三人の強者
僕が少し落ち着いた頃、ようやく三強と呼ばれるもの達が現れた。
すると神無が
「今度は俺が三強について説明してやる」
と、自信満々に言ってきたのでお願いする事にした。
「そしたらまずあそこに座ってる着物のやつ見えるか?」
「あの布みたいなのを顔に付けてる人?」
「そう、それだ。あれが現最強と言われ、最古参の一人でありながら未だに謎が多い「花屋」だ」
花屋?なんで花屋なんだろう?
「なんで花屋なの?」
「さっき菫が話してたが、俺ら喰らう者は血を使って戦う。花屋はその名の通り花を中心とした植物を作り、戦う。だから花屋だ。」
神無、どっかでこっそり聞いてたんだな…
「神無、お前やっぱり私らの話こっそり聞いてたんだな」
「ソンナコトネェヨ勘だ勘」
「まぁそれはともかく、私らは基本根本の血を使って戦うのは同じだけど、個体によって使える能力が違うから基本能力がそのまま通り名になるんだ。まぁこの話はまたおいおいにしようか」
そう菫が説明してくれると不満そうに神無が
「俺の言う事取りやがって」
と言った。
「ごめんごめん」
「まぁ、いい。花屋の直接的な配下…まぁ、仲間だな。あいつらは狐の面を常に着けているから狐火隊と呼ばれている。少数だが全員が強いから喧嘩を売らねぇのが吉だ」
(顔を隠しながらも、統一感があってかっこいいな)
「そしたら次にあそこでバイクに寄りかかってるデカイのが――」
そう神無が指を指した先に居たのは、間違いなく、僕の家族を襲ったやつだ。あの翼、間違いない。
僕は考えるよりも先に体が動きあいつに襲いかかりに行きかけたが、菫が止めてくれた。
「ちょ、待ちな、って力強いな。神無手伝え」
「おいおい、どうした蓮。落ち着、うぉいっ。確かに力強ぇな」
「二人とも離してくれ。あいつが、あいつが僕の父さんと母さんを」
「とりあえず一回落ち着け、今行ってもあいつの配下も取り巻きもいるから勝てっこないぞ!」
するとどこからかフワッといい香りがしてきて、途端に心が落ち着いた。
「落ち着いたかい?」
「は、はい。すみません」
「いやいや、私だって君と同じ状況ならきっと同じように動いたよ」
「ひとまず蓮が落ち着いたなら話を進めるが…大丈夫か?」
「大丈夫、お願い」
神無は菫と顔を見合せて話を続ける
「そしたら次に俺らがやばいと思ったら無理やりどっかに連れてくからな」
「あぁ、分かった」
「あいつは堕天使。六本の黒い翼があるからそう呼ばれている。新参ながら圧倒的戦闘能力、カリスマ。そして近、中、遠距離において最強クラスの能力で三強に上り詰めた」
「けどまぁあいつはいい噂を聞かないから。ないと思うけど関わらないようにね」
「そうだな、花屋とはまた別の方向で関わらねぇ方がいいやつだ。配下も全員元ヤンキーや半グレ、ヤクザ紛いの奴らから選ばれたヤバいやつ代表的な奴らばっかりだ。個々の強さはそれ程まで高くは無いが数は多い、花屋とも正面からやり合えるとさえ言われてるやつらだ」
「まぁ、だから今はまだ戦いを挑まない方がいいよ」
「ありがとう、多分大丈夫」
菫はそう僕が答えるとホッとした様にようやく離してくれた。
「そういえば三強って事は多分三人いるんだよね?」
「あぁ、そうだな」
「もう一人は誰なの?」
そう聞くと神無は黙り少し悩んでから
「悪い、菫。頼めるか?」
「はいはい分かったよ。もう一人はね花屋と同じく最古参だと思われている「死神」ってやつさ」
「思われている?」
「そう、死神については情報が花屋よりも無くてね、能力は死神の持つ様な大きい鎌で、かつほぼ姿の情報も無いことから死神と呼ばれている」
そう菫が言ったところで神無が割り込んできて
「因みに俺も鎌の能力だ」
「けど死神の鎌よりだいぶしょぼい鋸鎌だけどね」
「鋸鎌…確かにしょぼい…」
「しょぼいってなんだよしょぼいって。菫の能力の方がしょぼいだろどちらかといえば」
「はは、それもそうだね」
「菫さんの能力って?」
「ん?あぁ私のは教えるより見てもらった方が早いかな」
そう言うと菫さんからフワッといい香りがしてきた
「これが私の能力。血を霧状にする事で香りを出せるんだ、精神を落ち着かせるくらいしかできないから戦闘向きではないけどね」
「落ち着かせる能力…て事はさっきのも?」
「そうそう、賢いね。神無とは大違いだ」
「おい」
「さっきみたいに不意なら落ち着かせられるんだけど実際戦闘中とかは対応されちゃうし、私のは基本対応されると無力だからね」
「ちょっと待て、今サラッと俺を馬鹿にしなかったか?」
「因みにある程度血を操れるようになると身体の内側から血を操って、皮膚を切って能力を使えるようになったりもするよ。試しに見せてあげてよ神無」
そう菫が言うと神無は嬉しそうに
「仕方ないなー特別だぞー?」
と言いながら見せてくれた。
すると神無の手から一瞬血が出たかと思うと一気に鎌の形に変わった。
「まぁ、こんな感じだ。喰らう者は大体これは出来るから蓮もやれるようになると思うぞ」
そう言うと今度は鎌が血になり身体の中へ戻って行った。




