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旧・転生者はめぐりあう  作者: 佐藤醤油
4部ジルベール10歳 時が動き出す
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4.32 毒の混入

今日は、王家の方々を含めた夕食会に参加。

全員が揃って、スープから頂こうとした時に、

『ダメ!』という声が頭に響く。


瞬間、私は声をあげる

「みんな食べてはダメです」立ち上がり周りを見渡すとすでにシュミット様が一口食べた後、急いでそちらに行く。

鑑定を使うと、やはりスープが毒入りと表示される。

鑑定は、効果が低くなるが、魔法禁止のこの場でも使うことができる。

ただの鑑定では無く上位鑑定だからだろうか。

不思議だ。

「毒です。解毒したいので、魔法を使えるようにできませんか」と聞くと、

王様がすでに準備済みだった。

緊急用の、攻撃の意思が無ければ魔法を使える魔法陣を持ってきてくれました。


シュミット様を抱いて、同じ魔法陣の中に入る。

そして、急いで水に魔力を込めて、

「食べた毒を体から出します。

まず、この水を全部飲んでください」と、シュミット様に説明する。

シュミット様は何も言わずにすぐに水を飲み干す。

その後、大きめのボールを取りシュミット様を裏返し、

口に指を突っ込み水を吐かせる。

胃の中の物を強制的に取り出すように飲んでいる水の魔素をコントロールする。

うまく行くと良いが。


吐き終ったシュミット様は、ゼーゼーと息をする。


そこに侍女が「食事に手をつけないで下さい」と叫びながら、飛び込んできた。

私は、とりあえずその声を無視し、シミュット様に、

「もう一度、頑張れますか?」と聞くと、うんとうなずく。

そこでコップの水にもう一度魔力を込めて、飲んでもらう。

そして吐き出す。

「頑張りましたね。

たぶん大丈夫だと思いますが」


上を向いて王に「私は、この侍女の方に行きます」

と、続けて侍女に向かって

「倒れたのは何人だ」と質問すると、

「毒見の物が1人です。食べてから1時間たったのに先ほどから急に苦しみ出しました」

「連れて行って」と歩き出した時に、思い出した。


「スー、君のネックレスを少しの間シュミット様にかけてあげて、

確か状態異常の軽減効果があったはず。

そして1時間様子見て」と言うと、スーがうなずいて動き出した。

私は、それを確認し部屋を出た。


侍女が連れいてった先に兵士が寝かされていた。

先ほどの魔法陣を敷いてその上に移動させてもらう。

兵士を鑑定で見ると状態異常 毒化と出た。

もう、時間が立っているので胃の洗浄では効果が無い。

毒消しがあるのかと聞くと毒の種類が特定できないと、毒消しは使えないと言った。

魔法なら、適当に何とかなるのだろうかと回復魔法を使って見るが、鑑定で確認すると毒の状態異常は消えない。

毒消しの魔法で「毒消えろ」と唱えても、ダメだ。


そこで、先ほどの毒入りスープ使ってスープから水を上手に分離し、更に鑑定で見ると残った物質に毒がある。

残った粉を上手に広げ個別に鑑定を行うと、今回の毒の名前が解った。


さて、再挑戦だ。

先ほど同様に回復魔法の中の毒消し魔法を使う。

相手の体全体に魔力を流し「毒消えろ」と唱えると、感覚的には効いた感じの手ごたえがあった。

鑑定で再確認すると状態異常から毒が消えていた。

状態に、体力減少危険と表示されるので、再度回復魔法を使って状態を改善しておいた。

その後、かなり症状が良くなった。


まだ完全ではないが、ちょうど医者が来たので状況を伝える。

息の感じからかなりの毒が抜けたようなので、医者の手持ちの毒消しを飲ませ寝かせることにした。

それから、医者と王家の食事室に戻る。


食事は全て片付けられていたが、王家の人は全員シミュット様を囲んで待っていた。

医者が様子を見る。

私はマリアに「どう?」と聞くと、

「たぶん大丈夫そうです。吐いた影響で少しぐったりしてるけど、何も異常は無いようです。

すぐに胃の洗浄をしたのが良かったのでしょう」

もう暫くみんなで様子を見たが、大丈夫そうなので、改めて夕食をどうするかと言う話に。

私がキープしているうどんを食べますか?

と聞くと「うどんって何?」と聞いてきたので、


「白い麺です。おいしいですよ。

あ、でもシュミット様は、胃が弱っているから、

うどんは少なめにしてくださいね。

その代わりおいしいジュースを出します」と、

マイボックスからうどんと、りんごジュースに、ハチミツを取り出した。


魔石タイプの卓上コンロと鍋も出し、マイボックスに入れてあったお湯を注ぐ。


魔法禁止でも、マイボックスからは取り出すことはできるし魔道具は使える。


お湯が煮立つと、うどんを放り投げさっとゆでる。

お皿に醤油をちょっと入れてうどんを入れる。

マリア様が「うどんだ。うどん」と、前回の夏合宿で貰った箸を使って食べ始める。


スザンヌ様もそれを見て、夏の3週間の特訓中に使えるようになった箸でうどんを食べる。

王子達も箸で食べる。


それを見て、王様、王妃様はあきらめてフォークで食べる。

シミュミット様には、私が新しい箸をだして食べさせる。


マイアー王女も「食べさせて」と来たので「どうぞ」と食べさせる。

二人して「おいしい。もっと」と言うので交互に2人に食べさていると、

スザンヌ様が来て、マイアー王女をひざに乗せて面倒を見てくれた。


シュミット様は、お腹がいっぱいなる前に、止めてもらう。

そしてジュースにハチミツを混ぜて、ハチミツりんごジュースを作り飲んでもらう。


最後に、私が、ずずっと自分の分を食べて、出したものを片付けようとしたら、

当然の様にしまえなかった。

やっぱりな。

先ほどの魔法が使えるようになる魔法陣に載り、片付ける。


この王城の魔法キャンセルは、魔法の発動を阻害するが魔法の解除を阻害していない。

マイボックスからの取り出しは、魔法解除になるが、

そして先ほどの魔法キャンセルをさらにそれを無効にする魔法陣。

魔法の発動と終了、そして無効の無効化と言う、効果の上書き。

これは、次の魔道具作成に役立てれそうな気がしてきた。


なんとなく、魔石の消費を減らせられる、ぼんやりとアイデアが浮かんできた。

後でアイデアを整理しよう。

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新作 始めました。異世界恋愛?物語です。
女の子みたいな容姿の年下はやっぱりダメですか?。
「転生者はめぐりあう」の作品はアルファポリスの方が進みが早くなってます。
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