2話
眼の前には美少女たちが並んでいる
彼女たちは一人一人髪色も服も違う
(なぜこんなところに…)
と俺が思っていると、どこからか噂話が聞こえた
「あれが…」
「あぁ」
その声がした方向には男子生徒が二人コソコソと話していた
その視線の先には、メイドの服を着た銀髪の少女が立っていた
その少女は一際整った顔立ちをしている
あの生徒たちは彼女に見惚れていたのだろうか?
そう思いもう一度でさっきの男子生徒を見ようと視線を戻す途中で気が付く
彼ら以外も、男子生徒の半分以上が彼女を見ていたのだ
(なぜ…?)
「そのものたちはエーテルマスターと呼ばれている
人類が「敵」に対抗するための強力な戦力のうちの一つだ!!
詳しくは座学で聞くと思うが…
とにかく契約はじめッ!!」
校長が大きな声で言う
そのせいで俺の考え事も中断されてしまう
(え、契約…?何だそれ?)
俺の疑問をよそに、少女たち──エーテルマスターと呼ばれた者たちがこちらに向かって歩き出してくる
そして、生徒と一対一のペアを作っていく
俺のところにも一人エーテルマスターが来るのだろうかと思っていると
さっきのメイド服の子がやってきた
「はじめまして契約者様」
その子は凛と澄んだ声でそう言う
「はじめまして…」
「はい、それでは…契約をしていただけますか?」
俺が挨拶を返すと、その子が先導して教えてくれる
まさにメイドのようだ、何も分からない俺としては正直ありがたい
「どうやって契約するの?」
「私に名前をいただければ完了です」
俺の質問にも丁寧に答えてくれる
名前…名前…
名前!?
俺にネーミングセンスなんてないぞ!?
俺が困っていると、彼女は静かに待ってくれているようだ
「名前は、の…ノア!!どうかな?」
「ノア…良い名前をありがとうございます」
なんとか浮かんだ文字を繋いでいい感じの名前になった
ラノベの主人公とかだと名前の由来をサラッと出してくるが凡人の俺にあれができるわけがない
よかった、脳死の俺なら「じゃ、銀髪だからギンミで」
ぐらいのネーミングセンスしか出ないところだった…
少し安堵しながら契約した彼女──ノアの方を見る
名前をつけただけなのだが、少し仲が近くなった、そんな気がする
名付けにはそんな効果があったのか?
それとも契約の影響だろうか…
そんな事を考えていると校長の大きな声が聞こえてくる
「静粛に!!ここから座学だ!!急いで移動しろ!!」
そう言われて気がついたものの、周りは相当ざわざわしていたらしい
とにかく俺達は座学を受けるため、教室に走った
〜〜〜
私はアロース
誇り高き人類の未来を担う若者たちを育成する機関
人類防衛士官訓練校の長を務めている
毎年、人類のためを思い奮起するもの
家系が代々戦地での活躍者を輩出しており、自らも期待を背負いやってきたもの
個々の思いを抱き入学してくる
彼らが皆、目指すのは「才能あるエーテルマスター」との契約だ
エーテルマスターとの契約はその後の伸びしろを決定づける大切なものだ
今回注目されていたのは新入生で言うなら、先代総司令の孫に、東のナカラ族族長の息子、歴代最高契約数者の孫
この3人だろう
エーテルマスターで言うなら、「カタラの悪魔」の置き土産
銀髪で見目麗しい
メイド服を着用している変な面もあるが、その実力は本物
3人のうち、誰が彼女と契約するのか
何人か下剋上を狙っている者も居るだろうが…
ふと、私の視線はとある生徒に吸い寄せられた
毎年何人か軽い気持ちで入隊して来る
彼もそのうちの一人だろう
もっとも、そういう者たちは半年もしない内に打ちのめされ、やめてしまうのだが…
私が少し厳しい目で目で見ていると、1人のエーテルマスターが彼に近づいていく
──「カタラの悪魔」の置き土産!?
前代未聞だが…面白い
彼には注目しておくとしよう
〜〜〜
座学が終わった…
結構しっかりと効いていたのだが、完璧に理解したとは言えない
内容としてはエーテルマスターと「人類の敵」に関する事ばかりだった
どうやら、エーテルマスターと「人類の敵」は300年前に確認されたらしい
日本で言うとちょうど江戸時代くらいだろうか…?
最初に確認されたのは「人類の敵」で、発見後数ヶ月で大国を1つ滅ぼした
それからは人類の領土を着々と奪っていったらしい
その30年後にエーテルマスターが確認され、人類側も流れが変わったようだ
エーテルマスターは小さい頃から訓練校に入れられ
訓練を受けるらしい
それを聞いて、何とも言えない気持ちになった
(俺が公園でバカみたいに木の枝を振り回していた時に、この子達は銃を撃つ訓練を
「敵」を殺す技術を磨いていたのだろうか?
外にだって出たことはないのかもしれない
そんなの──)
「マスター?」
ノアにそう声をかけられ意識が戻る
今は日も沈んだ遅い時間だ
エーテルマスターの能力は契約者との「魂の同調率」
つまり、仲の良さが出力の強さになるらしい
そのため、エーテルマスターとその契約者は同じ部屋で過ごす事になるそうだ
昨日相部屋の相手が来なかったのはそのためだったらしい
「あぁ大丈夫、ちょっと今日のことを思い出してただけだから」
俺は無表情にこちらの顔を覗き込んでくるノアに言う
(感情の見えづらい子だ…)
俺がそう思っていると、ノアは立ち上がりどこかへ歩いて行ってしまう
因みに今は、ノアと話す時間だ
「魂の同調率」を上げるために放課後などの自由時間に少しでもエーテルマスターと接することが推奨されているらしい
だから、俺はノアと話す時間を作ることにした
俺がそう考えていると、ノアが戻ってきて机の上に何かを用意した
「マスター、白湯ですリラックスできます」
「…ありがとう」
(紅茶とかじゃないんだ…)
と思いながら俺はノアが入れてくれた白湯を飲む
前を見るとノアも座って白湯を飲んでいる
「…」
「どうかされましたか?」
「いや、別に」
(メイドさんなのに勝手に一緒に座って飲んじゃうんだ…)
まぁ、変に堅苦しくされても困るだけだ
ちょっと抜けているというか、天然というか
とりあえず、優しい子であることは分かった
ここまで読んでくださりありがとうございます
2話で遂にヒロインが登場しました
彼女と主人公の関係がこれからどういうふうに変わっていくのか見どころです
用語の部分をセリフと同じ括弧で括ってしまいごめんなさい!!
分かりづらかったと思うので、次からは変えたいと思います
投稿も遅れてしまいました
これからも不定期になると思いますが、ぜひ楽しみにしていてください




