第31話 今後どうするか
覇王と王妃さんが釣りをしている時も、覇王が書類仕事で目が疲れている時も、覇王がチキン南蛮定食を食べている時も、覇王がルミナに顔を舐められている時も、ミルオース中央皇国に向けて出発した船団は航海を頑張っていることだろう。
ミルオース中央皇国から来た連中だけだったら精々頑張って帰ってくれ……よりはもう少し大丈夫かな?って心配するかもだけど、補給艦に乗っているのはゴブリンたちを始めとしたエインヘリアの大事な民だからね。
補給艦に乗ってもらったのは、国営農場や漁業村からの出向してくれたゴブリンたちと開発部から数人……それと船を動かす為に治安維持部隊から出向してくれた隊員たち。
彼らのことを考えれば、さすがにちょっと心配……程度ではなく、ふとした拍子にそわそわしてしまうくらい心配だ。
まぁ、バックアップの飛行船がいるから大丈夫だとは思うけどね。
しかし、こうしてみると……うちも結構底力というか国力が上がってきた感じがする。
今までも治安維持部隊や外交官見習いを始めとした、うちの子たち以外の人たちも活躍してくれていたけど、その活躍の場が広がっているというか……霊峰の大陸もランディやレヴィアナたちが頑張って管理してくれているし本当に人材が充実してきたと思う。
まぁ、うちの子たちが国の中心……そして根幹であることに変わりはないけど、少しずつエインヘリアを支える人材が育ってきている。
頼もしい限りだ。
一時期文官の数が足りなくてかなり困っていたこともあったけど、その辺も段々解消されてきている。
キリクたちに鍛えられた文官が各地で頑張ってくれているのだけど、もう少しすれば学校で学んでいる子たちが仕官してくれるようになるだろう。
文官だけじゃない。
治安維持部隊や外交官見習い、治療院や職業斡旋所を始めとした公務員はまだまだ沢山募集しているからね。
しかし、今後は採用試験も難しくなっていくかもしれない。
エインヘリアの公務員は結構人気の職業だし、倍率も年々高くなっているみたいだ。
勉強の出来不出来が仕事に直結する訳じゃないけど、それでも努力の結果の一つではあるし、目標に向かってやるべきことをやってきたという一つの指針ではある。
縁故採用よりは信頼できるかな?
勿論縁故採用も役に立たないとは言わないけどね?
人を紹介するってことは、紹介する側にもそれなりにリスクがある……紹介した人が全然使えなかったり、大きな失敗とか犯罪とかをやらかしたりしたら責任を問われる可能性もあるし、何より信用がガタ落ちになる。
このくらいの文明度だと普通に連座とかありそうだしね……さすがにうちではそこまでの責任は求めないけど、それでも心証は悪くなるだろう。
それを理解した上での推挙ということであれば、こちらもちゃんと取り合うつもりだ。
まぁ、腐敗の温床にもなりかねないからね……誰でも彼でも採用ってわけにはいかない。
その辺の塩梅って難しいよね。
推挙されたとしても基本は下っ端としての採用とかになるし、いきなり重職につけたりはできない。
物語とかだと推挙されていきなり重役とかあるけどさ……世の中そう上手くはいかんでしょ。
雇う方も雇われる方もね。
雇用条件とかは今後しっかりと制定していくことになると思う。
まぁ、それも今後……学校の卒業生が社会に出て来始めてからだね。
国営の孤児院から学校に入った子たちは……一期生がそろそろ基礎教育期間が終わるかな?
そこから高等教育に行く子もいるだろうし、就職する子もいるだろう。
高等教育からさらにその上の専門教育……そしてすっかり学術都市となったスティンプラーフ地方で研究職や教育職に就くものも出てくるだろう。
将来的にはそこから開発部とかに登用できたらいいなと思っているけど、それは今後に期待だね。
他にも代官は……さすがにいきなり無理だから補佐官とか秘書とかかな?
うん、子供たちの成長が本当に楽しみだ。
優秀な人材はいくらいてもいいし、可能な限り逃したくはないけど……一番大事なのは本人の希望だから、強引に公務員になりなさいとかは言わない。
自分で仕事を選ぶのは大事だし、やりたい事をやるのが一番モチベに繋がると思う。
まぁ実際働いてみて、こんなん思ってたんと違うってなる可能性は大だけど……そうかインターンシップを充実させよう。
お客様感覚ではなく、ガチ目のインターンを経験させて本当にこの仕事をやりたいのかを問う……接待感覚で人材を集めるたとしても、実際働き始めて即辞めたとかじゃ意味ないからね。
ということは……卒業したら即就職、みたいな風習は作らないように気を付けよう。
焦って就活させるのは心身共によくないし、最終的に妥協の妥協みたいな感じで仕事を決めちゃうかもしれないしね。
勿論、そこで天職となるようなものを見つける人もいるだろうけど、俺個人としては色々な経験……色々な仕事をしてこそ天職なんてものは見つけられると思う。
一発で天職と呼べるような仕事を見つけられたのなら、それは相当運がいいんだと思う。
憧れの職業に就けたとしても、道半ばで諦めちゃう人は少なくないしね……。
因みに覇王が俺の天職かときかれたら……ちょっと首を傾げるけど。
いや、楽しいか楽しくないかで問われればめっちゃ楽しいけど……覇王としてばっちり働けているかと問われれば……まぁ、微妙なところだろう。
俺が覇王ムーブできているのも、全てキリクたちのお陰です。
しかし、あれよね。
俺が打ちだした方針って、今のところ殆ど実現されちゃってる訳で……マジで今後どうしようかね?
うーん、教育と仕事は充実させ、医療と公衆衛生に社会保障も整えた。
医療なんて『下級ポーション』と『万能薬』だけでほぼほぼ対応出来ないことはないし、最終兵器である『毛生え薬』も持ち出せば治せないものはない。
勿論『万能薬』に頼り過ぎると医療技術が発展しないし、いざ『万能薬』が効かない病気が発生したりした時にとんでもないことになりそうだ。
しかしこの問題は難しいね……。
『万能薬』を使えば治る病気を研究するってことは……病気で苦しむ人が目の前にいて、薬を使えば治せるにも拘らず、研究の為に治さないということになりそうだし……。
後で治すからもう少し苦しんで下さい……とはならんやろ。
まぁ、研究医療ってどうやるのかは全く知らんけど、この世界ではこの世界なりの……『万能薬』というトンデモ薬がある前提の医療発展を目指してもらうとしよう。
さすがに研究関連にこうやりなさいって指示が出せる訳もなし……。
医療はさて置き、後は……前から悩んでるけどスポーツや娯楽関係の促進だね。
この辺は……学校を使って上手く普及させようという感じで話を進めていたりする。
球技と大型遊具辺りは学校に導入している。
なんだかんだで体を動かすのは大事だと思う。
勿論、体を動かすことが苦手な子もいるわけだけど……健康の為には最低限体を動かすことも重要だろう。
可能であれば楽しく体を動かして欲しいところだけどね。
それにしても、今後どういう政策を進めるべきか……ちょっと真面目にフィオに相談したほうがいいかもな。
起業とか個人研究、芸術関係の支援とかやるか?
借金というか、融資の仕組みはちゃんとあるんだけど……。




