3話
「おはようございます、マスター」
声が聞こえて目が覚める
まず感じたのは優しめの光だ
目を潰す勢いの朝日ではなく、ゆっくりと起床を促してくるような光
ゆっくりと瞼を上げると、ノアがベッドの横に佇んでいた
「…おはよう、ノア」
俺はまだ完全に覚醒しきらないままノアに挨拶する
「はい、おはようございます
朝食の時間です」
「分かった、すぐに用意するから待ってて」
「分かりました」
俺がそう言ったのを聞くとノアは一礼してから部屋を出ていく
昨日、あらかじめ「着替えは自分でできるから!!」と言っておいてよかった
ノアは少し抜けているところはあれど、メイドさんと同じことをしてくる
もし昨日言っておかなければノアが着替えを手伝おうとしただろう
俺は着替えを手伝ってもらう身分でもそういう趣味があるわけでもないのでそういったことになると慌てふためくのが目に浮かぶ
俺は急いで洗面所で顔と歯を洗い、部屋にもどって制服に着替える
俺が準備が終わって玄関に行くとノアが待っていた
「食堂に行こっか」
「はい」
俺とノアは寮の部屋を出て食堂に向かって歩く
この学校での食事は自炊と食堂を選べる
自炊の場合は、食材の手配から献立の決定、調理まで自分で行わなければならない
食堂では、栄養バランスの考えられた食事が頼め、調理などはもちろん自分で行う必要がない
そのため、ほとんどの生徒が食堂を利用する
俺もの一人だ
ぐぅ~
食堂までの廊下で俺の腹が鳴る
「ははは、腹減ったなぁ」
「…そうですね」
俺の照れ隠しにノアが静かに返してくる
昨日もそうだったが、ノアがあまりしゃべる部類ではないのと俺がノアにまだ慣れていないせいで会話が続かないことが度々起こる
これから仲を深めるにあたって改善できるといいのだが…
「…」
「…」
き、気まずい…
てか、食堂遠くないだろうか…
俺がそう思ったすぐ後に食堂に到着した
~~~
「今日から訓練かぁー」
俺とノアは朝食を食べ終え部屋に戻っていた
今から学校が始まるまで一時間ほど時間がある
それまで暇なのでノアと雑談しているわけだ
「マスターは訓練が嫌なのですか?」
ノアがそう聞いてくる
こういう雑談の時はノアも話を振ってくれるのだ
「まぁ、人並みに苦しいのは嫌かなぁ
訓練って苦しそうじゃん」
「?、訓練が嫌ならなぜここに来たんですか?」
「うっ」
ノアが俺の返答にもっともな疑問を返してくる
しかし、ここで
「魔法使えるようになりたいんだ!!」
などと言えるはずがない
「じ、人類のために…かな…?」
「そうですか」
ノアはそう言ってそれ以上聞いてこなくなる
俺はそれを好機と見て早急に話題を変えた
きっと誤魔化せたはずだ
多分、絶対…!!
~~~
「はぁはぁ」
体が重い
息が苦しい
「はぁはぁ」
もう止まってしまいたい
しかし、後ろで付いてくる教官がそれを許さない
「いつま、で…はしらせ、るんだよ…」
「マスター、まだ半分しか走ってませんよ」
息を切らしながら文句を言う俺にノアがそう言う
これで半分!?
もう走りたくないんだが!?
その後も何とか走り続けてランニングを終えた
「小休憩だ!!すぐに再開するから準備しとけ!!」
俺はそういう校長の声を聴きながら時計を見る
…一時間も走っていたのか
「マスターどうぞ」
俺が時計を見て驚いていると、ノアが水筒を渡してくれる
「ありがとう」
俺はそれを受け取り水分補給をする
水を飲みながら立ったままのノアに向かって俺の隣に座るようジェスチャーする
「…失礼します」
そう言ってノアは俺の隣に静かに座る
「なんで座らなかったんだ?」
「メイドはそういうものだと…」
俺の疑問にノアがそう答える
昨日の夕飯の時に一緒に食べていたのに何を気にしているのだろうか
この子のメイド像は特殊なようだ
「それに私はまだ疲れていません」
「まじか…」
ノアが言ったことに衝撃を受ける
エーテルマスターの身体能力は人より何倍も優れているし、ノアのほうが俺より早く訓練を受けているのだから当然といえば当然なのだが
それでも女子に体力で負けたというのは心に来るものだ
「休憩は終わりだ!!契約したエーテルマスターとペアになれ!!」
校長がそう叫ぶのが聞こえる
どうやら基礎訓練は一旦終わりのようだ
俺はノアと喋っていたためそのま校長のほうへ歩いていく
「よし、全員ペアになったな
これからエーテルマスターの能力確認をしてもらう
エーテル武器を出せ!!」
校長がそういうとノアを含めたエーテルマスターたちがどこに持っていたのか銃を取り出す
ここまでお読みくださりありがとうございます
3話では訓練が始まり、ノアの能力が明かされる…!!
というところで終わりました
まぁ、能力といいますか餅武器といいますか
4話ではノアの武器が明かされます
メインヒロインは一体どんな武器を使うのか…?
ぜひ次回も楽しみにしていてください




