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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
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披露宴と平和

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よろしくお願いします。

挙式が終わってからの、次の日の披露宴は、前の婚約発表の時より、規模は大きかったが、基本的に祝福の言葉を貰い、挨拶をして終わりという繰り返しだったため、多少問題はあったが、一応つつがなく終わった。

名前の方は、当然即座に覚える事等できる訳が無く、とりあえず一度顔と名前さえ聞いておけば、鑑定スキルに加え、必要な時に記憶から検索を掛けて引き出せるので、さほど困ることが無くなったのが幸いだ。

元の世界にいた時には、瞬間記憶能力なんて物を、持っている人がいるらしいが、まさにそんな気分だ。


そして、アメリア王国の王女が結婚との事で、他大陸からの重鎮も祝にやってきたのだが、流石に年末年始を控えて、各大陸の代表者はこず、ナンバー2と言われる、副大統領的な存在が代わりに挨拶に来ていた。

その際、エルフが精霊視というスキルを持っており、パッシブスキルだった為、一応入手できたのだが、王宮内では、精霊がいないのか、今のところ精霊を見ることはできていない。

やはり、森かエルフの大陸にでも行けば見えるのだろうか?

美少女妖精とかだったらいいなぁ~。


一応、他の種族もステータスを見たのだが、竜人の固有スキルの【竜化】位しか、珍しいものは無かったので、特に収穫も無しだ。


さて、それで多少の問題にも一応触れておくとしよう。

多少の問題というのは、エルフを除く他大陸は、アメリア大陸と同じように、一つの国が収めているわけでわないので、各大陸の幾つもの国の重鎮が来ていたこと。

そして、当然のように遠回しにだが、勧誘に加え、是非とも一度我が国に来て下さいとの誘いが多くあったことだ。

世界を観光したいし、宗教の布教もなんとかしていきたいので、是非とも行きたいのだが、行く順番で他国や大陸どうしで、揉め事が起きる可能性もあるので、そこもどうしようかと悩みどころだ。

まぁ、そこまで深く考えていたら、どこにも行けなくなるので、そこまで重く考える必要はないだろう。


さて、最後に一番今回の驚いた事は、ロマリア帝国の皇帝が自らやってきたことだ。

前に会った時のように、ガハハと笑いながら、席に来た時は、俺だけでは無く、周りの人達も心底驚いただろう。

(大陸の代表者が、この時期に他大陸で何やってんだよ!)

と、多くの者は思っただろう。

少なからず俺は思ったし、実際にそう言ってやったら、あいつはこう言いやがった。


「友の祝の席に来るなど当然の事だ!」


うん、俺はその言葉を聞いて絶句したね。

いつからお前と友達になったんだよ。

まだお前ん家に行ったことねーし、一緒に遊んだことなんてねーぞ。

なんて、そのまま言えるわけも無く、


「と、友……?」


なんて、言うのが精一杯だったさ。


「そうだ!共に酒を呑み、飯を喰らい、語り合った仲!これを友と言わずとなんという!」


そんな俺の言葉に、こう言い切ったこいつは、初めてあった時から思っていたが、随分と豪快なやつだ。

だが、嫌いではない。

そこから、正妻のメラースさんとも、挨拶を交わし、年末年始の催しをそっちのけで、披露宴に来た事について訪ねたが、


「別にこの人がいたって、王城から挨拶をする位だし、別にいてもいなくても問題ないわ」


なんて、ニコニコと言われる皇帝は、それでいいのだろうか?

隣で話を聞いている皇帝は、ガハハと笑うだけだし、こいつの国は、本当に大丈夫なんだろうか?

そんな事を考えていたら、こいつは爆弾発言をかます。


「それはそうと、今日は前に話したうちの娘を連れて来たので、紹介しよう!」

「は?」


いやいや、披露宴の真っ最中に、婚約させる気満々の娘を紹介すんじゃねーよ!

思わず、そう叫びそうになったが、途端に眉を顰め、首を傾げる皇帝に、俺もどうしたのかと、一緒になって首を傾げる。


「おい、メラース、パンテーラはどうした?」

「パンテなら、とっくの昔に、行方を眩ましてますわ。あの子は、こういった催しは嫌いなので、どこかで時間を潰しているんじゃないかしら」


困ったものね。と、メラースさんが、右手を頬に当てながら、首を軽く傾ける。


「むっ、全くあの娘は、せっかく良い雄がいるというのに」

「そうですね。貴方がいなかったら、私も求愛していたでしょうに」


褐色の肌に、黒く、絹のように長い髪に、黒い瞳の極上の人妻が、こちらを獲物を見る目で見つめ、舌をなめずる姿に、思わず背筋をゾクリと震わしてしまう。


「ガハハハ!ツキヒトと会う前にお前と出会えたのは幸運だったな!」

「本当にそうですね」

「ガ、ガハハ……」


おい、皇帝が引きつった笑いになってるから、やめて上げて!


「ま、まぁ、ツキヒトはもう俺と友だ!いつでもうちに遊びに来るが良い!その時には、国を挙げて歓迎しよう!」

「いや、そこまでしなくてもいいから」


そう言って、他にも挨拶する者もいるので、メラースさんが「そろそろ、行きますね」と、席から離れって行き、次に挨拶をしようと待っていた、エルフの方と挨拶をしながら、離れた所から、


「ガハハ!久しぶりだな、友よ!相変わらず辛気臭い顔をしているようだな!」

「貴様は相も変わらず煩い男だな。もう少し王らしくしたらどうだ」

「何を言う!この鍛え上げた筋肉!これこそが王で何よりの証しでは無いか!貴様こそ、その軟弱な身体で良く王が務まるものだ!」

「貴様とは質が違うのでな。筋肉なんぞ無くとも、王に相応しい振る舞いが可能なのだよ」


王と皇帝が話しているのを、横目で見て、あいつも苦労してんだな……なんて、軽く同情してしまった。


そして、披露宴が終了したのが、夜の9時頃で、途中でアリスとミラとダンスを、衆目の中で踊ったり、なんてイベントもあったりしたのは、いい思い出だろう。

ちなみに、ダンスシーンも、しっかり録画されていたので、次の日に、屋敷で行われた、パーティー中に、スクリーンで映しだされ、羨ましがる子供達等を相手に、踊ったのも良い思い出だ。


そんな感じで、俺とアリスとミラの結婚式は終わり、そのまま年末年始の行事、これは、大陸や国、村等で様々な風習があるが、結局は、年末年始を宴をしたまま越えるのが、定番らしく、うちの領もそれを採用し、領を挙げての盛大な宴を催し、新しい年を迎えた。

そして、慌ただしく1月は終わり、2月の中頃になった頃に、俺は再び、短い逢瀬を迎えた。


-----------------------------------------------------------------------------


「ご結婚おめでとうございます」

「……ありがとう」


開口一番に、結婚祝いの言葉を頂いたのだが、その凄むような笑顔は止めて下さい。


「それで、子供はいつ作るですか?」

「やる事が多いから、まだ作る気はないよ。っていうか、怒ってない?」

「怒ってません」

「………」


金髪碧眼の幼い女神の言葉に、トゲを感じてしまうのは気の所為だろうか?

気のせいで無かったのなら、それはそれで嬉しいのだが……。


「あー、あれからも、非合法の人身売買や、奴隷の買い付けとかして、信者も増えていってるけど、ちゃんと効果はある?」


前に王から貰った、国に認められた奴隷館以外に行われている、非合法な奴隷の売買に加え、拉致、誘拐等を行っての人身売買の場所のリストを貰い、俺とガラド、エメラの三人で次々と、悪人共をひっ捕らえて、衛兵の詰め所の前に縛って放り出し、拉致、誘拐、された者達を助け、一時的匿い、恩を売って、それとなく、フィリア神の事を話す等をして、布教活動を行っていた。

奴隷達は、人手が欲しいので、そのままうちで働いて貰い、馴染んだ頃に、フィリア神の事を話して、カリスマスキルを最大限に利用して、信者にしているので、この2ヶ月で、信者数は300以上増えている。

なので、フィリアの回復速度は増えているはずなのだが……。


「はい、前よりもずっと力が回復するスピードが上がっています。これもツキヒトさんの頑張りのおかげです。ありがとうございます」

「そう、それならよかった」


律儀に頭を下げる女神に、俺はホッと胸を撫で下ろす。


「それでもやっぱりまだ地上に降りたいはできないよな?」

「はい……、分霊を送ることも不可能ですね……。可能なのは、こうやってツキヒトさんの夢から介入する位が限界です……」

「そっか……」


二人共しょぼくれた顔をして、俯いてしまう。

本格的に信者を広めるなら、やはり、大々的にフィリアの事を広めるのが一番なのだろうが、現状では、護る者ばかり増えて、護る術が間に合っていない。

なので、下手に他の宗教と荒れる原因を作るわけにもいかず、二の足を踏んでいる状態だ。

かといって、本当に揉めるかどうかも不明なのだが……。


「あー、そうだ。鑑定スキルについて物申したいのだが」

「はい?」


せっかくの久しぶりの逢瀬なのに、しょぼくれた顔のまま、禄に話さずに終えるのは嫌なので、少しでも話しをしようと、話題を変える。


「あらゆる物を詳細に鑑定できるって言ってたけど、全然そんなことないんですが」

「え、そんなはずは無いのですが……、例えばどんなのができませんか?」


長いこと疑問だった事を、いい機会だと思い、聞くことにしよう。

不思議そうに、右手の人差し指を頬にあて、首を傾げるフィリアを、可愛いなぁ~と思いつつ、言葉を続ける。


「例えば、時魔法なんだけど、この魔法自体よく分かってないから、鑑定スキルを使って調べてみても、

時を操る。としかでてこないんだよ」

「?時魔法は、時を操るんですから、何も間違ってないと思いますが?」


不思議そうに首を傾げたまま答えるフィリアに、俺は眉を顰める。


「いや、それは分かってるけど、もっとこう、細かく、説明書的な物を想像してたんですけど」

「ん~、そういわれましても、そもそも、時魔法なんて使えるのが、今も昔も、ツキヒトさんだけですし……」


胸を押し上げるように、両腕を組むフィリアの言葉に、俺は目を見開いて驚く。


「えっ!?時魔法って使えるの、俺だけなの!?」

「はい。私も初めて聞いた時は驚きましたが、流石はこの世界の元となった本等を、創作している世界の人だな~って関心しちゃいましたよ」


ケラケラと笑うフィリアに、俺はなんと言っていいのか分からず、口をパクパクとさせる。


「それにしても、時魔法ですか。ツキヒトさんは、この世界のシステムから外れている部分があるので、好きなように魔法を使える事ができるので、そんな事もできちゃうんですよね」

「は?この世界のシステム?」


なんかサラッと重要な事を言うな、この子は。


「はい、魔法が使える時点で、この世界とツキヒトさんの世界のシステムは違うんです。なので、ツキヒトさんを呼んだ時に、魔法を使えるようにしたり、スキルを授けたりしたのですが、それ以外には、この世界の住人なら、必ずある各種族には、基準値を元にしたステータスの上限や、獲得できるスキル等の設定がされてないため、この世界の誰よりも強くなることが出来、時魔法みたいな魔法を使えたりするんですよ」

「……つまり、チートキャラ?」

「ツキヒトさんの世界の言葉を借りるなら、そうなりますね」

「………、まぁ、そんな感じはしてた」


幾ら科学的知識等や、ゲームや漫画での、現実ではまだ実現出来てない仕組み等の魔法なんて物を、イメージだけで使える時点で、どうなってるんだこの世界、なんて思った事もあったが、チートキャラなら仕方ないよね。


それにしても、やっぱり各種族には、限界値の設定みたいな物があったのか。

そこらへんはどうやって決めてるんだろう?


「なぁ、この世界の住人のステータスの限界値とかって、どうやって決めてるんだ?」

「限界値ですか?その辺りは、バランスが崩れないように、基本的に殆ど同じ程度にしていますよ。

ただ、エルフなら魔法系のステータスやスキル、覚えれる魔法の優遇、獣人族なら、身体能力のステータスやスキルに【獣化】等といった優遇をしています。ようは、この種族なら魔法系優遇でしょう。といった、ツキヒトさんの世界の資料を参考にして、設定をしています。あとは、生まれる際に、ランダムで能力が決まるので、エルフなのに、魔法がそれほど強く無かったり、人族なのに、エルフを越える魔力を持っていたり、なんて事もありえるんです。

えっと、確か、アルフレッドさんでしたっけ?ツキヒトさんの前に、世界最強の魔法使いと言われていた方は」

「あぁ、あってるよ」

「その人みたいに、優遇されている能力を持つ種族を越える、別の種族の方が生まれる可能性も、かなり低いですが、アルフレッドさんみたいに、生まれる事があるんですよ。まぁ、その辺りの事は、フロマが管理しているので、彼女に聞くのが一番ですね」


両手を胸の前でパチンと合わせるフィリアに、どこかで聞いた事があるような名前に、思い出そうとしても思い出せないので、魔法を使って記憶を引き出しても、出てこないので、気の所為だろう。


「フロマ?」

「はい。この世界を管理する5人のうちの1人です。彼女は、輪廻転生、主に生命が誕生する際に、能力を決める役割を担っています。正確には、ランダムに流れる数字を、ポチっとボタンを押して決めるみたいな感じで、決めてるんです。後は、この世界全体の様子を見ているはずなんですが、私も長いこと会えていないので、今も、最初に与えられた通り、世界を静観していると思います」

「………」


この世界を管理する5人ってなんですか?

そんなの全然知らないんですけど……。


「えっと、そのフロマって人には会えるの?」


とりあえず、この世界の管理者なら、一度会ってみたいのだが、フィリアは首を横に振る。


「すみません。フロマの所に行くには、力が足りません……。世界を管理する場所なので、行くにはそれなりの力が必要なんです……」

「俺の魔法じゃ無理かな?」


この世界からしたら、チートキャラの俺なら、管理者の場所に行けるのでは無いかと、提案してみるが、これもフィリアは首を横に振る。


「できませんね……。フロマの所に行くには、魔法ではなく、神力、つまり、神の力のみなので、私にしかできないんです……」

「……そうか」


一度会ってみたかったんだが、会えないのなら仕方ないか……。

他の4人の事も聞こうと思った所で、フィリアがそろそろ限界だと悲しそう言う。


「すみません、もっとお話したかったんですが……」

「そう、だな……。まぁ、次もあるし、もっと信者を集めて、早くあるように頑張るよ」

「はい、期待してますね!」


そうして、どこか影のある笑顔のフィリアと、3ヶ月ぶりの逢瀬が終わった。


------------------------------------------------------------------------------


翌日、納税の時期が近づいて来たこともあり、書類仕事が増え、ソニー達がいつもより忙しそうにしている中、フィリアの会話を思い出していると、ソニーがこちらに書類をもってやってくる。


「アキヤマ様、サボって無いでこの書類にサインをして下さい。後、開拓された土地の分、税も増えるので、開拓を一時中断して、開拓した土地の広さを測量して来てください。私はそれを元に、計算をしますので」


ソニーが机に置いた書類を見て、書類にサインをしながら、何故測量しないと行けないのかと、疑問に思い、ソニーに聞いてみる。


「なぁ、なんで開拓したら税が増えるんだ?未開拓の土地も含めての領地じゃないのか?」


俺の質問に、ソニーは呆れ顔で、サインした書類を受け取りつつ、質問に答える。


「アキヤマ様、確かにこの領地を貰った際、広さが7000㎡と言われましたが、それは開拓されている土地であり、実際は、未開拓の土地を含めると、さらに広大な領地となっているんです。ですが、土地税は、土地の広さで決まりますが、魔物がいて、開拓できない土地までを含めて、土地税を払えと言われたらどう思われます?」


「何いってんだこいつ、ぶっ殺してやろうか。って、思う」


「そうでしょう?ですので、実際の土地は、広くても、開拓できない土地は、領地ではありますが、使用できない土地として、扱われる為、土地税には含まれないんです。ですが、土地を開拓してしまえば、それは使用できる土地となるので、その分の税が掛かってしまうんです。なので、納税の時期も迫っていますし、一度土地の開拓は止めて、現在の土地の測量を行って欲しいんです。アキヤマ様なら、それくらい容易いでしょう?」


なるほど、確かに俺の鑑定のスキルを使えば、測量なんて一瞬で終わってしまう。

だが、それなら期日ギリギリまで、開拓はできるじゃないんだろうか?


「はぁあ?ただでさえ、人口が増えてきており、町の開拓に追われ、商人達だけではなく、冒険者や、この土地に移住する人達が増え、その分の税の計算もしなくてはいけないのに、まだまだ土地を広げて、人口を増やして、家を建てる許可を出したり、店を出す許可を出したり等などと言った、仕事を増やしたいんですか?それとも、その分の作業を、全てアキヤマ様がやってくださるんですか?それなら私は、アキヤマ様の望む通りに、開拓を勧めて貰っても構いませんよ。ですが、私は一切手伝いませんからね」


勢い良くまくし立てるソニーに、俺は気圧されながら、ただ、ごめんなさいとしか言うことができなかった。

ちなみに、ミラ達ならまだしも、アリスですら、仕事に関してはソニーが幾ら俺を攻めようが、止める事は無い。

何故なら、全員、書類仕事の大変さを身に染みてしまっているからだ。

ただ、仕事が終わった後は、自分も疲れているのに、俺を労ってくれるので、大変良くできた嫁だ。


そういえば、新婚旅行は、アメリア大陸北東部にある、温泉街の2泊3日だけで終わってしまった。

正直、アメリア大陸一周!とか、したかったのだが、現実的に、領地を放っておけないので、その程度で終わったのだが、それでも十分楽しめたので問題は無い。


後、ソニー達の慰安にと、帰ってから、ゲートで温泉街に連れて行き、温泉をたっぷりと楽しんで貰っておいたので、少しはストレスが軽減されたみたいだ。

ただ、ウィザードと王女が入った温泉として、俺達が宿泊した宿は、連日予約殺到の大儲けらしい。

ウィザードと王女のネームバリューの凄まじさを改めて、思い知らされてしまった。


道具屋の方も、新たに特許を取った物から、特許申請中の物まで売り出し始めており、特に、女性の美容関係の商品が飛ぶように売れており、契約を結んでいた工場だけでは、生産が間に合わないため、領内でも、工場を作り、大量生産を初めている。

やはり、女性の美の追求には、執念の様な物を感じてしまうな。


ちなみに、貴族には、宝石をつけたり、凝ったデザインをするだけで、性能は対して変わらないのに、値段は高い商品が、飛ぶように売れていくので、ウハウハである。

キッチン用品や、日用品の方も、さすがに100円均一みたいな値段では売れないが、日給より少し安い程度の値段でも、飛ぶように売れている上、特許の収入も入ってきており、まさに左うちわ状態だ。


今現在、俺がもっとも力を入れているのは、馬車用のサスペンションだ。

馬車の揺れには、散々やられているので、是非ともこれを世界的に普及させて行きたい。

まぁ、いくらサスペンションを付けた所で、禄に舗装をされていない道を走っていたら、そこまで効果は無いのだが……。


はぁ……アスファルトが懐かしい……。


「さて、フラウラ、一緒に行くか?」

「っん」


一通り書類を片付けたら、席を立ち、部屋の隅で本を読んでいるフラウラに声をかけ、頷くのを確認したら、手を繋ぐと、書斎の扉を開ける。


「それじゃあ、測量をしてくるから。とりあえず、こっちに来てから開拓した分だけでいいんだな?」

「はい。あぁ、帰ってくる際に、騎士団に寄って、書類の方を催促しておいてください」

「分かった。それじゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい、あなた」

「いってらっしゃい、ツキヒト君」

「いってらっしゃい、アキヤマ様」

「「「行ってらっしゃいませ、ご主人様」」」


挨拶をすますと、書斎を出、外へ向かう途中に、屋敷の掃除中のフェルを見つけたので、拉致をし、両手に少女のまま、外へ出、まだ雪が残る地面に足跡を残しながら、3人で測量に向かう。


「ツキヒト様、どこへ行くんですか?」


理由も話さずに、連れてこられたフェルは、不思議そうにしている。

ちなみに、仕事中に、俺に拉致されるのは、よくあることなので、今では誰も気に留めていない。


「開拓した土地の測量をしに行くんだよ。その後は、騎士団だな」

「分かりました、私も頑張ります!」


いや、測量なんて、鑑定を使えば一発で分かるから、別にフェルが頑張る所なんて一つも無いのだが……。


「そういえば、修行の方はどうだ?」

「聞いてくて下さい、ツキヒト様!先日、初めてガラド師匠に攻撃をかすらせる事ができたんです!」

「へぇ~それは凄いな」


子供達には、体育の授業の中に、剣術等と行った、身を守る術をガラドに教えるように言って、行わせているのだが、銀狼族であるフェルは、同じ奴隷の子供達の中でも、ダントツに強く、同年代の子達では、訓練にならないので、3ヶ月ほど前に、ガラドが直々に弟子として向かえて修行しているのだが、もう既にそんなレベルにまで達しているのか……。


今でこそ、レベルとステータスが上がりまくった俺は、魔法無しでも、ガラドといい勝負になったと言うのに、ガラドよりもレベルもステータスも低いフェルが、ガラドに攻撃をかすらせるなんて、やっぱり、種族の差なんだろうか。

俺に褒められて、嬉しそうに笑顔を浮かべるフェルを見ながら、ほっこりしていると、横から、拗ねる声が聞こえる。


「むー、ツキヒト、私も魔法、頑張ってる」

「そうだな。この前のレーザービームは凄かったぞ」

「っん」


フラウラには、体術の才能がからっきしなので、魔法の方を教えているのだが、火・水・風・土・光魔法が使え、その中で特に光魔法の才能があるので、そちらを重点的に教えている。

というか、皆が魔法が使えるのが羨ましいらしく、自分も使いたいと、ねだって来たのが、教える切っ掛けだ。

その際、俺が一通り魔法を使って見せた所、レーザービームが気に入ったらしく、才能を相まって、あっという間に物にしてしまい、調子に乗って森を焼き払ってしまった事がある。

一応、人がいないのを確認してから行ったのだが、流石にあの時は焦った。

当の本人は、興奮で顔を真赤にし、両手を上げて飛び跳ねるという、非常に珍しい光景も見せていた。


「フラウラ、前も言ったが、俺のいない所で、勝手にレーザービームを使うのは駄目だからな」

「大丈夫、約束した」


まぁ、フラウラと俺は、基本的にいつも一緒にいるから、大丈夫だろうし、俺との約束も破った事が無いから、問題無いだろう。


まぁ、せっかく覚えたのだし、いつか使える機会でも与えるとするか。


「あ、ツキヒト様!そろそろ着きますよ!」


フェルが、俺達が来てから、開拓された土地の場所を指差し、俺に知らせる。


「そうだな。それじゃあサクっと終わらせて、騎士団に行くか」

「はい!」


そういって、鑑定スキルを使って一瞬で終わらせつつ、フェルの頑張りを無駄にしないために、開拓した土地を歩き回りながら、適当に測量っぽい真似をして行き、測量を終わらせる。


「これで測量は終わりだな」

「はい!次は騎士団ですね!」


フェルに引っ張られるように、俺とフラウラは騎士団に向かって歩き初める。

日が傾き、夕日が町を照らし初めるのを見て、


(あー、平和だな~……)


と、平和を噛み締めながらも、帰ったら絶対ソニーに遅いって怒られるだろうな~、と思いつつ、

俺は少女達と、騎士団へと歩を進める。


(願わくば、この平穏が続きますように……)


極当たり前の、願いを祈りつつ、騎士団での用事を済ませて、書斎に戻ると、一通の手紙を持ったエメラが立っていた。


「ご、ご主人様……」

「待て、俺は何も見てない。その、王宮の蝋印のついた手紙なんて一切見てない」


俺は慌てて、手紙から顔を背けて、目を閉じる。


「そ、それって、見えてしまってるんじゃ……」

「……、燃やせ」

「え?」


俺の言葉が、聞こえなかったのか、聞こえてなお理解できなかったんか、エメラが呆けた声を出す。


「……アキヤマ様。観念して下さい」

「あなた……、大事な事だと思いますので、読んで上げて下さい……」

「ツキヒト君……、諦めは肝心だよ?」

「………はぁ」


何故あいつは、俺に平穏を与えてくれないのだろうか?

俺は、王を恨みつつ、エメラから手紙を受け取った。


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