想ひ出
「さて、蓮君大丈夫か」
「はい、ちょっと色々急に分かったのでショックというか混乱しているというか…」
「そうか。自分で歩けるか?」
「歩けます」
「そうか。そしたらゆっくりでいいから着いてきてくれ」
狐火隊の人に着いて部屋を出ると、広く長い廊下に出た。
その廊下を進む狐火隊の人に僕は着いて行く。
周りを見ていると何か違和感を感じた。
「なんでここら辺は同じような部屋がいくつもあるんですか?」
換気のためか開いている部屋の扉からは僕と桔梗さんが話していた部屋と同じような部屋がいくつも連なっている。
「ここら辺は一応尋問をしたりする用の部屋なんだ。警察とかで言うと取調室だな」
「えっ…」
だからどの部屋も壁は白単色で殺風景なのか。
「まぁ最近はその目的で使われることはほとんど無い。最近だとさっきみたいに一対一で話したい時とか一人で作業したいやつが使ってるな」
「なんでわざわざここで話すんですか?」
「まぁ、部屋が小さめで丁度いいし何より壁もある程度頑丈でしっかり防音もしてるからな」
「へぇー」
「まぁ、神無はそんな壁を気に入らないって理由で壊して一部屋だけ他の三部屋分の大きさの部屋もあるが…」
そうか、神無もここに来たのか。
「あれ?神無の知り合いだって聞いてたんだけど…違った?」
「いえ、合ってます。ただ神無もここに来てたんだと思ったらなんだか感慨深くて」
「そうか、神無がここにいた頃の話が聞きたければまたいつでも話してやるよ」
そんな話をして歩いていると、先の方から話し声が聞こえてきた。
「でよ〜。お、水じゃねぇか、んじゃそこのやつが噂のあの子か?」
「だから俺は水だって言ってるだろ。まぁいい、蓮君こいつらは僕の隣の部屋で同じチーム。君にとっても同じ立場になる二人だ」
「よろしくな」
「ん、よろしく」
「よろしくお願いします」
「んじゃ新人に挨拶したし、俺らは今から外だからまたな水」
「あぁ、またな」
その後少し進んだところで
「よし、ここが俺とこれからお前の部屋になる場所だ。覚えとけよ」
「ありがとうございます」
「あ、そうだ。今から蓮君のベッド用のシーツとか貰ってくるから先入っててくれ」
僕の事なので僕もついて行こうと思ったが「先輩としていい所見せさせてくれ」と言われたのでお言葉に甘えて先に部屋に入った。
部屋の両側には二段ベッドと下の部分に机が置いてある。
正面の壁には時計が一つだけかけてあった。
左側のベッド周辺は壁も白くシンプルで机の上には水と植物だけのアクアリウムが一つ置いてあるだけだった。
対照的に右側の机周辺は壁紙も張り替えてあり、ポスターもいくつか貼ってあり、机の上には漫画が何冊か無造作に置いてあった。
しかしベッドの上にある漫画だけは綺麗にまとめてある。
「ごめんちょっと通るよ」
そう言って水さんは戻ってきて右側のベッドの上にシーツ達を置いた。
「こっちが君が使う予定なんだけど。元々神無が居た時のままだから壁とか変えたかったら言ってね」
神無の…
「いえ、このままで大丈夫です」
ベッドにシーツを敷いたり、枕を準備し終わった時部屋の扉が叩かれた。
「はい?」
「すまない、私だが。伝え忘れていた事があってね」
「桔梗様?!すみませんすぐ開けます」
そう言うと水は慌てて部屋の扉を開けた。
「すいません今散らかってますが中へどうぞ」
「あぁ、いや。ここで構わない」
「そうですか。それで伝え忘れていた事というのは?」
「蓮の事なんだが。蓮は私の姉の子孫、つまり最初の喰らう者の血を引き継いでいる」
「?!」
いやそんな馬鹿なみたいな顔で驚かれましても
「それと蓮は死神の血で喰らう者になった。だから純血にかなり近い」
「?!」
いやそんな化け物を見るかのように引きながら驚かれましても。
「そう言う訳で私と同等、或いはそれ以上の強さになる可能性もあるから気を付けて見てやってくれ」
「か、かしこまりました」
桔梗さんは話し終えると早足でどこかへと向かっていった。
「蓮君。君中々凄い人だったんだね…もしかしてさっき話してた時桔梗様の素顔みたりした?」
「えぇまぁ、布を取って話してたので」
「ほんと?!どんな顔だった?教えてくれない?」
「そんな知りたいんですか?」
「そりゃね。俺含め桔梗様の配下でも素顔を知っている人はもう誰も生きていないんだ」
て事は昔は知ってる人が居たのか
「しかも桔梗様は、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」を体現した様なお方だろ?お顔をさぞ美しいんだろう。ね?教えてくれないか?」
んー、でも顔隠してるなら表情のことも言っちゃダメかもしれないし…
「内緒で♪」
「そんな殺生な…」




