4.16 侵入者
メリーナ様からの警告があったその日の夜中。
私の索敵にも怪しい気配が反応した。
5人の気配を探知した。
エイミーを起こし、屋根の上に移動した。
太郎には念話で南側2名を頼み、
東にレイブリングさん、西がエイミー、私は北へ。
なんとまあ、あっと言う間に5名が確保された。
プロフェッショナルな人ではなかったようだ。
めんどくさかったから、
『殺しちゃ駄目だけど朝まで遊んでて良いよ』と太郎に念話で説明して、
檻の中に放り込み、後を太郎に任せる。
それ以降は、兵士の見回りを倍に増やして、私は就寝。
レイブリングさんは現場指揮で暫くしてから寝ると言っていた。
太郎は、特殊な能力があり、まず私とは主従の関係によって念話で少し会話ができるようになった。
そして解ったのが、太郎はどうやら善人を見極めることができる。
これは、黒狼の特徴ではなく、太郎の固有スキル?
単に、趣向だけのことかも知れない。ここは詳しくは不明だ。
これまでも、数名盗賊を使えまえた中に、巻き込まれ、使われていただけの善人を何人か見つけて、
その人たちは、被害者の一部として、領内で働いてもらっていますが、非常にまじめな人ばかりでした。
なので、本日もそれに期待して、全員を放り込み、おやすみなさいです。
朝、王子たちを引き連れ、太郎の檻に行った。
「太郎、誰か気にいるのがいたか」と質問すると、
今、現在右足でおさえ、下に敷いている人を、指して、これこれと言うしぐさをした。
その人には、私が回復魔法をかけ、念の為に、依頼人について質問したが、下っ端の為に知らないと。
今後、私の部下として働くなら、命を助けるが、そうでなければ殺すと脅す。
了承してくれたので、太郎の世話人として雇うことにした。
残りは、回復もさせず、命が助かりたければ、依頼人についてしゃべるよう質問したが、答えなかった。
その人たちは、レイブリングさんに任せた。
その後の尋問で、少しだけ情報を吐いた。
リーダーは、今回の王子・王女達の出発後に、雇われ、馬で王都からここまで飛ばしてきたらしい。
残りの4名は途中で雇ったり、近くで捕まえた人だった。
もちろん太郎が選んだ人は、途中で何をするか知らずに雇われた被害者だ。
他の3人は、もとから盗賊だった。
そして、黒幕はもちろん、それ以上の事は解らなかった。
今回の為に集められた集団だったようなので、単なる脅しなのだろう。
しかし、誰に対して、何を脅そうとしていたすら解らない。
領内の進入経路から、警備の弱点がわかったので、もう一度見直しをする必要がありそうだ。
またまた、時を前後。
私は、皆が来て、修行に明け暮れる中、ずっとそれに付き合っているわけではない。
私には、色々とお仕事がある。
アイテムボックスに魔法を込めたり、ハンバーガー店、雑貨屋の品物作りとする工房を巡るなど日々忙しい。
来ているみんなも、常にではないが、1日1箇所、どこかを見学に連れて行っている。
女子3名は、領内のぬいぐるみやスリッパ、パジャマ作りに興味を持った。
そして、製品を作っているのが、孤児院で育てている子供達と解り、びっくりしていた。
原案だけは、私が書いたが、今はそれをベースに物語を作っている年長の子がいる。
絵をかける子が二人ほど、その絵をベースに大人のスタッフが製品の型をつくり、
型どおりに子供達が上手に製品を作り上げていた。
才能のある子は、将来的に、自活してもらうつもりだと、説明し、
現在でも利益で、十分施設が運営できている事を説明した。
実は、売れる量に対して人員が不足しているので、近所の平民の子供達も集まって、
午前中に半分が仕事半分は、文字や算数を教えて、昼食を出し、また仕事、途中で勉強をする。
晩御飯を食べる子は、その後また仕事をして、晩御飯を食べてから家に帰る。
まあ、晩御飯を食べる子が殆どだ。
帰る子は、家にもっと小さい子がいるので、面倒を見るために帰る。
ただ、晩御飯が少ない家の子は、一度帰ってから、小さい子をおんぶして連れてくれば、
小さい子も一緒に晩御飯を出すようにしている。
小さい子の面倒を見るのも、お仕事という扱い。
別の日には、お皿の工房や、ガラスの工房も見て回った。
皆、ろくろを使った皿作りに挑戦し、逸品物の自分のスープ皿を作っていた。
上薬の塗り方と、焼く温度で色が変わると説明し、
自分で作品を作ってもらった。
思い思いの色をただつけるだけの人、綺麗な絵を描く人まで、いろいろでした。
ガラス工房では、みな、板ガラスは興味なし。
ガラスで作った動物の置物の方に興味を持ったようだ。
土魔法で、不純物を取り除き、水魔法を上手に使って磨き上げる。
専用の魔法を魔法陣を詰め込んだ、魔道具があれば磨きはできる。
道具さえあれば、魔法使いである必要はない。
だが、根本的に、芸術的な感性が必要。
従来は、これを作り上げるには、そもそも最初の段階で魔法使いである必要があったが、
専用の用途を絞った魔法陣を組み込んだ魔道具の作成によって、かなり敷居が下がった。
それでも、この作業ができる人は少なく、今のところ、1人が日に1個しか作れないので、量産は無理だ。
動物の置物以外に、ワイングラスを初め、様々なグラスも作っている。
これも、自分で作るか聞くと、とりあえずチャレンジと言うので、みんなに試してもらった。
意外に、マクシミリアン王子が上手にワイングラスを作っていた。
頑張って王様と1,2,3妃様の分を作ってもらった。
そして、スザンヌも器用だった。
なんと完璧な犬と猫の像を作り上げ、第3、第4王女へのお土産にすると言っていた。
恐るべし双子。
妙なところで才能が共通していた。




