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心喰い  作者: ラム肉
第一章
18/35

決着

立ち上がろうとした時、堕天使が翼から羽根を飛ばしてきた。

僕は咄嗟に避けられたが、周りに居た喰らう者は何人か当たってしまった様だ。


(配下達が離れてたのはこれが理由か)


そんな僕を見てか堕天使が更に煽ってくる


「ほらほら、どうした!こんなもんか?逃げてるだけじゃ勝てねぇぞ」


んな事は


「分かってんだよ!」


煽りにのらされたようで気に入らないが、僕はもう一度全力で堕天使に殴り掛かる。


するとまた同じように翼で防ぎに来た。

が、助走があったからかは分からないが、堕天使の体が少し後ろに下がった。

僕はそれに気付き、勢いそのままに更に追撃を仕掛ける。

堕天使も翼で防いでいる為ダメージはほぼ無さそうだが、体はゆっくりと下がっていっている。

そして更にもう一発、と拳を握った時背中に何かがぶつかった。


しかしそのお陰で更にスピード、勢い、威力が上がり今度は堕天使がバランスを崩し、背後に跳んで倒れた。


それを見て僕に対し、周りの配下達が迫って来たのを堕天使が一言で止めた。


「おい、こいつは俺様の獲物だ。手ぇ出すな。出したやつは後で俺様が殺す」


そう言うと立ち上がり、足に着いた土を一度払うようにしてからこちらへゆっくり歩き始めた。


「認めてやろう。お前は俺様が思っていたよりは強かった。しかしそれだけだ」


そして堕天使は体を隠す様に翼を丸め、姿が見えなくなった。

僕は更に攻撃が来ると思い構えたが、堕天使が次の攻撃を放つ事は永遠に無かった。


堕天使の背後側…僕の正面に居る配下達が何やらザワついている。


ゆっくりと堕天使の体が倒れた。

そして僕の見えていなかった場所から堕天使の首、そして首を手に持った神無が現れた。


「っえ?…」


姿はたしかに神無だ。しかし言葉に言い表せない違和感がある。

それに神無はわざわざ僕に堕天使と戦わせた。自分が配下を倒す事を引き受けて。

こんな一瞬で倒せるのなら神無が堕天使を倒し、その後配下達を倒せばいい。


僕が反応に困っていると神無の方から話しかけてきた。


「おい、蓮。よくやったな。お前のお陰で勝てた」


声も確かに神無の声だ。

しかし何処か威圧感のある声…そう花屋や堕天使の様な。


周りの堕天使の配下達も何か違和感を感じるのか、黙っていて何も喋らない。もしかしたら堕天使を殺された衝撃が怒りや怨みの感情を上回っていて反応出来ないだけかもしれないが…


「…ねぇ、一つだけ馬鹿みたいなこと聞いてもいい?」


「ん?なんだ?」


「お前は誰だ」


「?ははっ。何言ってるんだよ蓮。俺は神無だぞ」


そう笑いながら神無は近付いてきた。ゆっくりと、ゆっくりと…

そして手を伸ばせば触れるかどうかの距離に来た時、突然一瞬殺気を感じたと同時に


「彼岸」


と、静かに殺気立った声が僕の背後から聞こえてきて、いつの間にか足元…辺り一面の地面が赤い彼岸花で埋まっていた。


それに僕とほぼ同時…いや、僕より早く気付いた神無は一瞬で背後へと飛び、彼岸花の咲いていない地面に着地した。

僕も離れようとして全力で地面を蹴るが、彼岸花に絡まれて身動きが取れなかった。


そんな僕の横をゆっくりと誰かが歩く。


「よぉ、久しぶりだなババア」


その神無の言葉と同時に、僕も視界に花屋を収めていた。

そして花屋は持っていた扇子を閉じ、神無へと向ける


「お前にババアなんて呼ばれる筋合いは無いよ」


「ははっ。そう連れないこと言うなよ。俺とあんたの仲だろ?」


「そんな事を言うなら正体を見せてみなよ」


「正体?何を言っているんだ。俺は神無だぞ?」


二人のただの会話に僕含め、周りの誰もただ見ている事しか出来なかった。

そんな中で神無がそう言うと、花屋の殺気が更に強くなった。


「一度しか聞かないぞ。お前は誰だ」


そう花屋が聞くと神無の姿が、まるで煙に包まれたかのように代わり、出てきた姿に僕は驚きを隠せなかった。

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