過去
「因みに神無も一時期花屋の下に居た事があるから強者と呼ばれるもの達の一人なんだよ。ね?神無」
菫さんはそう言うと、後ろの木の上を見上げた
「その強者が本気で隠れてんのになんで分かるんだよお前は」
「んー?秘密ー」
そう言うと神無は木から飛び降りてこちらへと歩いてきた
(神無居たんだ、全く気付いてなかった…)
「なんだなんだ菫、嫌味か?」
「ははっ、そんな事ないよ。強者の神無さん」
「はっ、元三強がよく言うよ」
は?
(は?)
「は?」
サラッと今爆弾発言をされた気が…
「え、菫さん元三強なんですか?…」
「おう、そうだぞ」
「元だけどね、元。昔は今とは違い三強=強者じゃなかったんだ。だから私みたいなのでも務まっていたんだ」
「こいつは今でこそ一人だが、三強時代前後の全盛期は他に類を見ない最大の組織のトップだったんだぞ」
「そうそう、確かその頃に神無と出会ったんだよね」
菫さんそんな凄い人だったのか…
「せっかくだから蓮に教えてやろう。ちょうど俺らが出会う頃に花屋、菫、そしてもう一人が初めて三強と呼ばれ始めたんだ、それが三強の始まりだ」
「いや〜懐かしいね〜」
「え、て事は菫さん花屋と同じ最古参なんですか?!こう言っちゃなんですけど、とても同じレベルに思えないと言うか…」
僕がそう聞くと神無と菫さんの二人は笑って
「おい、言われてんぞ菫」
「あっはっは、言われちゃったよ神無」
「いいか、蓮そもそもこいつは強さで三強の一人の強さだったんじゃない。こいつが三強だった頃は花屋もほぼ配下が居なかった。そしてその頃はまさに弱肉強食だったんだ」
「あの頃は弱者の血を得ると弱くなるって事も知られてなかったからね」
「そんな中弱者を束ね、強者に対抗し始める組織が出来た。そのトップだったのが菫だ」
「私も実感していたし、実際弱肉強食の時代だったからね。噂が噂を呼んで、いつの間にか現代までを含めた喰らう者の歴史を見ても歴代最大人数の組織になっていたんだ」
「そして三強と呼ばれるようになってすぐ、もう一人の三強がこいつに対して挑発を繰り返していた。その結果そいつとこいつの全面戦争が始まった。そしてこいつは最終的に一騎打ちでそいつに勝った。戦いの結果としても、一応こいつは勝ったんだ」
あれ?菫さんって強くないんじゃ?
「菫さんそんなに強いんですか?」
「なんだ菫、蓮に能力の説明してなかったのか?教えるなら真面目に教えろよ」
「お前が言うなお前が!私の能力は基本的に香りを使って幻覚を見せたり、一時的にだが身体能力を上げること…もちろん下げる事もできるんだ」
「まぁ要は最強のバッファーでもあり、デバッファーでもあるんだ」
「て事は自分にバフをかけて相手にデバフをかけて勝ったんですか?」
「はは。出来たらいいんだけどね。強者には私の能力が効かないやつが多くてね。勝ったと言ってもその時メンバーの大半を失ったし、私もギリギリ勝った感じなんだ。だからその時私は三強を引退した」
「なぁーなんだかんだ三強に勝ったんだから、引退する事ねぇのにな?そう思わねぇか蓮?」
いや、僕に振られても…
「まぁ、菫さんの事だから何か理由があったんじゃないですか?」
「そうだよ、馬鹿な神無には分かんないだろうけどね」
「んだとこの野郎」
「花屋にも止められたんだけどね…まぁ、こんな私をボスと認め、着いてきてくれたもの達を沢山死なせてしまったからね。そのせめてもの償いさ」
そう話す菫さんはいつの間にか暗い雰囲気になっていた。だが、そんな事は特段気にせず神無が話し始める
「な?」
いや、「な?」と言われましても…
あれ?
「それだと花屋と顔見知りなはずなのに、何で花屋は前菫さんの事を知らないような感じだったんですか?」
「ん?あぁ私は昔は自分の顔を能力と服で上手い事隠してたからね」
「まぁ、だから菫が初代三強の一人ってことを知ってるのは俺くらいだな」
神無、お前…そんな重要な事をあっさり言ってたのか…
「因みに、私が引退した後空いた二枠のうち片方に入ったのが死神さ」
「もう一人は一時期俺の師匠だったやつだ。死神と花屋はそれからずっと三強のままだが、もう一人は何回も変わってるからな、わざわざ知らなくてもいいだろ」
「そうだね。まぁ大体分かったと思うけど特別私が強くて三強だった訳じゃないんだ」
じゃあそんな元三強にこんな馴れ馴れしく話してる神無は何なんだ?…




