結婚式
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よろしくお願いします。
12月24日、それは、俺の国ならば、クリスマスイブという、クリスマス前日であり、25日のクリスマスト名並んで、大いに商業的にも国民的にも盛り上がるイベントである。
しかし、このエオリアには、クリスマスというイベントは存在はせず、ただの平日と何も変わらない日々なのだが、今年の12月24日は、エオリアにあるアメリア大陸では、歴史に残る大きなイベントになるのであった。
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アメリア王都には、巨大な教会が6つ存在する。
人族の信仰する神、アウレスを祀る教会、アウレス教会。
獣人族の信仰する神、バルサスを祀る教会、バルサス教会。
ドワーフ族の信仰する神、ガレスを祀る教会、ガレス教会。
ホビット族の信仰する神、オルスを祀る教会、オルス教会。
エルフ族の信仰する神、エルミアを祀る教会、エルミア教会。
竜人族の信仰する神、アルバを奉る教会、アルバ教会。
この6つの内、最も巨大で荘厳な教会のアウレス教会にて、本日は、アウレス神の元で愛を誓い、祝福を受け、夫婦となる存在を祝うため、数多くの人々が教会に訪れ、入る事が叶わぬものは、外にまで長蛇の列を作り、主役の登場を今か今かと、寒空の中、楽しそうに待ち続けている。
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「…………」
シンと沈むまりかえる控室の中、主役の一人である男は、極度の緊張から、椅子の上から微動だにせずにいる。
「なぁ大将、緊張するのは分かるが、数万人の注目の中、名乗りを上げたり、戦ったりしたんだろ?他にも色々経験してんだから、いい加減慣れたらどうだ?」
でかい図体に、厳つい顔には、とても似合わない礼服を着た男が、主役の一人である男に、声をかける。
男は、掛けられた言葉に、固まってしまった首を無理やり動かすように後ろを見ると、震える声で反論をする。
「おおおおお、お前、ここここ、これに、くららべたら、ああああんなの、なななななんてことも、ねねねーよ」
控室の室温は、少し肌寒い程度なのだが、男の額には、汗でびっしょりになってしまっている。
これでは、せっかくヘアメイクがセットした髪が台無しだ。
「……はぁ、世界最強の存在が、こんなになっちまうなんてな……」
自分の仕える主であり、世界最強のウィザードである存在が、こんなに緊張してしまう所を見て、(やっぱり大将も人間なんだな)なんて、少なからず安堵していると、どうしても気になる事があるので、聞いてみるとことにしたのだが……。
「なぁ大将、そういえば、大将の家族は来てないみたいだが、家族は呼ばなくていいのか?」
その言葉に、先ほどまで固まっていた男とは思えないほど、はっきりした言葉で返す。
「呼ばなくていい」
急激な変化に、厳つい顔の男、ガラドは、自身が相手の踏み込んでは行けない領域に踏み込んでしまった事を、一瞬で理解する。
「……そうか」
そこからは、お互いは無言で貫き、その間に、主役の一人、ツキヒトは、浄化魔法で身を綺麗にする。
そして、ただ、自身が呼ばれる間、先ほどの言葉を頭の中で繰り返し、問答する。
(家族、両親……、結婚式になれば、生んでくれた事、育ててくれた事を、感謝したりする可能性なんかも考えていたけど、やっぱりそれは無かったな……。俺は、酷い人間なんだろうか……、だけど、あんな環境で感謝なんてできる訳がない……、いや、よそう。今日は大事な祝い事だ。悪いことは考えずに、今日の式のことだけに集中しよう)
「……ふぅ」
小さく深呼吸をすると、丁度、扉がノックされると、教会の関係者が、俺を呼びに来たので、俺は立ち上がり、指示に従って、教会の関係者についていく。
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「お二人共、とても綺麗ですよ」
「本当です!とってもキラキラしてて、いつも以上に綺麗です!」
「えぇ……、本当に、女の私ですら、うっとりしてしまう位、綺麗ですわ」
「……ん、綺麗」
女性側の控室には、この日の為に、王都にいるウェディングドレスを主にデザインする、有名デザイナー達が集まり、心血を注ぎながら、作り上げた、フリルをふんだんに使い、幾つもの刺繍に、細かく砕いたダイヤを散りばめ、綺羅びやかなドレスを着た、二人の女性が並んでいる。
「ありがとうございます」
見る者全てを魅了する程の美しさを持つ、美の女神と言える、アリスが感謝の言葉を返す。
「皆、ありがとう」
それに続き、見る者全てを笑顔にするような、水の女神と言える、ミラが感謝の言葉を返す。
「……うー、緊張でさっきから心臓がドキドキしちゃってるよー……」
ミラは、自身の胸に軽く握った手を、胸に当て、激しくなる心臓の鼓動を感じる。
「そうですね、私も先ほどから、胸がドキドキしてしまっています……」
アリスも、ミラと同じように、自身の胸に手を当て、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。
「……これから、ツキヒト君と結婚しちゃうんだよね……」
「そうですね……」
アリスは、自身の胸の上、過去に奴隷紋があった場所を、指で軽くなぞる。
奴隷は結婚できないと法律で決まっているため、2週間前に、自身の主人であるツキヒトの手によって、
既に奴隷紋は消されている。
消された当初は、自身と主人を繋ぐ糸が途切れてしまった様な感覚に陥ってしまい、不安が胸に積り、
その結果、何度も自らの主人と身体的な繋がりを求めてしまったが、今はしっかりと、心の繋がりを感じている。
そして、その繋がりが、今日を持って、確固たる物に変わる事に、ひどく悦びを覚える中、既に故人となってしまった、自身の両親に対し、目を閉じ、祈りを捧げる。
(お父様、お母様……、どうか私達の事を祝福して下さい……)
アリスが目を開けると、同時に、部屋にノックの音が響き、教会の関係者が、そろそろ出番だと呼びに来たので、指示にしたがい、アリス達は、控室を後にした。
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教会内には、300人もの主役の関係者達が、席についており、主役の登場を今か今かと、待ちわびている。
そんな中、合図と共に、オルガンの演奏が始まり、列席者一同が起立をすると、今回の司式者である、アウレス教会の教皇が入場をする。
そして、その後に続くように、新郎である白いタキシードに身を包んだ、ツキヒトが強張った表情で、入場し、ツキヒトは祭壇より少し前で止まり、教皇は、祭壇の前にまで来ると、演奏が止まり、教皇が開式の宣言をする。
「……っ」
緊張のせいか、心臓が早鐘を打つ中、唾を飲み込む。
そんな中、オルガンの演奏が始まり、聖歌隊が賛美歌を歌い始めると、ついに純白のドレスに身を包んだ新婦二人が、新婦の父、アメリア王国の王と腕を組み、入場してから、一礼をすると、ヴァージンロードを歩み始める。
会場にいる者達は、男女問わず、二人の新婦に目を奪われ、小さく、感嘆の声を上げる者もいた。
そして、普段から彼女達を見ているツキヒトですら、その美しさに、目を奪われてしまう。
そんな中、ゆっくりと、長いヴァージンロードを歩み、ツキヒトの前までくると、王が、ツキヒトを真っ直ぐ見つめ、少ししてから、二人の娘をツキヒトへと送り出す。
「……」
ツキヒトは、アリスとミラを順番に見ると、二人の腕を取り、左にミラ、右にアリスと、腕を組み、祭壇の前へと進む。
祭壇の前まで来ると、3人は立ち止まると、演奏が止まり、教皇の愛の教え禄毒すると次に、誓約の言葉に続く。
「ツキヒト・ウィザード・ガラヴィーゼ・フォン・アキヤマさん。あなたは、エルミラ・アメリア並びに、アリス・ヒューレーと結婚し、妻としようとしています。あなたは、この結婚をアウレス神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、夫としての分を果たし、常に妻を愛し、敬い、慰め、助け、変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が貴方達を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの妻に対して、愛し続ける事を誓いますか?」
「誓います」
ツキヒトが、教皇の言葉に答えると、次に教皇は、アリスとミラに同じ言葉をかける。
「エルミラ・アメリアさん、アリス・ヒューレーさん。あなたは、ツキヒト・ウィザード・ガラヴィーゼ・フォン・アキヤマと結婚し、夫としようとしています。あなた達は、この結婚をアウレス神の導きによるものだと受け取り、その教えに従って、妻としての分を果たし、常に夫を愛し、敬い、慰め、助け、変わることなく、その健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が貴方達を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの夫に対して、愛し続ける事を誓いますか?」
「「誓います」」
二人が、愛を誓うと、次は指輪交換に移る。
「それでは、指輪交換に移ります」
控えていたベストマンは、教皇に指輪を渡し、アリスとミラは、メイドオブオナーに、手袋を渡し、ツキヒトは、教皇から指輪を受け取り、ミラ、アリスの順に薬指に指輪を嵌める。
次に、アリスが教皇から指輪を受け取ると、アリスがミラに指輪を渡し、ミラがツキヒトの薬指に指輪を嵌める。
一連の流れが終わると、教皇は頷き、挙式の最大の目玉とも言える、誓いのキスへと移る。
「それでは、アウレス神の元に永遠の愛を誓うキスを」
その言葉に従い、ツキヒトは、二人を見を見ると、瞳が潤み、自分を見つめる二人に、ミラ、アリスの順に、誓いのキスを交わす。
それを見て、満足そうに教皇が頷き、
「今ここに、アウレス神の祝福を受けた夫婦が誕生しました!皆様、新たな夫婦の誕生とその門出を祝い、大きな拍手をお願いします!」
と、教会中に響きように大きく、新たな夫婦の誕生を宣言する。
そうして、教会中に鳴り響く大きな祝福の拍手の中、ツキヒト達は、腕を組み、式場を後にする。
式場を出ると、用意されていた婚約発表の際よりも、さらに豪奢な馬車に乗り込み、これから王都を何周かしてから、王宮に戻ることになる。
だが、馬車に乗る前に、二人にはどうしても言っておきたい言葉があった。
「二人共、凄く綺麗だよ」
二人に向き合い、式が始まってから、初めてみたウエディングドレス姿の二人に、ずっと言いたかった言葉を、やっと伝える事ができた。
アウレス教の挙式では、式が開始されるまでは、新郎と新婦は会う事を禁止されているため、二人のウエディングドレス姿を見たのは、さっきが初めてだったのだ。
「ありがとうございます。ご主人様も、とても格好良いです」
「ありがとう。ツキヒト君も、凄くかっこいいよ」
はにかんでそ言う二人を、俺は抱きしめて、もう一度キスをする。
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「やっぱりこれは、慣れないな……」
「そうですね……」
「そうだね……」
今回も、婚約発表の時同様に、王都を馬車で何周もし、その間、俺たちを祝福してくれている人達と、俺達の晴れ舞台を必死に録画している、うちの子達の為に、ひたすら、笑顔をで手を振り続けている。
本当は、常に笑顔で手を振り続ける必要は無いらしいのだが、この寒空の中、俺達を祝うために外で待ってくれている人達に申し訳ないので、回復魔法を駆使しつつ、なんとか最後まで笑顔で手を振り続ける事ができた。
「やっと終わりか……」
「そうですね……」
「そうだね……」
王宮前に馬車は止まり、二人と腕を組み、そのまま王宮に入ると同時に、式は完全に終わりとなる為、王宮の扉が閉まると同時に、一気に疲労感を全体で表す。
だが、急に腕を組む力が強くなったと思ったら、二人がこちらを向き。
「ですが、今はとても幸せです」
「けど、今はとっても幸せだよ」
そう、はにかむ二人の笑顔に、俺の疲れは一気に吹き飛んでしまう。
「あぁ、俺もとっても幸せだよ」
その後は、使用人達によって、衣装室に着替えに行き、簡素な服装に着替えた後、王宮の食堂でそのまま遅い晩御飯を始める。
正直に言えば、このままドレス姿の二人と致したかったのだが、まぁ、それは後日でいいか……。
「……なんでお前がいるんだよ」
食堂につくやいなや、王が席に着いてるのを見て、条件反射でつい言ってしまう。
「私も食事がまだだっただけだ。明日は披露宴だからな、その準備に追わていたのだ」
「………」
今日からこいつが俺の義父になったんだよな……。
ミラには悪いが、すっげー複雑な気分だ。
「相変わらずお父さんが苦手なんだね、ツキヒト君は」
後ろから、ひょっこりと顔を出したミラが、俺の顔を見ながら楽しそうに言う。
「そうですね、ご主人様は、お義父様に対して、苦手意識が強いみたいですね」
ミラに続くように、アリスが言葉を続けると、ガチャっと音がしたので、音の原因を見ると、王が、フォークを更に落としたようだ。
そして、その王は、目を大きく目を見開き、アリスを呆然と見ている。
「アリス……、今……」
声を震わす王なんて初めて見たと驚愕していると、アリスが微笑む。
「どうかしましたか、お義父さん?」
「……、私は、お前の……」
険しく、苦痛を感じている顔の王に対し、アリスは優しく言葉をかける。
「お義父様、確かに貴方は、操られていたとはいえ、私の両親を処刑しました。始めの頃は、何故こんなことを、と、悩み、そして、恨むこともありました。ですが、今は貴方の事を恨んでなどいません。いえ、全く恨んでいないと言えば嘘になりますが、それでも、貴方は、昔から私のもう一人の大切な父でした。だから、私は貴方ことを、お義父様と呼びたいんです」
それは、純粋な想いの言葉だった。
両親が無実の罪で、もう一人の父と言える存在に処刑され、自身も奴隷と売られ、その際に酷い怪我を負う等といった様々な不幸があった。
そして、真実を知っても、それでも恨みが無くなる事は無かったが、今、この瞬間の気持ちは、間違いなく本物だった。
そして、こんな気持にさせてくれたのは、絶望の中から自身を救い上げ、自身を愛し、今日というこの日を迎えさせてくれた、自らの主人のおかげだ。
そうでなければ、きっと、今も王の事を恨み続けていただろう。
「お義父様、今まで見守ってくれてありがとうございます。私は、今、とても幸せです」
両手を胸にあて、目をつむり、心の内を明かすアリスに、王はただ一言だけ返す。
「幸せになれ、アリス」
「はい」
視線を交える二人に、俺はなんとなくいたたまれない気持ちになってしまう。
だが、そんな空気をぶち壊す存在がいた。
「ちょっと待って!私も今、とっても幸せだよ!今まで育ててくれてありがとう、お父さん!」
「………」
こういってはなんだが、一応実子であるミラより、アリスの方が、よっぽど実の娘っぽいと感じてしまうのは、仕方の無いことだと思う。
「そうか、まぁ、幸せになれ、ミラ」
「うん!」
ちょっと雑な扱いなのだが、全然気にした様子のないミラに、王はただ呆れるだけだった。
「おい、一応言っておくが、返品は受け付けないからな」
「お前……、ミラに対して厳しくないか?」
「えっ!?私何か変なこと言った!?」
会話の意味が分からず、慌てだすミラだが、アリスがそれを宥める。
「大丈夫ですよ、ミラちゃん。お義父様は照れているだけですから」
「えっ!?お父さんって、照れることなんてあるの?」
「………」
うん、今回は普通に同情する。
「はぁ、返品する気はさらさら無いから安心しろ。というか、返せって言われても絶対返さないからな」
「そうか、それで、お前は私の事を、お義父さんと呼ばないのか?」
「なっ!よ、呼ぶわけねーだろ!」
突然こいつは何を言い出すんだ!
確かにお義父さんと呼ばないと行けないのかな~なんて、ちょっとは思ったりはしてるけど……。
「そうか、それは良かった。お前にお義父さん等呼ばれたら、体中に蕁麻疹がでて、仕事に支障をきたしてしまう」
「………」
こいつだけは、まじで一回ぶん殴りてぇ……。
「ぜってー呼ばねーから安心しろ」
「ふん、明日は10時から披露宴だ。各大陸からも重鎮がやってくる。粗相の無いようにな」
「わーってるよ」
王はそう言って、立ち上がると、食堂から出ていく。
だが、食堂を出る前に、アリスに声をかける。
「アリス、そいつはもう奴隷の主人ではなく、お前の夫だ。いい加減、ご主人様等と言い方は止めろ」
そう言って、食堂を後にする王に、アリスは、数秒立ってから、やっと返事を返す。
「はい!」
そして、今の流れからすると、当然アリスはこちらの事を見る。
それに対して、俺はこれから言われる事に、ドギマギしながらアリスの言葉を待つ。
「えっと…その…」
珍しくアリスは挙動不審気味になりながら、何度も、俺と地面を交互にチラチラと見、しばらく俯いていると思ったら、覚悟を決めたようにこちらを真っ直ぐに見つめ
「あ、あなた……」
「っ!な、なんだ……」
顔を真赤にしながら、『あなた』と呼ぶアリスに、こちらまで顔を真赤にしてしまう。
「えっと、その……、愛しています、あなた」
「……、俺も、愛しているよ、アリス」
見つめ合う二人は、そのまま距離を近め、長いキスを交わす。
そして、唇を離すと、ミラが俺の腕を掴み、自分の方に向ける。
「ねぇ、ツキヒト君、私も『あなた』って呼んだ方がいいのかな?」
少し不服そうにしながら、ミラがそんな事をいうのだが、俺はそれを全力で拒否をする。
「駄目!ミラにはツキヒト君って呼んで欲しい!」
「それは、私はツキヒト君の妻として駄目ってこと?」
急に目を潤ませるミラの肩を掴むと、俺はそれを全力で否定する。
「違う!俺は君づけも好きなんだ!この、なんていうか、幼馴染や同級生とか先輩に呼ばれている感じがして、大好きなんだ!だから、是非ともミラには、今まで通り君付けで呼んでもらいたい!」
大きな声でまくし立てる俺に、ミラは驚きながらも、なんとか頷く。
「えっと、それじゃあ……、愛してるよ、ツキヒト君」
「俺も愛してるよ、ミラ」
そういって、ミラを抱き寄せ、長いキスを交わす。
唇を離し、ミラと離れると、ここが食堂であり、今までの事を全て、食堂内にいる使用人達に見られていることに気づくが、使用人達は、優しげな目でこちらを見ているので、なおさら恥ずかしくなってしまう。
とりあえず、食事を取ることにし、席につくと、すぐに食事が前に出され、王宮の料理に舌鼓を打ち。
食事が終わると、もう俺達専用と言える、部屋に向う。
そして、部屋に入ると、明日は披露宴?なにそれ?そんなこと知ったこっちゃねーよ!こっちには魔法様が付いているんだ!何も怖くねーよ!と、もう辛抱堪らず、即座に記憶から解析、複製をし、ウエディングドレスを作り出すと、二人に着せ、そのまま夢だった、ウエディングドレスを着たままのプレイを叶える事ができたのだった。
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ガラヴィーゼ領の屋敷には、たびたび女子会が開かれる部屋がある。
今日の女子会の参加者は、大人組のほとんどが揃っていた。
「今日のご主人様達はとても素敵でしたねー」
「そうですわね。私もウエディングドレスを着てみたいですわ」
「ディーナさんはいいですね。もうご主人様と結婚される事が決まっている同然ですし」
「そんなことありませんわ、まだ側室の可能性もありますもの。私は、側室でも全然構いませんが」
「私なんて、側室でも構わないって言ったのに、未だに寝室に呼んでもらえないどころか、後から着たヴィーナさんに抜かれる始末……うぅぅ」
古残のメイドなのに、最近入ったばかりのヴィーナに、既に抜かれてしまった事に、ショックを受け、エメラダは、机に突っ伏して泣き出してしまう。
だが、これも、割りとよくあることなので、誰も対して気にしない。
「でも、本当にウエディングドレスには憧れますよね」
「そうね、気持ちは分かるわ。あー、どこかにいい男いないかしら」
「あれ?ヴィリーナさんはご主人様狙いじゃないんですか?」
「う~ん、前にアン達に言ったんだけど、私ってメンクイなのよ」
「あ~、ご主人様は確かに、イケメンとは言えませんからね……」
机に肘を突きながら、手に持つ、ウィスキーの入ったグラスを揺らしながら、本音を言うヴィリーナに、ラクリスは言いづらそうしながらも、自らの主人の容姿を評価する。
「アンさんは最近、マークさんといい感じみたいですね」
「えっ!そうなの!?」
ラクリスの言葉に、突っ伏していたエメラダが反応する。
「あぁ、そういえばそうね。前に様子を見に行った時、やたらと距離が近かったし」
「ってことは、やっぱりそういうことなの?」
「ほとんど毎日、店で一緒に過ごしているのですから、そうなっても可怪しくはないですわね」
女性陣は、机に前のめりになりながら、友人の恋の話に夢中になる。
そんな中、一人だけ、グラスを両手で持ったまま、ボーッとしている者がいる。
(結婚か……、私ももう結婚しててもおかしく無い年なんだけどなぁ~。でも、相手が……)
友人達の会話を聞きながら、ソニーは、一人の男性の事を思い浮かべる。
「そういえば、ソニーは、ご主人様の事どう思ってるの?」
「えっ!?」
急に声を掛けられ、驚いてグラスを落としそうになってしまう。
「わ、私ですか?」
「そうそう、ソニーとご主人様って、なんかこう、結構いい感じ何だと思うんだけど」
「ま、まさかソニーさんにまで、私は抜かれるのでしょうか……」
「あ、私も気になりますわ」
「そうえいば、前にお風呂で、アリス様達とご主人様の事でお話してましたよね?」
「えっと、それは……」
ラクリスの言葉にドキッとしてしまい、その隙きを他の女性陣は見逃さない。
「これは何かありましたわね」
「えぇ、絶対ありったわね」
「ソ、ソニーさん、ま、まさか……」
「どうなんですか、ソニーさん」
「じ、実は……」
女性陣の攻めに耐えきれず、ソニーは、前にお風呂でアリスに言われた事を、話してしまう。
「あー、たしかにアリス様ならいいそうなことね」
「そうなのですか?でも、アリス様のおっしゃる事はよく分かりますわ」
「そ、それが本当なら、私も大丈夫ですよね!」
普段のアリスを知っている者なら、そんな壮大な事を言っても別に不思議ではないと、ヴィリーナとヴィーナは納得する。
「それで、ソニーさんは、ご主事様の事が好きなんですか?」
「え?」
ラクリスの問に、ソニーは固まる。
(私が、アキヤマ様の事が好き?)
しばらく、俯いて考えたのち、ぽつぽつと、ソニーは自分の気持を答え始める。
「どう、なんでしょう。確かに、アキヤマ様は、非常に好感が持てる人だと思っています。でも、それは恋とか愛なのかは、分かりません。ただ、アキヤマ様とのやりとりは、とても楽しいです」
(そう、アキヤマ様との会話は、とても楽しい、最初は、忙しい中、あっちにいったりこっちにいったりして、ただでさえ忙しく、やることが多いのに、禄に領主として務め無い人だと思っていたけれど、私の知らないところで、領民の事や国の事を考えていて、私が言えば、ちゃんと期待に答えてくれる、とても頼りがいのある人、そして、そんな人に頼られると、私も嬉しくて、頑張ってしまう。これは、恋なのだろうか?でも、何か違う気はする。私とアキヤマ様は、恋とか愛じゃなくて、そう、仲間とか相棒とか、
そんな感じなのかもしれない。そう、私は、この今の距離感が、とても心地いいんだ)
「ソニー?」
俯いて、黙り込むソニーに、ヴィリーナが心配そうに声をかける。
「私は、アキヤマ様の事が好きです。これは間違いありません。ですが、この気持はまだ恋でも、愛でもありません。一緒の仕事をする、仲間や相棒といった者に対する、好意だと思います」
ソニーは、顔を上げると、全員に自分の気持を話す。
これは、恋でも愛でも無い、と。
それに対し、皆は呆然としてしまう中、ヴィリーナだけが、一人でニヤニヤしている。
「な、なんですか、ヴィリーナさん。私、何か変な事を言いましたか!?」
「いえいえ、な~んでもないわ。ソニー」
ヴィリーナの反応に、ソニー以外の全員も首を傾げる。
「さぁ、明日は王宮で披露宴だけど、明後日は、ここでもやるだんだから、その為の準備をしなくちゃいけないんだし、そろそろ解散にしましょう」
「っちょ、ヴィリーナさん、話はまだ終わってませんよ!」
「はいはい、ソニーは特に事務で忙しいんだから、早く寝なさい。それじゃあ、私は先に戻るわね。
おやすみなさい」
「ちょっと!ヴィリーナさん!」
ヴィリーナは、一人席から立ち上がると、部屋から出ていってしまい、ソニー以外は、ただ呆気に取られるだけであった。
(うふふ、まだ、恋でも、愛でも無いですって。それじゃあ、いずれかはそうなるって言ってるような物じゃない。ソニーったら、自覚してないだけで、ご主人様の事をやっぱり異性として、好きみたいなのね。あの様子だと、しばらく時間は掛かりそうだけど、いずれは、ご主人様のハーレムの一員ね)
友人の自覚の無い感情に、頬を緩ませながら、ヴィリーナは廊下を歩く。
そうして、自身にも、早く春が来ないかと、誰もいない廊下で、独りごちるのであった。
「あ~ぁ、どこかに、イケメンのいい男いないかしら」




