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相棒のスライムを連れて  作者: 野生のスライム
四騎士の塔
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フィシアム大図書館

ゆーっくり前の更新頻度まで戻したい。

マグナ+とか実装されるそうだし、日課短縮で案外いけるかな?

あとイアソンの宝具が好きすぎたので、最前線に送る予定。


あ、今回若干短いです。

 


 僕は今、図書館にいる。正確には『フィシアム大図書館』という、蔵書の数が百万冊を超えているらしい凄い場所だ。

 玉座の境界線まで戻った僕は、まだ戻ってきていないらしいゴネットを待つために、アーリさんの案内のもと、王城を出てここに来た。ただ待ち続けるのも退屈するだろうからと。無意味に王城に長居する理由もないので、僕は疲れから開放されるべく、それについていった。

 正直な話をすれば、国王様との会話は緊張したけれど、同時に楽しいものだった。愉快というよりも懐かしさが強い楽しさだ。部屋の掃除をしていたら、ふと昔の思い出と出会ったような、そんな感覚。

 だけれど、王城自体の雰囲気だろうか。使用人の立ち振舞いと、僕との差異が、あの場で僕自身を異物として捉えてしまう。不快感とは違う、ここに居ていいのかなっていう不安が居心地の悪さになっていた。

 だから、アーリさんの提案は助かった。「暇潰しに、図書館でも覗きに行くかい?」と言われたときは、悩むことのない即決で僕は頷いたのだ。


 図書館は一階と二階、それに地下もあるらしい。流石は大の付く図書館という言うべきか、広さは一つの教会が持つ敷地以上で、確かに百万冊はありそうだと思えるほどだった。

 入り口では、従魔の大きさ制限で『人間以上に大きな従魔の入館は、当館ではご遠慮願っております』って注意書が貼られていたけれど、入館前の僕は最初、それを疑問に思っていた。こんな大きな建物に対して、制限が極端ではないかと。

 入館すると、その理由が分かった。図書館内には、家庭に置いておくような本棚ではない、両面から本を取ることのできる厚い本棚が、等間隔で配置されていた。しかも、その間隔は人が二人か三人、通れるかどうかぐらいの幅しかない。そりゃあ大きな従魔はお断りですよねって、一目で僕は納得した。

 無論、白は制限に引っ掛かることはないので、僕の頭に乗っかっている。他の人が見たら、白い帽子を僕がかぶっているように見えるだろう。


 本の種類は、各コーナーによって分けられていた。ミステリなどの一般販売されている創作から、料理本や勉学書だったり、歴史書だとか、持ち出し厳禁らしいけど、入館料さえ払えば何時間でも読み放題なんだとか。

 入館料もアーリさんが払ってくれたし、本当に至れり尽くせりで申し訳ない。でも気づいたときにはアーリさんが払っていて、その分を返そうとしても受け取ってくれないのだから、もう僕にはどうすることもできない。素直に甘えよう。


「んー、『君に贈る花を』、『薔薇の隠し道』……」


 アーリさんは王城に戻ってトトとゴネットを待つそうなので、僕は僕で本を読もうかとタイトルを口にする。どれか一つでも気を引くようなものさえあれば手に取るんだけど、どれもこれもピンと来ない。


「……なんだこれ」


 そうして、指で順に沿わせながら、気になる本を探していると、僕はとんでもないものを見つけてしまった。面白そうだとか、そういった方向性とは違う、目を引くタイトル。


『井戸端会議殺人事件~聞いた奥様? 隣のセブンさんが捕まったそうよ~第一巻』


「長いし、タイトルでネタバレしないでよ」


 殺人事件ってついてるからミステリなのかな。子洒落た料理名みたいなタイトルもミスリードだったり? でも食指が動かない。非常に、内容が僕は気になっているのだけど、重要なのはこれ、第一巻なのだ。つまり、一冊では完結しない。なのに、ここには第二巻がない。

 誰かに借りられている可能性。それは薄いだろう。だって上下左右、どこも本で詰まっている。仮に、前に借りていた人が適当な場所に戻して、第二巻がこの図書館内にあったとしても、もう僕には探しようがない。続きが気になったままの(かすみ)を抱くくらいなら、初めから読まない方が良いと僕は思うのだ。


「こっちは、『イシサヤなる怪盗』。あー、書籍になったやつだ」


 怪盗の単語を世間に広めたことで有名な劇団。その劇団の人気が右肩上がりの天井知らずだった頃、波に乗って劇内容の小説が出たんだよね。劇団監修のもと作られたのがこれだったはずだ。

 もう読んだことあるんだけど、劇中には出てこなかった裏設定とかが分かって面白かったなぁ。劇では出なかった場面で、あの人物がイシサヤの知らないところで活躍してて、それが結果、イシサヤの助けになっていたとか。劇中のご都合主義に納得の理由ができたのは、この本のおかげだよね。

 歴史をモデルにしたってだけで、この小説はあくまで創作だ。だから、おまけについてた悪徳貴族に仕えるメイドの外伝が、完全にコメディーになっていたのも、読んでいて凄く笑った記憶がある。


「こっちの本棚は、哲学書かな? 生物学に……従魔学……あっ、これ」


 趣向を変えていくつか離れた本棚に移った僕は、聞き覚えのあるタイトルを見つけた。

 それは学生時代。従魔学の先生が「面白いから是非読んでみてほしい!」と絶賛していた本。確か、現在の従魔学理論の観点から大きく外れた、これまでとは全く異なる考えなんだとか。むやみやたらに誇張表現をしない先生を「最も真実に近いんではないか」と言わしめたどこかの従魔学専門家の著書。

 もうそろそろ三年前の本になるはずなんだけど、結局この本の信憑性はどうなったんだろう。あの時は勉強に次いで勉強と、他科目の予習が忙しくて、落ち着いた頃には本の存在自体忘れてたんだよね。なんなら今実物を見てようやく思い出したくらいだ。

 丁度、買うほどではないけれど、先生が勧めていた本ということで、多少なりの興味は持っていたのだ。だから、ゴネット達を待つまでの間、いい機会だからと、僕は持て余す暇をその本に割いてみることにした。


『従魔における環境や星の関係性』

 著 ルトレム


 ──従魔とは、神が人間に遣わした友であり、その善悪は召喚者によって左右される。

 これが一昔前の定説であった。神を崇拝する教会は、現在もこれを提唱している。だが、今の時代は『なぜ』を突き詰める時代だ。

 なぜ液体の水は凍り、氷という固体になるのか。

 なぜ空模様は変化し、雨、雪、落雷などの現象が起こるのか。

 なぜ摩擦などの熱により、火が発生し得るのか。

 神という(言い訳)を脱がせると、世の中にはごまんと理解できないことが溢れている。しかし、見たこともない神よりかは、俄然信用足り得る疑問である。

 我々がこれを理解したとき、人類はまた一歩、進化の道を辿るだろうと私は信じている。故に、私は一人の探求者として、従魔の原理を模索することにした。これは遥かなる旅路であり、とても一人の人間が解き明かせる範囲ではない。だから、私はこの本を書くことにした。

 私が気づいた従魔の関連性と、試行錯誤の結果を後述する。これを読み、感化された者が一人でもいれば、その一人が真実に辿り着くかもしれない。それはとても夢のある話だ。

 正直に述べれば、この道は私自身が解き明かしたいのだが、情報の独占は進歩の停滞に繋がる。もう私にできることは少ない。ふと可能性にひらめくか、次の者へ託すかくらいだろう。別に、もうじき死ぬような歳でもないのだが、ひらめくまではこの舞台から降りようと思う。願わくば私が生きている内に、謎が解明されてほしいところだ。

やや中途半端に切ったのは長くなりそうだったから。

さて次回は、記述内容からゴネット合流まで持っていきたい。

『四騎士の塔』編は物語の山とかほぼないですからね。日常編みたいな、のほほんな感じ。最終章に繋げるための章です。だから本音としてはさっさと進めたい。でも書いているとキャラクターが勝手に動くんだよなぁ。トトとか最初は出す予定なかったのに。アーニスとかいなかったのに。面白そうって理由で物語が進む。

大筋は予定通りなんですよ。ただ大筋が太過ぎて蛇行運転してるだけなんです。手綱がフリーダムで掴めないってだけなんです。

はい、一応次章は本格的に怪盗とか、白の活躍の場とか予定しています。まだそこまで辿り着けないけど。というか、白の影の薄さをどうにかしたい今日この頃。


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