やす。
ノクトの肩口、レグルの脇腹、ノクトの太腿。
急所を的確に狙い撃つ。
「くっ……!」
ノクトが初めて声を漏らし、後退した。
追い詰めた。
俺は一気に距離を詰め、ノクトにトドメの一撃を放とうとした。
その瞬間だった。
ノクトが体勢を崩し、その場にへたり込んだ。
手から短剣が滑り落ちる。
彼女は潤んだ瞳で俺を見上げ、震える声を出した。
「……た、助けてください……クロノス様……」
か細い悲鳴。
いつもの冷徹な彼女からは想像もできない、怯えた少女の顔。
目じりに涙さえ浮かんでいる。
(……え?)
俺の思考が止まった。
攻撃の手が緩む。
木剣を振り下ろす寸前で、ブレーキがかかってしまった。
ノクトが泣いている? 俺がやりすぎたのか? 怪我をさせたのか?
その刹那の迷い。
それが、致命的な隙となった。
「――緩いッ!!」
ノクトの表情が一変した。
怯えなど欠片もない、氷のような無表情。
彼女は地面を蹴り、低い姿勢から俺の懐に潜り込んだ。
ドゴッ!!
強烈な掌底が、俺のみぞおちに突き刺さる。
「がはっ……!?」
肺の中の空気が強制排出され、視界が明滅する。
今日一番の重い一撃。
俺は膝から崩れ落ちそうになった。
「敵は油断させてきます。泣き落とし、色仕掛け、命乞い。全ては貴方を殺すための罠です」
ノクトが俺の耳元で冷酷に囁く。
「今の私たちは敵です。情けをかければ、死ぬのは貴方です」
「……ぐっ、くそ……!」
俺は歯を食いしばって痛みに耐えた。
そうだ。これは修行だ。殺し合いのシミュレーションだ。
俺の甘さが、俺自身の首を絞めたのだ。
カミーラのような外道なら、躊躇なく命乞いを利用してくるだろう。その時、俺は迷わずに引き金を引けるか?
「……肝に銘じる」
俺は立ち上がった。
もう迷わない。
目の前の二人は、愛しい従者ではない。倒すべき「強敵」だ。
「さあ、再開です! まだまだ終わらせませんよ!」
レグルが追撃を仕掛けてくる。
休む暇はない。
彼女の連撃は、さっきよりも速く、鋭くなっている。
蹴り、突き、肘打ち。
怒涛のラッシュ。
「クロノス様、慣れてきたようですが、まだまだです! 動きが単調! 呼吸が乱れています!」
レグルの叱咤が飛ぶ。
俺は必死に食らいついた。
痛みで意識が飛びそうになるのをこらえ、ただひたすらに剣を振るう。
無駄を削げ。
思考を加速させろ(スキルなしで)。
殺気を感じろ。
時間は永遠のように感じられた。
何時間戦っただろうか。
空の向こうが白み始め、鳥の声が聞こえてきた。
俺の体は限界を超えていた。
だが、集中力だけは研ぎ澄まされていた。
レグルの蹴りを紙一重で躱し、ノクトの斬撃を剣の腹で滑らせる。
二人の動きが、スローモーションのように見える。
ゾーンに入った。
(……ここだ)
二人の連携の、ほんのわずかな隙間。
呼吸が重なる瞬間。
俺はそこへ飛び込んだ。
レグルの懐へ。
彼女が驚愕する暇もなく、俺の拳が彼女の腹部に触れる(寸止め)。
同時に、背後から迫るノクトに対し、回し蹴りを放つ(寸止め)。
完全に捉えた。
俺の勝ちだ。
その時、朝日が差し込んだ。
庭園に光が満ちる。
「――そこまで!!」
レグルの鋭い声が響いた。
俺はピタリと動きを止めた。
俺の拳はレグルの腹に、蹴りはノクトの顔の横で静止していた。
あと数センチ進めば、本気の打撃が入っていたところだ。
静寂。
荒い息遣いだけが聞こえる。
「……はぁ、はぁ……」
俺はゆっくりと手足を下ろした。
終わった。
壺は……一つも割れていない。
「……お見事です。ご主人様」
ノクトが構えを解き、ふわりと微笑んだ。
いつもの、少し控えめで、でも温かい笑顔だ。
殺気は綺麗さっぱり消えていた。
「……ああ、死ぬかと思ったよ」
俺もへなへなと座り込みそうになった。
緊張の糸が切れた。
いつものノクトに戻った。そう思って、俺が警戒を解いた、その瞬間。
「――緩い」
ボソリと呟く声。
視界が反転した。
天地が逆さまになる。
ドスンッ!!
背中に衝撃。
俺は地面に叩きつけられていた。
ノクトによる、鮮やかな一本背負い。
「ぐぇっ!?」
「戦いは、家に帰るまでが戦いです。勝ったと思った瞬間が、一番死に近い」
ノクトが倒れた俺を見下ろし、人差し指を立ててチッチッと振った。
その顔は、悪戯っぽく笑っていた。
「……一本取られたな」
俺は空を見上げて苦笑した。
完敗だ。
技術でも、心構えでも、彼女たちにはまだ敵わない。
だが、清々しかった。
確実に、強くなっている手応えがあったからだ。
「さ、朝ごはんにしましょ。今日はクロノス様の好きなオムレツですよ」
「汗を流しましょう。背中、流します」
レグルとノクトが、俺の手を取って引き上げてくれた。
二人の手は温かかった。
俺はふらつく足で立ち上がり、二人に支えられながら城内へと歩き出した。
体はボロボロだが、心は満たされていた。
同時刻。
ドラゴニア帝国、王城の最上階。
女帝スカーレット・ドラゴニアは、天蓋付きの豪奢なベッドの上で目を覚ました。
シルクのシーツから這い出たその姿は、なんと全裸だった。
燃えるような赤髪が白い肌に散り、均整の取れた肢体があらわになっている。
豊かな胸、くびれた腰、しなやかな足。
彫刻のように美しいプロポーションだが、彼女の体には無数の古傷(歴戦の証)が刻まれており、それが彼女の野性的な魅力をさらに引き立てていた。
「……んぅ」
スカーレットは猫のように伸びをし、窓際へと歩み寄った。
裸であることなど気にも留めない。
彼女にとって、衣服など拘束具でしかない。寝る時は、生まれたままの姿で、大気中のマナを肌で感じながら眠るのが性分なのだ。
彼女はバルコニーに出て、昇ってくる朝日を全身に浴びた。
眼下には、目覚め始めた帝都の街並みが広がっている。
だが、彼女が見ているのは、もっと遠く。
西の空――ナイトレイ城のある方角だった。
「……終わったようね、朝練」
彼女は目を細め、風の匂いを嗅いだ。
遠見の魔法を使わずとも、感覚で分かる。
彼の気配が、日に日に強く、鋭くなっているのを。
「私の隣に、彼がいれば」
スカーレットはポツリと呟いた。
この広いベッドも、絶景のバルコニーも、一人では広すぎる。
最強の女帝には、隣に並び立てる者がいなかった。
これまでは。
「……あと、一週間」
彼女は自分の体を抱きしめた。
身震いがした。
寒さではない。武者震いと、そして愛しい男を蹂躙する瞬間を想像した快感による震えだ。
「待っているわ、クロノス。
貴方がどれだけ強くなっても、私の愛(暴力)からは逃れられない」
彼女は朝日の中、恍惚とした表情で微笑んだ。
その佇まいは、勝利を確信した者の余裕と、絶対強者の風格に満ちていた。
決戦の時は近い。
二つの最強が激突するその瞬間まで、あとわずか。
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