4.15 転生者ミシュル
次の日から、午前の早い時間は、マリア様、アナスタシア様だけでなく、
スザンヌ様と魔法が得意と言うルカ王子が入って魔法の基礎訓練を行う。
途中からスザンヌ様とルカ王子は抜けて体力向上に行ってもらう。
マリア様、アナスタシア様は、基本となる土魔法を中心に魔力操作の訓練。
午後になると、日課の勉強や習い事を。
ご令嬢は、遊ぶ時間はあまりありません。
大変です。
魔力が回復してきたら、途中で魔法の訓練をはさみ、終わると夕食の準備を手伝う。
スザンヌも、この時は入ってますよ。
王子達は、ひたすら走り、飛び、剣を振る。
体が動かないほど動いたら、夜は、魔力操作の訓練。
とにかく1日中体を鍛え必ず魔力操作を練習する。
私も、午後は王子達と一緒に行動している。
スザンヌ様は、エイミーが面倒を見ている。
エイミーが太郎と一緒に領内の見回りに行く時、一緒について行ったりもしてる。
時が少し前後、初日の事。
ミシュル様から質問があった。
「今回、声がかかったことが嬉しくて、深く考えず、とりえず参加してしまいましたが、
私以外は、皆様王族の関係者。
グレン様もジルベール様やフィリップ王子と同い年。
私は、なぜこのメンバーに選ばれたのでしょうか?」
「先日のお見合いの時に、剣の才能がありそうでしので、枠が一つ空いていたそうなので私から推薦させてもらいました」と、私が答えると、
「ジルベール様の推薦でしたか、お見合いの時にそれほど話もしていなかったですし、
てっきりスザンヌ様からかと思ってました。
今回のお声かけ、ありがとうございます。折角の機会ですので、十分に活用させていただきます。
それと、遅くなりましたが、ご婚約おめでとうございます」と、
でも、まだ納得してない顔をしてました。
「今回は、王子が3名いますから、存分にアピールしてください。
それとは別に、マリアを含めて3人で少し話したいことがあるのですが、週末に話しましょう。
そこで、あなたが参加になった理由と、あなたが知りたがっている情報が得られるでしょう」と言うと、
怪訝そうな顔で、
「マリア様と? 解りました。
マリア様が関係するなら、魔法関係でしょうか?
私も、少し使えますが、では週末ですね」と、
疑問は晴れてはいないようですが。
そして週末、明日、ルカ王子が帰る前日の夜。
3人以外は別の部屋でルカ王子を取り囲み談話室で話をしてもらっている。
我々は、3人だけで別の部屋に入り、少し離れて侍女が監視。
3人でソファーに座り、話を始めます。
まず、マリアから、
「ミシュル様、では、まず確認ですが、転生者ですよね」と日本語で、
私は、英語で「私たち2人は転生者です。日本語と英語、どちらが良いですか?」
「びっくりした、ジャパニーズ、日本語、日本語で」
日本語でもう一度言い直す、
「私たち2人は転生者です。
少し転生の情報について、話をさせてください」
「転生者が何人かいるとは聞いていましたが、
お二人が転生者。それでマリア様は聖女。だから私が呼ばれたのですね。納得しました」
私は、
「納得されましたか。実は、私は、メリーナ様から全ての魔法が使えるスキルを受け取りました」
「え、魔法使い。
でも剣も私よりも強い。
魔法剣士にしては、両方強すぎですよ」
「剣は、もちろん身体強化の魔法を使ってます。
あと、小さい頃からレイブリングさんや、エイミーと打ち合ってますから、普通に鍛えた自力ですよ」
「ああ、そうですね。強さの秘密は解ります。
あれをもっと前からやってるなら、強くなるのは道理ですね」
「ミシュル様、あなたのスキルは何ですか?
よろしければ教えてもらえますか?
それに前世の事も少し」
「前世は、25歳で交通事故で亡くなったことは覚えていますが、それ以外はあまり覚えていません。
多少の知識が残っているだけです。
今日の日本食は、記憶にある食事と一緒で、懐かしかった。
よくこれほど再現できてますね。感心しました。
あー、私のスキルか、そういえば。
メリーナ様から頂いたスキルは、剣の才能です。
それと土、火、風の3属性魔法のスキルです」
「やっぱり、私たちも、死んだ状況と、知識は残っていますが、自分の名前や、家族の事は覚えていません。
メリーナ様がその方が次の人生での生きる力になるからとおっしゃっていました。
一貫しているみたいですね。
それと、料理を作る料理長のゴルゴさんも転生者です。
だからこれほどのクオリティーで再現が出来るんですよ」
マリア様から「私も、同じです。私は、アイドルをやっていて、帰宅中に刺されたんです。
ジル様が助けようとして、私の為に先に死んでしまって。
私は、助けてもらった時にすぐに逃げれば良かったのに、怖くて逃げられなくて、結局私も刺されて」
「そうですか、アイドルって、もしかしてA○Bとか?」
「いえ、そんな大きなのではなく、横浜を中心に立ち上げようとしていたアイドルグループです。
A○Kをご存知なら、年代は近いのですね。
私達が死んだのは、2015年5月20日です」
「私が死んだのは、2015年4月です。
日にちは覚えていません。近いですね」
「そうか、マリアと私は、本来は数分の差で3年も生まれが変わったけど、ミシュル様とは1ヶ月差で3年の差になってるんですね」
「私は、ちょうど良い器が見つからないから、少し順番がずれると言われました」
「じゃあ、わざわざ王家に生まれる様に調整してあったのか。
メリーナ様が私の3歳の時に、将来必ず会うからって言われたけど、普通に暮らしてたら、王女って必ず会うものかな」
「3歳の時には前世持ちだったのですね。凄く早い。
やはりそれは、ジルベール様の能力を見越してでじゃないですか」とミシュル様が。
「3歳の時にメリーナ様から
"何でもう記憶があるの"と言われたけど、それにメリーナ様がなにか計算しているようには思えなかったけどな」
『まあ、なんてことを。
ちゃんと、私の計画通りですよ。
少し規格外の計算違いがあっただけよ。
おかげで、ちゃんと婚約したでしょ』
突然、頭の中にメリーナ様の声が。
驚く私。
そして、
「えっと、今メリーナ様の声が聞こえた気がしたけど、みんな聞こえたの?」
「いえ、まさか、私には何も」とマリアが。
『みんなに声を聞かせるのは、大変なのよ。
神の力を持っているあなたには、まだ声を届けられるけど、他の人はかなり難しいのよ。
まあ良いわ。
近くに不穏な気配がするから、今夜は気をつけて。
それと、私を疑っちゃ駄目よ。
もちろん全部計画通りよ。
当たり前じゃない。
私は、神よ神。
こんなにあなたの幸せに協力しているのだから、感謝してね。
でも、ちょとあなたが規格外に成長しすぎて、シナリオ以上に上手くいきすぎてるのよね。
ちなみに、私の予定では、婚約者はマリア1人よ。
スザンヌって子は知らないわ。
予定外だけど、あなたの婚約者になたから、明日加護を与えるから、あの子を教会に連れてらっしゃい。
じゃあね』
私がしばらく黙って目を閉じていたので
「メリーナ様だったんですか?」マリアが聞いてきた。
私は、目を開けてから、
「ええ、いろいろ暴露されましたが、問題ないです。
明日スザンヌ様に加護を与えるから教会に行くように言われました」
「メリーナ様がお姉さまに。良かった」
「そうですね。では、情報交換はまたの機会として、そろそろみんなのところに戻りましょう」
皆のところに戻った後、急いでエイミーとレイブリングさんを呼び出し、変な気配が近づいていると伝え、見回りの強化をお願いした。
そして今夜は、太郎を檻から出して、
家の門の前に軽く繋いでもらった。




