第100話「設定集②」
時事ネタ?社会風刺?いずれにしろ、この作品はフィクションであり、実在の企業・団体・個人とは一切関係ありません。キリッ
2027年末。日欧共闘——現状整理。
①登場人物近況
橘慎一郎(内閣官房参事官・52歳)
相変わらず冷めたコーヒーを飲んでいる。ドールA10001号(量産初号機)が執務室で温めてくれるようになった。エチオピア・ジブチ・南スーダンを含むアフリカの角の「国家100年の計」を静かに進めている。嫁の職業は城島も知らない。
黒田康介(FEPA代表)
執務室にドールA10002号(雪女バージョン専用機)が戻ってきた。正直、どう接していいか分からない。配当年9億円は古参の部下たちに配っている。本人は海自時代の感覚で生きている。
アレッサンドラ・マリーニ(FEPA CFO)
ランクルは完全に自分のものになった。常に最新のブランドスーツに身を包み、ジブチの砂漠でも上品な装いを崩さない。独身だが本国イタリアの家族に贅沢をさせている。配当年9億円は全額自分と家族のために使う。保育園の設計メモは常にスマートフォンに入っている。守銭奴だが歴史に残る仕事をしている自覚がある。「CFOの仕事です」
田中本部長(鹿島建設)
コマツとスカニアの重機が届いた時、目が潤んだことは黒木玲子しか知らない。創業者の椅子はまだ要求中。ケイラとの会話が気安くなってきた。防護壁・格納庫・淡水化プラント・新国際ターミナル——まだまだ続く。
ケイラ・ドナヒュー(第1中隊長)
ペルシャ湾での任務が続いている。エマとサラはジブチの屋内植物園でのびのびと育っている。田中本部長との会話が増えてきた。「私の遺伝子だからあれはいくら何でも」
ライアン・コール(T-5F第一小隊長)
牛丼があれば生きていける。MAGIに「バイザーの情報に従うだけの簡単なお使い」と言いながら内心F-22より好きになってきている。
ドールA10002号(雪女バージョン専用機)
「代表、戻りました!ありがとうございました!」白髪ストレートロング、ブラウンの虹彩。黒田代表はまだ慣れていない。H型の子たちに保育経験の学習データが均一化されるのを待っている。
②FEPA株式構成・配当(2027年末)
| 投資家 | 投資額 | 年間配当(0.6%) |
|——|——|——|
| 日本企業連合 | 10兆円 | 約600億円 |
| 三菱UFJ | 1兆円 | 約60億円 |
| GPIF | 5000億円 | 約30億円 |
| イタリア政府系CDP | 1500億円 | 約9億円 |
| 英国政府系 | 1500億円 | 約9億円 |
| マリーニ | 1500億円 | 約9億円 |
| 黒田 | 1500億円 | 約9億円 |
| 合計 | 12兆3000億円 | 約737億円/年 |
投資家の本音:「良い投資先ではないが政治的理由で損はしていないくらい」
③FEPA収益(2027年末)
月額収益——
| 部門 | 月額 |
|——|——|
| 護衛業務(はやぶさ改100隻稼働中) | 60億円以上 |
| 掃海業務(第一・第二艦隊) | 81億円 |
| 空輸業務(C-2軍事輸送) | 16億円 |
| E-3戦域警戒費 | 25億円 |
| WFP食糧支援輸送(EC725・AW101) | 約2億円 |
| FEPAホテル(100名稼働・1泊10万円) | 3億円 |
| 飲食街(利益率50%) | 1億円 |
| PX(利益率30%) | 約0.3億円 |
| 国連関係機関委託料 | 0.4億円 |
| JFEPA販促費 | 2億円 |
| FMS特会開発支援費 | 30億円 |
| 月額合計 | 約220億円 |
| 年間収益 | 約2,640億円 |
月額コスト——
| 費用 | 月額 |
|——|——|
| 人件費(6,770名) | 約50億円 |
| 燃料費(はやぶさ改90隻稼働) | 約30億円 |
| 弾薬・消耗品 | 約20億円 |
| ヘリ・航空機燃料・整備 | 約10億円 |
| 食料・生活物資 | 約5億円 |
| 施設維持費 | 約3億円 |
| 月額合計 | 約118億円 |
月額黒字:約102億円
年間黒字:約1,224億円
配当支払い後残余:約487億円(運転資金・再投資)
④FEPA人員(2027年末)
| 部門 | 人員 |
|——|——|
| 海上警備部門 | 2,610名 |
| 掃海部門 | 955名 |
| 空輸部門(C-2・An-124) | 360名 |
| T-5F部隊(パイロット・整備・地上支援) | 約250名 |
| ヘリ部隊(EC725・AW101搭乗員・整備兵) | 約165名 |
| 施設大隊 | 970名 |
| 医療大隊 | 730名 |
| 教導中隊 | 250名 |
| 兵站司令部 | 30名 |
| 基地運営部門 | 210名 |
| 特殊作戦中隊 | 240名 |
| 合計 | 約6,770名+MSF・USC要員 |
⑤装備状況(2027年末)
はやぶさ改
第一期・第二期計100隻:運用中
第三期100隻:建造中(2028年2月完納予定)
T-5F(心神F)
2027年末34機(2028年春45機完納)
第一小隊:コール率いる実戦部隊
電波封止・MAGI直結・光通信のみ
ヘリコプター
EC725:10機稼働中(2028年4月残り10機完納)
AW101:15機稼働中(2028年2月完納・計20機)
E-350(早期警戒機)
フェーズ1:2機運用中
残り2機:2027年中完成
E-350B量産:2028年初頭開始予定
FEPAタイプ-1(18000t護衛艦)
3隻建造中
FEPA補給艦3隻同時建造中
JDETA造船受注
DDG(X)(次世代イージス誘導ミサイル駆逐艦)
米海軍発注6隻(将来最大24隻)
JMU横須賀スマートドック化完了・建造中
指定装備は米側支給・円建て払い1隻1000億円
2029年就役予定(韓国の3〜4年に対し2年)
⑥各拠点整備状況——
MAGI(USC)状況(2027年末)
| 拠点 | コードネーム | 役割 | ラック数 |
|——|——|——|——|
| ジブチ | メルキオール | 戦略・戦術 | 50ラック完納 |
| アンコーナ | バルタザール | 商業・世界情勢 | 50ラック完納 |
| 愛知 | カスパール | 生産特化 | 50ラック完納 |
2028年スパコンランキング:1位MAGI-1・2位MAGI-2・3位MAGI-3(世界トップ3独占)
ジブチ:全機能稼働中。An-225B建造監視・T-5F連携・ヴォルデモートMAGIとして世界中から恐れられている
アンコーナ:空港機能・USC室稼働中。送配電網整備中(完成まであと半年)
愛知:完成済み。An-124発着を成田から愛知に移動完了。MAGI-3がHRCのF1エンジンを改良してアロンソを表彰台に送った(日本の産業振興のため)
⑦Attendollシリーズ状況・収益
| 型式 | 販売価格 | 出荷数 | 売上 | 利益 |
|——|——|——|——|——|
| ドールA | 本体1500万・充電350万 | 3000台 | 約555億円 | 約255億円 |
| ドールN | 本体1700万・充電350万 | 1000体(製造中) | 約205億円 | 約105億円 |
| ドールH | 本体1700万・充電350万 | 1000体(製造中) | 約205億円 | 約105億円 |
| ドールI | 開発中 | — | — | — |
| 合計 | | | 約965億円 | 約465億円 |
FMS特会返済(定価の5%):約48億円
研究開発費(10%):約96億円
⑧アスタコシリーズ(Tachikobo)状況・収益
| 機種 | 通称 | 販売価格 | 出荷数 | 売上 | 利益 |
|——|——|——|——|——|——|
| アスタコ・マクロ(超大型バックホウ) | タコマ | 本体1億・充電500万 | 550機 | 約577.5億円 | 約231億円 |
| アスタコ・メソ(解体・建築仕様) | タチコマ | 本体3000万・充電300万 | 500機 | 約165億円 | 約57.5億円 |
| 探索機 | タココ | 本体600万・充電100万 | 6800機 | 約476億円 | 約170億円 |
| 合計 | | | | 約1,218.5億円 | 約458.5億円 |
タココ消防庁向け(赤+白「TAKOCO」マーキング):3800機納入中
JDETA向け(デジタル迷彩はJDETA側で施工):タコ○3000機・タチコマ500機・タコマ500機
技本向けタコマ:50機
⑨ジブチ開発計画進捗(2027年末)
インフラ——
防護壁:完成
格納庫:An-124×7棟・EC725・AW101駐機場完成
淡水化プラント:カナデビアが設計中
製鉄所:JFEスチールが着工準備中(スーダン鉄鉱石12.5億トン+エチオピア天然ガス)
造船所:三菱重工が建設権取得・マリーニが建設費交渉中
新国際ターミナル(北側・中国軍跡地):田中本部長が設計中
コマツ大型ブルドーザD155AXI×20台・超大型バックホウPC950-11×5台・超大型ダンプHM400-5×40台+スカニア重機運搬台車×20台:稼働中
鉄道・交通——
アリ・サビエ→オロル→ジブチ複線:設計中(中国製既存線は無視・新線並走)
ジブチ→アルタ→アッサル→タジュラ複線:設計中
タジュラ〜ジブチフェリー:中古フェリー2隻回航中
FMS特会残高(2027年末)
残高:5兆円以上(各国・国連等の支払い状況により日々変動)
食料品軽減税率財源:4兆円(2027年1月〜2028年3月執行中)
エチオピア対中債務買い取り:53億8000万ドル(約7800億円)執行予定
ジブチ開発援助:50億ドル(約7250億円)執行中
国内経済状況(2027年末)
| 指標 | 数値 |
|——|——|
| 為替相場 | 1ドル145円(円高進行) |
| 日経平均 | 約100,000円超 |
| 最低賃金 | 約1,600円 |
| 実質賃金 | 79万円(2026年6月比49%増) |
| GDP成長率 | 約8〜10% |
主な要因:防衛産業・造船・重機・建設フル稼働、ドール・アスタコシリーズで新産業創出(売上合計2000億円超)、食料品軽減税率0%による個人消費拡大、FMS特会円建て決済で円安に歯止め
⑩今後の主な伏線
田中本部長とケイラ——4年後に日本でゴールイン(マリーニが長期設計中)
ドールA10002号——H型の子たちへの学習データ均一化待ち
MAGI-3——次に何を「産業振興」のために勝手にやるか不明
エチオピア——天然ガス田開発→火力発電所→鉄道国境延伸→南スーダン油田
エリトリア→ソマリア→紅海完全制圧——国家100年の計
An-225B——2028年春EASA認証取得予定・ムリーヤへの約束
E-350B——2028年初頭量産開始予定
はやぶさ改150隻——2028年2月完納
マリーニのFEPA上場検討——3年後
NHKスクランブル化——維新から議員立法提案可決→3月末執行
窓の外に霞が関の冬の空が広がっていた。
2027年が終わろうとしていた。
ジブチでは製鉄所の設計が進んでいた。タジュラに向けて中古フェリーが回航中だった。アディスアベバでは片桐が交渉を続けていた。スマートドックではやぶさ改の最後のロットが建造中だった。追浜工場ではドールNとドールHが製造ラインを流れていた。苫小牧では今日もタコ○が瓦礫の中を動き回っていた。アロンソが次のレースの準備をしていた。
マリーニが電卓を叩いていた。
全部同時に動いていた。
橘は冷めたコーヒーに手を伸ばした。
ドールA10001号が一瞬早く温めたカップを差し出した。
今日も温かかった。




