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<1月書籍発売中!>純粋培養すぎる聖女の逆行~闇堕ちしかけたけど死んだ仲間に会えて幸せなので今度は尊い彼らを最善最優先で…って思ったのになんで追いかけてくるんですか?!~  作者: 天壱
第三章 聖女の知らない世界

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54.聖女にとっての幸せ。


「やっぱ〝ウワン〟だろ。このあたりじゃ次にでかい街だ」

「〝ヴァーグ〟一択でしょ」


うわぁぁぁ………。

早速の張り詰めた二人の視線に、笑って良い場面じゃないとわかっているのに口が笑ってしまう。目の前では注文し料理が並べられたテーブルを隔てて、ニーロとラウナが仲良く睨み合っていた。

あああ懐かしい。ラウナがニーロに馴染んでからはよく経路で喧嘩したよね。ラウナももともとすごい真面目だから、ニーロに経路で一度異議を唱えるようになってからはもう定番のやり取りだった。


ニーロとラウナ、そしてアクセルと旅を決めた私達は帝都で装備も含めた買い出しをようやく終えた。

出発前に食事をしていこうと、ニーロが提案したのはつい昨日私達が破壊した料理店だった。もう国からの弁償と宮廷魔導師達のお陰で何事もなかったように修繕………というか復元された店は、羨ましいくらいに逞しく営業も再開していた。店の主人は原因が魔物としか聞かされていないし、当事者じゃないから私達が原因とは知らないだろうけれど、それでもせめて客としてお金を落としてお詫びしようと提案するニーロはやっぱり優しいなぁ羨ましいくらい気が回るなぁって思う。そういうところが皆に愛されるニーロだね!

有名人のニーロが来て店主さんも嬉しそうだった。四人前とは思えない料理が届いて食事を始めて、最初の話題は「どこに向かって出発するか」だった。


「ヴァーグは近過ぎだろ!あんなところガキのおつかいでも行けるぞ?!」

「ウワンだってどうせ小さい村経由した上での山越えでしょ?!」

でもラウナが旅の目的地でニーロと喧嘩するのはこんなに最初からじゃなかったからそれだけがすごい新鮮だ。

聖典の旅の時は聖典の情報を集める為に大きい街を選んだ方が良いっていうのもあったけど、私も旅なんてどう始めれば良いかわからなくて、ラウナも旅の始めは発言も少なくて「好きにすれば」って言ってたからニーロが引っ張ってくれていた。今思うと、ラウナは家族を失ったばかりでそんなこと考える余裕がなかったんだってわかる。


「あの………アクセルは良いんですか?ハルティア方面をとか」

「ハァ?おい、聖女。お前自分の目的も忘れてんじゃねぇだろうな?」

え?と聞き返した瞬間、舌打ちをしたアクセルに耳をぎゅーっと引っ張られた。

こっちに席ごと近付いてもきてくれるアクセルに私も椅子ごと近付く。お隣同士に椅子がぶつかるくらいくっつけてから、ニーロとラウナの言い合いをよそにアクセルに耳を傾けた。


「お前が体験した〝聖典の旅〟を辿るんじゃねぇのか」

「!そうでした。すみませんつい嬉しくて……じゃあ、ウワンですね」

「いきなり山越えさせたのかアイツ」

ゲッ、とアクセルが顔を引き攣らせたのが至近距離で見えた。流石アクセル、すでに地図は頭に入ってる。

たんに山越えだけじゃこんな顔しないから、きちんと結構大変なのもわかっての反応だろう。「当時はニーロが全部決めてくれたので」と説明すれば、ジトリと呆れの混じった眼差しが静かにニーロに向けられた。けど、アクセルは体力もあるしむしろ都会よりも山とか自然がある場所の方が好きなくらいな筈なのに。


「アクセル、まだ太陽浴びるの辛いですか?」

「戦士でもねぇ女二人連れてよく選びやがったなって話だろ」

当時は魔力も無尽蔵じゃなかったんだろと確認して気遣うアクセルは、流石王子様だなぁって思う。

だけど、当時はお陰で野宿の大変さも学べたし、その後の小さい山越えじゃ辛いと思うことも減ったからきっと意味はあったよと私から説明する。ニーロがちゃんと安全な道も野宿も先導してくれたし、私も体力と転ぶ以外は安全に過ごすことができた。途中盗賊にも遭ったけど、ニーロがあっという間に追い払ってくれたし、獣だって食料にしてくれたのもニーロだ。


「村経由しても一週間くらいで着くんだから大したことねぇだろ!旅なんだから体力付けねぇと今後やっていけねぇぞ?」

「じゃあヴァーグに寄り道してからでも別に良いでしょ!もう使命はないんだし寄り道くらいでネチネチと……!」

「あ………あの、でも、そのっ…………いっいいい一応、せっかくなのでのんびりで安全にだけど聖典探ししながらとかも良いかなと思ってて……」

二人の喧嘩に入ったら、一気にまた声が震えた。けど、もう聖典の旅より一日出発が遅れちゃっているし、正直寄り道するのは怖い。

ここはニーロに私も味方をしないと。せめてウワンに行って何があったかとか思い出してからヴァーグに戻るなら良いけど、………それはそれで今度はウワンの次の目的地が聖典の旅よりずれちゃうなと思う。ああああでもラウナの故郷だと思うと寄り道したい。それとニーロ、一週間どころか十日以上かかったよ。ニーロの足だったら一週間切ったと思うんだけど、お荷物の私がいたからごめんね、

ぐるん!ととんがった目で振り返ってくる二人に、肩が思い切り上下してしまうけど、逆行する前と違って今は懐かしさも込み上げる。ああ、この同時に頭ぐるんってするのとか仲良しっぽくて羨ましかったなと思い出す。更には二人揃って「「聖典?!」」まで一緒の言葉だった。


「あぁ……ああ……その、真面目にとかじゃなくて、旅のと目標というか目安くらいに……良いかな?と、思っただけで別に見つからなくても全然………ごごごごめんなさ」

「ッよぉし!じゃあやっぱウワン決定!!ヴァーグなんかほぼ帝都の一部だろ!そんな近くで聖典の情報なんかあったらとっくに帝都と同じように城に情報集まってらぁ!」

「あ!く!ま!で!目安程度つってんでしょ!!!寄り道の何が悪いの?!ならヴァーグからウワン程度の距離!私が飛行魔法で全員まとめて運んであげる!それでどう?!」

「そんなところで魔力無駄に消耗して大事な戦闘で使えなかったらどうすんだ!?山越えくらい自力でやんねぇでどうする?!」

ああああああああ懐かしい懐かしい懐かしい………!!

ニーロが見事な舵取りで決定してくれようとしてくれたのに安堵したのも束の間、ラウナの飛行魔法とか自力でとかこのやり取りが全部懐かしい。ラウナの夢でもちょうどあった気がする。

ニーロが勢い良く掴んだお肉を、ラウナがその手首を掴んで待ったをかける。「アンタもう一本食べたでしょ」と睨み合う二人は、一度に二種類も喧嘩できるの羨ましい。流石器用で頭が回る二人だね。

確かにラウナの飛行魔法なら山越えも一日かからない。ヴァーグからウワンまでもあっという間だろう。けど、ニーロの言う通りそれじゃあラウナの魔力が尽きて暫くは戦えない。今回はアクセルもいてくれるから、戦闘もそこまで心配は無いとも思いけ


「魔力切れ起こしても聖女に片っ端から回復魔法かけさせりゃあ良いだろ。山越えはウワンからにしろウワンからに」

………そうだった。

アクセルのぐったりと疲れたような低い声に、私もあっと声が漏れる。今は聖典になったモイがいる。今も自分の存在を主張するように「ピィ」と鳴くモイのお陰で、私はいくらでも回復魔法も使える。ラウナが疲れちゃったらまた回復すれば良い。ラウナの為なら何百回でも神域の回復魔法でもなんでも使うよ!!

そして流石アクセル!つい最初の聖典の旅の感覚で聞いちゃってたけど、そこまでする必要なかったね?!これなら今度もいつでも旅の経路短縮できるしすぐに聖典の旅の私達に追いつけるよ!!


アクセルの言葉に、ニーロとラウナから真っ直ぐに私へ確認が入る。できるか、体力はと聞かれたから全力でそこは頷いた。

むしろニーロの希望もラウナの希望も叶えてラウナの家族に改めてご挨拶できるなら私一人倒れても全然良いよ!!どうせお荷物だし動かなくなってもあんまり違いはないから大丈夫!!

ぐっ!!と拳を握って気合いいっぱいになれば、そこでニーロも寄り道を許してくれた。「滞在は二日までだぞ」と言われて、ラウナが満面の笑顔で席を立つ。


「さっすがエンヴィー!!やっぱ私達が組めば最強じゃない?!」

もぎゅっ!と、次の瞬間抱きしめられる。一瞬でラウナの腕を避けるように私からも離れたアクセルと違って、私はそのままラウナの腕にくっついた。

うわああああああラウナに抱きしめられた!!!しかも褒められたよすっごい褒められたよ?!どうしよう嬉しい!!!!!聖典の旅中は頭撫でてもらうのも少なかったのに!!!ラウナこんなに人に抱き着くとかできたんだね?!!

嬉しくて、でも抱きしめ返して良いのかわからなくて手が浮いたままになる。手が緩んだと思えば、そこでラウナは置いてきた椅子を手を伸ばして引っ張った。そのままアクセルの反対側の私の隣にぴったり座ってくれる。丸いテーブルにそれぞれ座ってたのに、今は向かいのニーロ以外思いっきり席が寄っている。


「ほら、あーん。お互い魔力の消費に備えてきちんと食べないとダメよ」

うわあああああああああああああ大サービス?!!!!!

ラウナが笑顔のまま私のフォークで料理を差し出してくれる。どうしようここ天国かな?!!ラウナにあーんしてもらえたことなんて怪我か病気か魔力消費で寝込んだ時くらいだよ?!

まさかこんな元気なうちにやってもらえるなんて隣に座ってくれるだけでも嬉しいのに!!あまりにびっくりして、あわあわと口を開ききるのにも時間がかかった。それでも食べさせてくれるラウナもう天使みたいだよ!!!!


「本当嬉しい。もう皆エンヴィーに会いたがってたから。私も絶対いつか連れてくるって妹達に約束しちゃって。さぁどんどん食べましょ!今日は剣闘士の奢りなんだから」

なるほどそれは絶対行かないと駄目だね?!!アクセルのお陰で無事ラウナのお姉さんとしての立場も守れたし家族との約束もちゃんと守れたよありがとうアクセル!!!今はちょっと手も届かない位置まで椅子ごと離れちゃって寂しいけど!!その冷ややかな目も痺れるよ!!


「美味しい?」と聞かれたけれど、正直料理の味よりもラウナの笑顔の方ばかりが全神経いってあんまりわからない。

それでも頷けばにこにこ笑ってくれるからもう大正解であってると思うことにする。ニーロに取られたお肉のことも気にせずに、料理を自分の皿に取り分けるラウナはもうお肉のことも忘れているのかもしれない。あああこんなにこにこずっとしているラウナに会いたかったからすごいもうこれだけで胸がいっぱいになる。


「おい、ヴィー。ヴィー。そっちのくれ」

「?あっ、えっとこれ??」

ニーロの呼びかけにハッと我に返る。つい幸せ気分でまたぼうっとしてた。

ラウナから無事譲ってもらえた大振りのお肉に両手で齧りつきながら、ニーロが目で示すのは私の手前に置かれた大皿だ。テーブルにところ狭しと置かれているから他にも大皿はあったけど、ニーロは基本お肉が好きだからすぐにどれかはわかった。

こっちの豚肉もけっこう大きいけど、フォークで刺してそのままテーブルの向こうにいるニーロに差し出せば、すぐにバクンと首を伸ばして齧りついてくれた。…………ああ、こういうのできるの何年ぶりかなぁ。ニーロが動けなくなってからが最後だと、思い出しそうになるのをぐっと堪える。今それを思い出したら本当にまた泣


ガシリ、と。


「こッンの尻軽聖女がぁ……!どいつもこいつにも鼻の下伸ばしてんじゃねぇぞ……?!」

「ああああああアクセル?!ごごごごごめんなさい!!わたっわたたし……おっお行儀ですか………?!」

頭を鷲掴まれたと思えば、やっぱりアクセルの大きな手だった。私じゃ手が伸びないくらい離れていた筈なのに、こっちに前のめったアクセルの長いスラッとした腕には余裕だった。

ギランッと光った目が金色だけど鋭くて、アクセルってお行儀にも厳しかったっけと記憶を巡らせる。いやでも食事会とかならまだしも野宿とか仲間同士ならそんなに食べ合うの文句言わなかったよね?!

ぎぎぎっと指の力を感じる間にも「ちげぇ!」と怒鳴るアクセルに、じゃあ後は顔に出すぎたという意味だと考える。つい嬉しくてニヤニヤと顔に出てたのはわかる!!自覚ある!!ちょっと嬉しすぎて!!逆行してることとか隠してるのにそれは駄目だったね?!ごめんね!!ついさっきもアクセルが提案してくれたお陰で目的地が解決したのにまた私がドジしたら迷惑だよね?!


「なんだよニメトン、カリカリすんなって!俺ら昔からこんな感じなんだから。がんばれがんばれ」

「ていうかエンヴィーはまだアンタのもんでもないでしょ。百歳ジジイの余裕見せなさいよムッツリ粘着質」

「ニメトンは偽名っつったろアクセルだ。あと百歳でもジジイでもねぇつってんだろハレンチ女が!!」

直後、「悪い悪い」と軽く流すニーロの笑い声と、「なんですって?!」と怒るラウナの怒鳴り声が重なった。

ああ仲よさそうで羨ましいなぁ。あとアクセル、ハレンチも百年経った今は死語だよ。確か淫らな格好の人のことだっけ。取りあえず、沈黙魔法だけ先かけとくね。

ガッシャン!とテーブルが何度も叩かれてその為に皿が料理ごと悲鳴を上げる。本当に、アクセルはあっという間にニーロともラウナともお喋りできるくらい仲良くなれてすごいね。私なんてさっきから発言するのにも精一杯なのに。あと、私は別にアクセルのもの扱いでも全然良いよ。


「聖女に過保護過ぎるお前らにとよかく言われる筋合いもねぇだろ!」

「過保護ぉ?!そのまま返してやるわ!私は同じ女性で同じ魔力を使う身として一番気を遣うのは当然でしょ?!アンタらみたいな野獣を前に!!」

「ちょっと待て?!なんで俺も野獣に入ってんだよ!!俺はヴィーとは兄妹みたいなもんだって言ったろ女魔導師?!」

ラウナはいつも二人と対等に喧嘩できるの本当に格好良いなぁと、シチューを食べながらもやり取りに見惚れてしまう。ラウナはそうやって自分の意見をはっきり言えるから二人ともすぐにわかり合えたんだよね。私もそうなりたいなぁ。

三人とも席から立ち上がって、沈黙魔法込みでもちょっと目立っているね。もともとニーロは人気者でアクセルは半魔だけじゃなく格好良いエルフでラウナは美人だから仕方ないし四人で旅中はよくあることだけど。

もう、聖典の旅を終えた後みたいに羨ましいくらいあっという間に仲良くなってるよ。本当に逆行前の記憶あるの私だけだよね??


「聖女ォ!この凡族共やっぱ置いてくぞ!!………。………………おい、お前」

「ふぇっ?!」

ラウナと元気に言葉の殴り合いをしていたアクセルがこっちに振り向いたと思った瞬間、怒った顔が嘘のように瞬きの瞬間に据わっていった。ちょうどパンをかじり始めたところだった。どうしよう、今回は憶えがあるよ?!

怒るラウナを無視して、アクセルが私の隣に椅子を引っ張り出して座る。大きな手が私の顔に伸びたと思った瞬間、すごくどっきりした。あああやっぱアクセルの顔好きだなぁ………じゃなくてごめんなさい!!

アクセルの指の腹とうっすらと鋭い爪の先も頬を撫でた。それだけで心地良さにまた一瞬考えちゃいそうになりながらしっかり意識を張り詰める。膝を揃えて手も揃えて口をしっかり閉じれば、すぐにアクセルの眉間がぐわりを狭まった。


「頬にスープで、膝ぁ。どんだけパンクズぼろぼろボロボロ溢してんだ。それでも聖女か?」

「ごごごごごめんなさい!!見惚れてつい!ついっ………!!」

頬にスープがついたままで、しかもパン屑も一緒についてたらしい。膝も言われてから視線を落とせばパンの欠片が本当にボロボロ溢れていた。アクセルが大きな手でバサバサッと払い落としてくれる中、自分でもちゃんと払う。


「過保護通り超してもう母親でしょソレ」

「細っっかいなぁ。男ならもうちょっとそういうところ雑で良いだろ」

「うるせぇ」と二人に言い返しながら、きちんと服の皺まで伸ばして払ってくれるアクセルは優しいしきれい好きだね。

懐かしいなぁ食事会とかアクセルってよくそういうことに気付いてくれたよね。私はすぐまたやっちゃっては怒られたけど、貴族に馬鹿にされたら必ず怒ってくれたアクセル大好きだよ。迷惑かけたくないのにこうして手をかけてくれるのも嬉しくて、………………アクセルの手、今のあたかかったなぁ。


「………おい。なにまたニヤニヤしてんだ」

「えっあっ、ごめんなさい。なんか、もっと触れて欲しいなって」

また鼻の下伸ばすなと怒られたのに、つい口が緩んでしまった。両手で熱い頬を押さえながら謝ったところで、………アクセルの黄金色の目が一気に魔眼になった。

ガッ!!と本日来店して二度目の頭を掴まれる。


「お、ま、え、はァ!それわかってやってるんじゃねぇだろうなあ?!アァ??」

「ごごごめんなさいやってませんわざとじゃないです……」

またやった。さっきまで喧嘩中一度も光らなかった魔眼が、私のせいでとうとう。

顔までちょっと赤くして怒るアクセルの手の感触に、これすら私は嬉しいんだよなぁと思うのが二重で申し訳なくなる。アクセルの手がおっきいなとわかるから。あと、今はもっと手が温かい。

アクセルに怒られながら肩を狭めて謝れば、今度は「ぶわははははは!!」って盛大な笑い声が聞こえてきた。今アクセルから目を逸らすともっと怒られるから向けられないけど、この声はニーロだ。


「なんだコイツ結構面白いぞ?!!」

「アンタはいい加減名前を思えなさいよ剣闘士……」

嗚呼……見なくてもわかるよ。こっちに堂々と指を差しながら爆笑するニーロと、呆れた眼差しでこっちとニーロを見比べているラウナの姿が。

目の前でギラギラと赤と黒の魔眼を宝石みたいに輝かせるアクセルを見つめながら思う。まだ旅はこれからなのに、なんだかずっと嬉しくてどきどきして楽しい旅だなぁと指の力がめり込むのを感じながらまた口角がうっかり緩んだ。



この時間を守り抜く為になら、きっと私は魔王だって殺せるよ。



幸せだった筈の日常よりも、温かくてくすぐったい日々。

大好きな仲間達のことをもっと好きになる旅がまた、始まる。


ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

ひとまず完結致しますが、書籍1巻発売致しましたのでそちらも楽しんで頂ければ幸いです。

まだ書きたいなと思う話も多くありますが、絶対ここまで書き切りたい内容まで無事果たすことができました。

一度区切りが良いので完結致しますが、また隙あれば是非続きを書かせて頂ければ幸いです…!


ここまで楽しんでくださりました方々に、心からの感謝を。

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【1月25日書籍発売!!】

書籍化決定


《コミカライズも決定!!》

皆さんのお陰です本当にありがとうございます!!

― 新着の感想 ―
書いて下さり、ありがとうございます。 めちゃくちゃ泣きました。でも幸せです。 上手く言えないのですが この4人の話を、旅の終わりよりもずっと後までたくさん、 読めたらいいなぁと思います。 たくさん感情…
完結おめでとうございます!毎日20時更新が楽しみで楽しみでハラハラドキドキワクワクすっごく楽しませていただきました!幸福と癒しの体験をありがとうございます!続きが気になりすぎて何度も何度もまたここへ来…
「びゅあ堕ち」完結、お疲れさまでした。 昨年末に連載が再開されてから今日まで、更新を追いながら本当に幸せな時間を過ごさせていただきました。これからも何度も読み返したいと思います。 素敵な物語をありがと…
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