4.33 毒の混入調査結果
おなかいっぱいになったところで、騎士からの調査報告が来た。
どうやら、スープ皿についたスープから僅かに毒の匂いがするが、大元の鍋のスープには毒が入っていない。
皿についていたとすると、犯人の特定が難しいとのこと。
皿の表面に薄く毒を塗っておけば良いだけで、
皿が置いてあったところは監視があまく、かなりの人の出入りがあったそうだ。
どうやって犯人を捜すのか聞いたら、この1週間、
料理部屋に入った人全員から事情聴取するだけとの事。
指紋を取らないのか聞いたら。
?の顔をされた。
やっぱり一般には知られていないのか。
魔法が使えるようにする魔法陣を敷いて、
とりあえず目の前の毒の入っていたスープ皿と
毒のはいっていないスープ皿を数枚選んでお盆にのせる。
そこで皿に魔力を流し、指紋に物体の吸引力を付加するイメージを行う。
マイボックスから黒鉛の粉を取りだし、ふりかける。
浮き出た指紋に魔法でコーティング。
魔法ではぎとり、紙に置く。
メルミーナ様のところで調べた魔法を使った指紋採取の方法を実践しました。
事前に試していたので楽勝です。
毒の入っていた皿と、入っていない皿で、2人分の異なる指紋が出た。
明日からの事情聴取のときに、全ての指の指紋を取り、
一致するか確認するように言った。
両方に一致する人A、毒皿だけにある人をB。
A,B の中に犯人がいる可能性が高い
特にBはかなり濃厚だが、犯人が、直接皿を触っていないと指紋が出ないので、参考にしかならないと伝えた。
次の日から、事情聴取が始ったらしい。
Bの指紋に一致したのは、3日前に毒見役になった騎士だ。
Bのもう1人は、皿を運んだ侍女だ。
騎士は、そのまま捕縛され、さらに尋問された。
騎士がやったと自白があったが、黒幕は解らず。
ギャンブルでできた借金の肩代わりに、毒を塗るように頼まれたらしい。
第三者の調査でもギャンブルの借金があり最近急に返却されたらしいので間違いない。
ただしお金の出処はわからなかった。
報告によると、最近、国が人頭税を上げた事に対する王への警告と言われたそうです。
お腹を壊す程度の毒だし、遅行性だし見つからない、と言われたようだ。
けして殺す気は無かったと言い訳をしているらしい。
人頭税が上がったのは、一時的で今年のハリケーンによる被害で不作地域への支援の為だ。
偽りの適当な理由だ。
この騎士も、その程度で怒るのはおかしいと思ったらしく、言われた通りではなく、さらに水で薄めて塗ったから効果は無いだろうと思ったそうです。
結局、依頼主の黒幕の容姿もよく解らず、今回も不発。
だが、明らかに命を狙う相手がいることは確実で、暫くは厳戒態勢が続くようだ。
そして、王から指紋で判断できると、誰から聞いたか問われました。
「メルミーナ様のところで保管されてる論文に似たような事が書いてありました」と説明する。
100年前の論文だ。
おそらく転生者と思われる文献のシリーズに書かれていたので、覚えていた。
「そうか、明日メルミーナに調べさせよう」
「関係する文献が二つに別れていますが、
私が整理してまとめたので、どこにあるか伝えておきます」と答えておいた。
これでやっとあの文献が日の目を見るのだな。
同じ研究者としては、ちょっと嬉しい。
それとは別に、魔法で指紋を取ったり、形を作る方法も教えておけと言われ、
宮廷魔道士の数名が、使えるようになるまで、数時間開放されなかった。
とりえず、本件は終わろう。




