呼び出し
「そうか、君が神無の言っていた蓮ってやつかい」
そう僕に聞く花屋に僕は答える。
「はい。そうです」
神無が出て行った次の日、僕と菫さんは拠点に来た狐火隊の人に連れていかれ、花屋の拠点に来ていた。
道中は睡眠薬のような物を飲まされ、目隠しをされていたのでここがどこかは分からない。
しかしかなり広く立派な場所だったので、ここが花屋の本拠地なのかと思ったが、菫さん曰く「ここはいくつもある花屋の拠点の一つだろう」との事だった。
因みに僕達が何故呼ばれ、花屋が僕たちの前に出てきて、こうして話しかけられているのかは僕にも菫さんにもよく分からない。
「いや何、そんなに怖がらなくていいよ。君達には聞きたいことがあっただけだからね」
「何があったんですか?」
菫さんがそう聞くと、意外にも花屋は僕達が連れてこられた理由等をすんなり教えてくれた。
「実は神無がこの前急に来たと思ったら、そこの蓮って子の苗字と戸籍を調べてくれって言ってきてね。それ自体は別に良いんだが…その時にうちの子と揉めたようでね」
何やってるんだ神無
「何やってんだ神無。て事は私達に何か償えということでしょうか?」
「いやいや、そんな気は全くないよ。神無が勝手にやった事だろうし。ただ連れ帰ってもらえないかなと思って」
そう言うと狐火隊の一人が僕たちの方へ近付いてきた。
「神無は今別の場所に居るので案内します。着いてきてください」
そう言われ、僕と菫さんが花屋の居る部屋から出ていこうとした時、花屋が僕を呼び止めた。
「そうだ君。残念ながら君の苗字と戸籍はまだ分かっていないが、分かり次第狐火に伝えさせるから待っていてくれ」
「ありがとうございます」
僕はそう言い残し、部屋を後にする。
それから少し歩いて建物の地下の様な場所に神無は居た。
「お、お仲間が来たようだな。じゃあな神無。次来る時は暴れんじゃねぇぞ」
「分かってるよ」
そんな会話を狐火隊の誰かと会話をしながら神無は出てきた。
その後僕と菫さんは来た時と同じように目隠しをして、睡眠薬を飲んでから狐火隊の人に送ってもらった。因みに神無は「どうせ拠点の場所は知ってるからする意味が無い」との事で自分の足で先に帰って行った。
――「んんー」
「あ、起きたね」
「…そうだ花屋の拠点に行ってたのか」
「君は睡眠薬すごいしっかり効くタイプみたいだね〜」
「菫さんは効きにくいんですか?」
「効きにくいというか、能力の関係で全く効かないというか…」
「え、て事はずっと起きてたんですか?」
「うん、起きてたよ。普通の睡眠薬とか麻酔なら君も効かないからそんな感じ」
「え、僕効かないんですか?でも僕ぐっすり寝てましたけど」
「人間用のだと喰らう者の血が自己防衛をして効かないから、喰らう者用のを使っているんだよ」
「そうなんですか」
「因みに喰らう者用のは、最初私の血を元に作ったから私には効かないんだ」
「て事は菫さんは同じように眠らせたりする事が出来るんですか?」
「んー…ちょっと違っててね。喰らう者用のは極限までリラックスさせて自分から寝ているような感じなんだ。だから同じ事は出来るけど、あれに比べたら効きにくいよ」
そんなこんな話しているうちに目が覚めて来たので、一度顔を洗いに行ってまた部屋に戻るといつの間にか神無が居た。
「お、来たか」
「じゃあ行こうかー」
え?え?
「どこに行くの?」
「ん?」
「「人を襲いに」」




