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第793話「まさに、親の因果が子に報うの、真逆たる結末」

という事で!

今回のナタリーの件、デスタン父子、旧蠅団ことモーリスの処置に関し、

おおよその方向性は決まった。


またリオネルは旧蠅団の対抗組織たる愚連隊どもが、ちょっかいを出して来て、

それらのボスと直接、話をつけた事も告げた。


結果、今の所、彼らは大人しくしていると。


それを聞き、ローランドとブレーズは驚いた。


王都に巣食う愚連隊どもは、長年にわたり、王国の悩みのひとつ。


傲岸不遜、傍若無人で凶暴な彼らだが、

中々、証拠をつかませず、ずる賢く立ち回りが上手い。


現行犯で身柄を確保するか、確たる証拠をつかみ、

糾弾した上で、裁判にかけ、処罰する。


法治国家たるソヴァール王国では、それがルール。


断罪までには、膨大な時間と、手間がかかる。


しかし、リオネルはわずかな時間で、

蠅団以下、愚連隊どもを大人しくさせてしまったのだ。


蠅団という最大勢力が無くなった影響で、愚連隊どものバランスが崩れ

王都の治安が悪化しないようにと。


相変わらずと言うか、お約束と言うのか、万事が万事、根回し上手のリオネル。


更にリオネルは言う。


「では、閣下。自分が持参した証拠本品をお渡しします」


「ふむ、ありがとう。では、先に受け取った複製品を返そう」


ローランドの言う事は尤もだ。


しかし、リオネルは首を横へ振る。


「いえ、更にこちらも全ての証拠に関し、複製品を作成し、キープしてあります。これからお渡しする証拠本品は、最終的には、宰相殿下へご提出する形となるでしょうから、念の為、閣下の方でもお持ちください」


「ははは、さすが顧問。いつもの通りの全てに深謀遠慮だ。分かった! ではそのまま、こちらで持っておくよ」


「何卒宜しくお願い致します」


という、やりとりで更に場がなごんだ。


話題も、ナタリーの件以外に一気に広がったのである。


まずは、リオネル達の王都における普段の暮らし。


冒険者ギルドの講座を受けながら、各自が切磋琢磨し、

ランクアップしている事で盛り上がる。


特にリオネルが、様々な魔法の頂点を極めつつある事に、

ローランドは、大いに驚いた。


ここで、ローランドから質問が。


「リオネル顧問、私は聞いたぞ」


「何がですか?」


「うむ、話は変わるが、この王都で君が出資し、新たな店を出す計画を進めているそうだな」


「ご存知でしたか?」


「ははは、冒険者ギルドの情報網を舐めるなよ」


「はい、ですね」


「うむ、そしてワレバッド本部所属の冒険者達の間でも、噂になっている。新たに王都に造る君の店に、勤めるスタッフを大々的に募集しているとね」


「ですか、成る程。確かに窓口を王都の商業ギルドにして、ウチの店のスタッフを募集しています」


「ふむ、顧問も冒険者ならば、分かるだろう。私見かもしれぬが、冒険者とは基本的に若い内だけの職業だと」


「まあ、そうですね。いろいろな意見があると思いますが、自分も、基本的には、閣下に同意です」


「うむ、確かに中高年のベテラン冒険者は数多居る。冒険がメシよりも好きで生涯現役は勿論、生活の為とか、等々、様々な事情からな。しかし、全盛期を過ぎれば、身体能力は徐々に落ちて行く。創世神様が定めた、生きとし生ける者の当然の摂理だ」


「仰る通りです」


「身体能力が落ちた分は、技法と経験でカバーするが、いずれ限界となる。若い一流冒険者達と、組む事が難しくなる」


「ですね」


「身体能力が落ちたとしても、その時の自分に相応の依頼をこなしていけば、問題は無い。ただ、過去の栄光がそれを良し、としない。上級になればなるほど、レベルの低い依頼を請けるのは、晩節を汚すという自身の思いと、巷の評判が、噂が、追い込んで来る。あいつも落ちたなあと」


「確かに」


「だが自身の人生はそれで終わりではない。それゆえ、名のある冒険者は、引退し、ギルドの指導者かつ管理職となるか、ギルドを離れても弟子を取り、後を託す」


「です!」


「しかしギルドに残らず、弟子も取らず、全く違う世界で生きたいと望む者達も数多居る」


「冒険者ではない、第二の人生を考えるって事ですね」


「うむ、例えばだが、料理好きな冒険者は、引退した後、改めてシェフを目指したい、そして自分の店を持ちたいと考える者も居る。顧問もその口かね」


「はい、それは確かにあります。自分の引退後はレストランのオーナーシェフをやるのも良いと思っています」


「ははは、それは良い。だが、顧問の底知れぬ実力ならば、絶対に勿体ないと言われるだろう。私見だが、顧問は指導者となるべきだと、私は思うよ」


「はい、仰る通りかもしれません。ただ様々な理由で、自分は料理が大好きです。まず自分が様々な美味しい料理を食べたいのは勿論ですが、作って喜んで貰いたいという思いもあります」


「ふむ、それは分かるよ」


「はい、料理は音楽と共に、世界共通のコミュニケーションツールですし、美味しい料理を食べながら、皆に仲良くなって欲しいという思いもありますね」


「成る程。そして数か国の料理を作るのは、客の望郷の思いも含めてだね」


「はい、閣下の仰る通りです!」


ローランドの言葉を聞き、リオネルは柔らかく微笑んだのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


その後、ヒルデガルドに対し、

イエーラに関し、他愛もない質問があった後、いよいよ本題へ。


ローランドは言う。


「リオネル顧問、ここは、フェリクス・ソヴァール宰相殿下の専用棟。という事で、そちらでも想定はしていたと思うが、これから、この場の全員で、宰相殿下に謁見し、今回の件のご報告を申し上げ、決済を仰ぐ」


「成る程。そのような流れ、でしょうね」


「うむ、そして、先ほど、私が告げた通りだ。宰相殿下には、既に私からお話をし、預かった証拠をお見せした。処罰は私に一任するとおっしゃって頂いたし、一応、評議会にはかけるが、顧問からの要望を聞き、今、処罰を決めたよ」


「ですか。差し支えなければ、どのような処罰か、お教え頂けますか?」


「ああ、構わんよ。デスタン家へは、まず三段階の爵位降格。つまり騎士爵家に変更。ナタリー殿への高額な賠償金の支払い、そして改易し、かつ僻地への転封。王都を追放し、住まいの移転を命ずる事にする。それゆえ、現在住まう王都の屋敷等々も、一切没収だ」


……ローランドの言葉を補足しよう。


まずは、上級貴族たる『伯爵』という身分をはく奪。

名誉貴族たる騎士爵への降格。


ナタリーへの高額賠償金の支払い。

金額は、改めて提示があるに違いない。


そして改易とは、領地の没収。

父祖伝来のデスタン家の広大な領地は、王国に取り上げられるのだ。


またその上で、僻地への転封(てんぽう)、つまりは領地替え。


とどめには、一族全員が、王都を追放され、屋敷も没収されてしまう。


以上……ローランドが決定した処罰内容は、結構な厳しさである。


まあ、初犯の際、彼らの反省を信じ、それなりの処罰を下し、

誓約書を書かせるにとどまったが……


今回は、調整役となったローランドの顔を「潰す」行為をしたのだ。


王弟で、宰相のフェリクス・ソヴァールも、

やはり顔を潰されたと感じ、『激おこ』らしいので、

この処分はこのまま下されるであろう。


息子のやった事がここまでの、おおごとへ……


父親のデスタン伯爵は、忸怩(じくじ)たるものがあるやもしれない。


だが、良い年をした息子の暴走を止める事は出来なかったのだ。


それも二度も……


まさに、親の因果が子に報うの、真逆たる結末。

ガエルのふたりの兄も『巻き添え』となる。


「ちなみに、デスタン父子が送られる僻地というのは、イエーラとはまったく正反対、ソヴァール王国はるか南方の荒野。奴らは領民達とともに、日々、未開の地の開拓に勤しむ事となるのだ」


「ありがとうございます。では、奴らはナタリーさんへ構うなど出来ませんね」


「ああ、そうだ。奴らは毎日、一生懸命に働かねば、王国へ納める税が払えぬからな。……さて、そろそろ時間だ。では宰相殿下の下へ参る事としよう」


ローランドはそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、全員へ移動を促したのである。

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