幹部
「持ってきました」
そう言って部屋の扉が開き、手にマントを持った水さんが帰ってきた。
「お、じゃあ早速着けてみてくれ」
正面の飾りの部分が上手くできず、水さんに手伝って貰ってマントを着けた。
「おぉ、いいじゃないかいいじゃないか」
そう言って桔梗さんは拍手をしてくれた。
「ありがとうございます」
そんな桔梗さんの姿に、僕の顔には思わず笑みが浮かぶ。
「ところで水」
「なんですか?」
「頼んでた地域の管理の方はどうだ?順調か?」
「はい」
はい?!そう言えば一回も行ってない気がするけど…
「今のところは特段反乱しようというやつや、暴れてるやつはいません」
「そうか、なら良かったよ」
「ただ、元々堕天使の土地だった影響か半グレの様なやつや荒くれ者の数はかなり多いですね。今のところ大きな動きは無いですが、もし固まって戦いに来られると俺と蓮君の二人では抑え込めないかと」
「そうか、ひとまず他の場所も安定してきたからいずれ人は送り込めると思う」
「ありがとうございます」
「そしたらひとまず、そのマントは私が預かっておこう。その隊服はそのままでいいが流石に幹部では無いものが幹部服にマントまで着けているとややこしいからな」
「分かりました」
そう言って僕はマントを外そうとしたが…これまた手間取ってしまい、結局水さんに手伝ってもらって外した。そしてマントを桔梗さんの手に渡した。
「幹部になるとしたらまずはマントを自分で付け外しが出来るようになるところからだな」
そう言って桔梗さんは笑った。
桔梗さんと話し終わったので、ひとまず僕と水さんが担当している地域へと向かう為自室へと戻る道中で、僕は気になった事を水さんに聞いていた。
「水さんいつの間に担当する地域を見に行ってたんですか?」
「ん?あぁ、君が他の隊員と話したり寝ている間にね」
凄いな。全く気付いていなかった。
部屋に戻り、水さんが隊服に着替えているのを部屋の外で待っている間、違和感に気付いた。
「よし、俺も着替えたから行こうか」
「あの、水さん…あれ?その服…」
水さんが来ている隊服は僕と同じもの。つまり幹部服だ。
「あれ?言ってなかったっけ?俺も一応昔桔梗様の側近だったからその時のままで一応幹部なんだよ。ま、最近はなんにもしてなかったけどね」
言われてみれば確かに…新入りともう一人にあんな広い地域を任せたり、桔梗さんと普通に話せてたり、普通の人なら説明出来ないもんな。
「あれ?マントは着けないんですか?」
「マントはほぼ飾りだからね。桔梗様の近くに常にいる側近とか、三強同士の会議とか何かある時位しか着けないよ」
そうなんだ。あ、そうだ
「ところで、さっきから他の人が全く見当たらないんですけど、何かあったんですか?」
「ん?言われてみれば確かにね。何かあったのかな」
「水さんも分からないんですか?」
「うん。言われてみれば確かに人全然居ないね。まぁ、人手不足なんだよきっと」
そうか、人手不足か。
「ま、いいやさっさと向かおうか」
「はい!」




