第137話「更新」
時事ネタ?社会風刺?いずれにしろ、この作品はフィクションであり、実在の企業・団体・個人とは一切関係ありません。キリッ
2030年1〜2月。
国会議事堂。衆議院安全保障委員会。
国防族の重鎮・望月邦彦党最高顧問が、資料を前に口を開いた。
「こんごう型護衛艦の後継について、つくよみ型の採用を正式に検討することを提案します」
委員会室がざわめいた。
「また、あさぎり型の後継については、あまつくに型での代替を提案します。まず6隻を一括計上します。6000億円です」
予算委員会。
片貝かつき財務大臣は資料を確認した。
「あまつくに型6隻、6000億円の一括計上——承認いたします。なお量産効果による後日精算を予定しております」
野党が立ち上がった。
「また軍拡ですか!専守防衛の観点から——」
「あさぎり型は1988年から就役した艦です」と大泉が静かに答えた。「老朽化した艦の更新は専守防衛の維持であり、軍拡ではありません」
「あまつくに型のレールガンは——」
「北朝鮮の弾道ミサイルを4〜6万円で撃墜する装備です。ご存じですよね」
委員会室が静かになった。
2月。東京。首相官邸。
日米間でDDG(X)追加20隻の正式契約が締結された。
調印式は簡素だった。在日米大使と高道総理が署名した。カメラのフラッシュが光った。
条件は以前の交渉通りだった。
あまつくに型ベースの艦体・127mm砲仕様。建造は全て日本国内。米国からの技術者の立入禁止。4ドック専用。レーザーターレット日本製6基を搭載。
価格はあまつくに型ベース900億円に各取り分を加えてレールガンなし分を差し引き——1隻1200億円。20隻で総額2兆4000億円の契約だった。
調印後、高道総理は報道陣に短く答えた。
「日米同盟の新たな形です」
橘慎一郎は官邸に戻りながら、城島に電話した。
「量産効果が出てるな」
「あまつくに型もDDG(X)も同じ設計ベースですから。自衛隊向け6隻と米国向け20隻で合計26隻——単価は下がります。あまつくに型の後日精算は900億円/隻になる見込みです」
「6000億円計上で実際は5400億円か。600億円の節約になる」
「財務省が喜びます」
橘は少し笑った。
同月。富山県高岡市。
TSMC高岡第3工場が竣工した。
広大なクリーンルームに、最新の製造ラインが稼働を始めた。次世代Nvidiaチップの生産が開始される。
ケビン・ナカムラが視察に訪れていた。工場長のTSMC台湾人技術者と並んで、ラインを眺めながら言った。
「これがMAGIに入れば……」
「いつから増設できますか」と工場長が聞いた。
「チップの供給が安定したらすぐに動きます。150ラックを増設する予定です」とナカムラは答えた。「MAGIが更に賢くなります」
工場の外では、雪が降っていた。
同じ頃、ジブチのFEPA執務室で雪女がマリーニに報告した。
「高岡の次世代チップが供給開始されます。MAGIの150ラック増設の準備を開始してよいですか」
「もちろん」とマリーニは即答した。「政府との増設費用の交渉はもう終わってるから。早く動いて」
タブレットを閉じてから、ふと付け加えた。
「あと、DDG(X)の追加発注が決まったでしょ。レーザーターレット20隻分の取り分も計算しておいて」
「20隻×6基×15億円×10%で180億円です」
「悪くないわね」
【国内ニュース・防衛スレ】
1 名無しさん
日米でDDG(X)追加20隻の正式契約か
総額2兆4000億円って……
2 名無しさん
>>1
1隻1200億円か
あまつくに型ベースで量産効果が出てるらしい
3 名無しさん
あまつくに型6隻6000億円も一括計上で
量産効果で後日精算って言ってたな
4 名無しさん
野党「また軍拡!」
大泉「1988年就役の艦の更新です」
「北朝鮮の弾道ミサイルを4〜6万円で撃墜する装備です、ご存じですよね」
毎回決めてくるな
5 名無しさん
TSMC高岡竣工でMAGIが更に強くなるのか
もうどこまで行くんだ
6 名無しさん
「日米同盟の新たな形です」←2兆4000億円のビジネスを一言で片付けた
7 名無しさん
実質あまつくに型を自衛隊向けと米国向けで26隻同時大量生産してるんだな
コスト下がるのは当たり前か
8 名無しさん
JMUが世界最大の艦艇受注メーカーになってる件




