真実
「さて、何から話したものか」
僕は花屋の拠点に着くと、小さめの部屋に連れていかれ、いつの間にか花屋と一対一で話す事になっていた。
花屋は何枚かの紙を見ながら何か悩んでいる様子だった。
「ひとまず自己紹介でもしようか。私の名は「藤咲桔梗」だ。まぁ桔梗とでも花屋とでも君の好きなように呼んでくれ」
(本人に花屋さんって言うのも変だけど名前も呼びにくい…)
「そして調べていた君の名字は「藤咲」。君の名前は「藤咲蓮」だ」
「そうだ藤咲だ!あれ?それだと」
「そうだ。私は君の先祖…正確にいえば私の姉が君の先祖に当たる」
僕がその事実に若干混乱しつつ、血が繋がっているとはいえほぼ他人なので反応に困っていると、それを察してか顔に着けていた布を取って話を続けた。
「君は他よりも圧倒的に能力が強かったりしなかったかい?」
「あ、そう言えば神無に成長速度早いし強くないかって言われました」
「だろう?それは君が私の姉の子孫である事の証拠だ。蓮は元々最初の喰らう者が誰か知ってるかな?」
「いえ、特には。神無からも菫さんからも何も言われてないですし…そもそも喰らう者って最初の人が居るんですか?」
「そりゃそうさ、喰らう者が人類誕生から居たら人類はとっくに滅んでるよ。最初の喰らう者、それは私の父親だ。突然変異だと思ってくれればいい」
「てことは僕も最初の喰らう者の血を引き継いでいる?」
「そうだね。だから血の適応が早かったり、能力が強かったりする。そもそもの体内に流れる細胞や血肉が喰らう者になる前の人間のものを引き継いでいるからね」
花屋はそう言うと、私の顔を見てみろと言わんばかりに指をさして話し出した
「私の顔には表情が無いだろう?」
たしかに先程からずっと真顔だと思っていたが
「はい」
「元々最初の喰らう者の血によって喰らう者になったのは私含め極わずか、今となっては私と死神だけになってしまった。一番最初に喰らう者となった世代は血が限りなく喰らう者の純血に近いから強かった。しかしその反面全員感情が無かった」
「襲われた人間と同じようにですか?」
「そう。そして私は喰らう者の血筋だったからか、感情はあるが表情が無くなってしまったんだ。だから顔を隠して過ごしている。だから君は純血に近い喰らう者と同等まで能力が高くなる可能性がある。つまり私とあの死神の戦闘に割って入れるレベルになるかもしれない」
「ですが僕、死神にはあまり怨みが無いんですが」
「そこがもう一つ君に話さないといけないことだ」
?
「君の家族が襲われた日、そして菫が襲われた日。このどちらの日も話を聞いた感じ、襲われた時間堕天使は私達と一緒にいたんだ。つまり堕天使にはアリバイがある」
「え?じゃあ一体誰が?…」
「死神は殺した者の記憶、能力、そして姿を得られるんだ、人間も喰らう者も関係無くね。そして堕天使には見た目も能力もそっくりな双子の兄が居た。そしてその兄は死神によって殺された。ここまで言えば大体分かるかな?」
「僕の家族や菫さんを襲ったのは死神?…」
「そう。そして君は死神の限りなく純血に近い心喰いの血、そして最初の心喰いの血を引いている。つまり君はほぼ純血だ。だから純血の者たちと同等の強さになれる可能性もあるってことさ」
「じゃあ僕が今まで堕天使に復讐しようとしていたのは?」
「死神の手のひらの上だった…って事だろうね。君が家族を襲われた時死神に名前を呼ばれたってのも親の記憶からだったんだろうね」
「そんな…じゃあ今まで僕がしていた事は無駄だったって事?…」
「それに関してはなんとも言えない。だが少なくとも私は君が、姉の子孫の最後である君が生きていてくれて嬉しいよ」
そこまで話すと、花屋は顔に布を戻し狐火隊の一人を呼んだ。
「お呼びですか?」
「あぁ。確か君の部屋はまだあの時のままだろう?」
「そうですね。片付けようか悩んでいたところです」
「それなら丁度良かった。この子を君の相方にして休ませてあげてくれ」
「了解しました」
「そしたら私はやる事があるから後は頼んだぞ」
「はい」
「じゃあな蓮。少し休んで聞きたいことがあったらまたいつでも聞きな」
そう言い残し桔梗さんは部屋を出て行った。




